カテゴリー「ツィッター事件簿」の14件の記事

2018年2月28日 (水)

筋の悪い運動論-くたびれはてこが正しくC4Dbeginnerは誤りである

以前、「筋の悪い運動論」という記事を書いた。

今回は、女性専用車両を巡ってより反響の大きかったフェミニストくたびれはてこ氏とアイドル・映画・時事評論を呟くC4Dbeginner氏(以下CDB氏)の論争を取り上げる。

先方は当方のような零細ブログなど知らないだろうと思うが、311を機に自民党的なものと袂を分かってから、御二人の言論は是々非々のスタンスから、以前より注目していた。

【顛末】

「何のことだろう?」といぶかしむ向きに説明すると、2月25日の日曜日、ドクター差別こと兼松信之率いる女性専用車反対運動家達が、渋谷の駅前で演説をしようとしたところ、カウンター数十人に囲まれ、最後は仲裁に当たった警察官の説諭「私は(女性専用車賛成派の方が)正しいと思う」という言葉に反論出来ずに、退散したという出来事があった。これを巡っての論争である。

まず、兼松一味だが、2月25日に先立つ平日朝、「運動」と称して朝ラッシュ時の千代田線を15分止める騒動を起こした。既に過去の行状から、チャンネル桜の支援を受けてシンポジウムに参加していたり、中韓への差別発言を行うネット右翼であることも判明している。なお、彼等の賛同者には、性的な欲望を満たすために女性専用車に乗車すると宣言した者もいる。

彼は非常に論争が好きなようだが、単なる時間稼ぎの消耗戦狙いである。社虫太郎氏が言うように、ネット上で論争を仕掛けてきても、聞く耳を持たない方が良いだろう。

【論争】

さて、CDB氏は上記のような警官の行為を許すべきではないとの主張をした。

以下、くたびれはてこ氏の指摘から抜粋する。

多少長くなったが主要な部分を引用した。

【CDBは間違っており、くたびれはてこが正しい】

ところで、私は男性なのだが、過去、性犯罪トラブルに遭遇したことが何回かある。その経験から言うと、これは彼女が正しいと思う(既に北守氏なども指摘しているが)。くたびれはてこ氏は以前別の話題では批判したこともあるが、是々非々ということである。

まず、「極右デモの警官や辺野古の警官は悪い警官で、今日、女性専用車両反対デモに解散を命じた警官はたまたま人間的に良い警官だったと本気で思ってるんですか。」だが、これは論理のすり替えとして処理しなければならない。

警察という組織にも期待されるべき役割がある。リベラル左翼の場合、警察に期待するのは一言で言えば社会的強者の手先ではなく、弱者の味方である。だから、権力者の私兵として振る舞っている辺野古や公式に口にしたくない国家主義を代弁する極右デモの積極的護衛は(それが裁量の範囲内であっても)批判する。兼松一味は男性差別なる概念を濫用して自己を弱者だと偽っているが、実際の弱者は圧倒的に痴漢の被害に遭う頻度が高い女性であり、冤罪を差し引いてもなお膨大な数が残る。だから警察の説諭が支持される。それだけの話だ。

ついでに言えば、CDB氏は兼松と同じ立場で物を眺めてしまっていることに気付いていない。記事冒頭のツイートはそれを喝破しているのである。

勿論警官個人にもある種の職業倫理は当然要求されるし、警官によって判断にばらつきが出る事例は幾らでもある。今回の事例が「運良く当たりの警官だった」ことも紛れも無い事実だろう。

【政治運動ではなく不良が暴れてるだけ】

もう一つ指摘したいことがある。CDB氏等は政治的トロッコ問題と捉えようとしているが、これはそもそも、そういう事案と当の警官も含めて認識しているのか、ということだ。万引きとか、不良が暴れているとか、生活安全課の事案というか、精々ヘイトスピーチ対策法・条例の範疇じゃないのと。理論付けて「世の中何でも繋がっている」とドミノ理論で正当化する姿はどの政治勢力にも見られることだが、そこまで言う程の案件であるか疑問。

説諭は、兼松等が無視してきた駅員がやってきたものと同様「お願い」スタイルに過ぎなかったと思われる。もちろん拒否すれば、公権力の行使に移行することは容易に予想できるが、よく言われる「民主的で進歩的な」欧米の警察でも同じような結果になったのではないだろうか。

【ヒトより動物に近い】

くたびれはてこ氏は「なんでああいう人ってあそこまで男性に弱いのか不思議なくらい。とにかく男が対応すると態度がガラッと変わる。男性はどのくらいあの激変ぶりを知っているのだろうか。」という。

彼等が動物的本能で生きている証拠である。卑屈な下等生物と言って良い。人間界にいたければ檻の中が似合いという事だ。

【「普通の日本人」は躊躇なく警察を利用する】

ところで、何故この問題は右傾化した日本のネット社会でも兼松への批判の声がおおきいのだろうか。

それは、性差別につながる問題は、原発・辺野古・薬害などと違って、地域的・社会集団の偏在性が皆無に近いからである。ありふれているので、本邦のうすのろ呼ばわりされても仕方のない「臣民」「普通の日本人」にとっても、身近な問題として考えざるを得ない。

また、この手の問題は日常あまり目立たない「右派だがフェミニズム的な思考も持つ女性」にとっては実にバカバカしいことだろうとも思う。

性犯罪の危険に遭った時、「怖くてパニックになる」「通報は出来るが時間を取られたくない」といった理由は思想の左右の別なくあるので、それをなじって「通報しないお前が悪い」という批判は確かに不当だろう。だが、いわゆる右寄りだったり無自覚な「普通の日本人」に類する女性の場合、「警察は国家権力だから」という理由はまずありえない。そういう意味では、彼女等は警察の利用に躊躇が無い。

仮にCDB氏が我慢を要求している脇で、女性が警察を呼んだらどうなるか。筋の悪い運動家や評論家達が最初に危惧していたよりもっと悪い結末-兼松撃退という美味しい成果が警察のものとなり、彼等は「リベラル左翼のミソジニスト」として無能扱いされる結末が待っている。

【有用な社会資産を一つでも残す方が良い】

今回の件で次のようなことも感じている。自分の中ではそれほど重要な位置を占めてはいないのだが、反安倍支持層の今後を考えても、さほどのデメリットにはならないだろうということ。

反安倍勢力が再び政権を奪回する可能性はあるし、野党支持層はそれを実現するように様々な努力もするとは思う。だが、一部のリベラル左翼人士が予想するように、今後延々と右翼政治が続き、日本の凋落・貧困化・格差社会化が進むだけという未来も当然考えておかなければならない。

そういう状況では、100点満点の理想論だけに拘りを持っても、今回のようなトロッコ問題を生むだけだろう。そうであるならば、兼松一味のようなミソジニーの権化を警察に放逐させた方がまだましである。

そもそも、警察不信論の欠陥の一つは、それが如何に正当な事実であっても、批判派が国家が独占する暴力に代わる手段を提供できないことにある。各地で自警団を組織したとしても、その能力は殆ど期待できない。勿論、一部の国家のように民兵を一般化するような形で国家以外が暴力を万遍なく持つ状況が出来したら、その害悪は大変なものになるだろう。警察力の問題は、止めることが出来る原発と違って根深いとも言える。

まぁ、渋谷駅は元々鉄道警察が痴漢対応の拠点にしているから、当該警官のジェンダー教育も行き届いていたのかも知れないが、個別の警官のジェンダー差別理解度に係わらず、組織としての警察は、「性犯罪撲滅」をPR出来るチャンスは逃がさない。政治も同様で、かつての治安維持法と普通選挙権のセットの時のように、市民の自由を縛る法案と対になる形で「より男女同権的な」性犯罪処罰法案、女性専用車の法的根拠等を付与する政策も行われるかも知れない。実際、2017年に成立した強姦罪の非親告化はそういった飴のひとつだったと思う。

それでも、乗らざるを得ない飴はある。意固地に筋の悪い原理論を主張して、無自覚なミソジニーを晒すのは避けなければならない。だから、他山の石としてCDB氏の主張は否定する。

【おまけ 鉄道業界は何故兼松と痴漢を放置するのか】

女性専用車両問題で前から不思議に思っていることがある。痴漢被害の大きさゆえに、推進者は男性を含めて大衆レベルではかなりの層厚がある。それにも関わらず、何故、鉄道業界は法制化運動や専用車設定以上の対応策に消極的だったのか。この点はもう少し鉄道経営や社会学的知見を混ぜて分析した方が良いと思う。彼等の消極性も、ユーチューバーとして兼松の仲間が金儲けするところまで問題を悪化させた原因だと思われるからだ。

有力な理由は、彼等の政治的出自が所詮は「普通の日本人」たる保守系右翼であることだ。

JR各社はその歴史的経緯から、社会党の系譜に繋がる勢力が弱体化した。特にJR連合は、元を辿れば鉄労に行きつく。鉄労とは兼松が働いていた民社党の支持母体だ。メンタリティ的なルーツからは、お里が知れると言うことである。

各地の大手私鉄は地場資本による小規模財閥と考えて差し支えない。精力絶倫の噂が絶えなかった西武の堤を始め、伝統的な経営層は雲の上の金持ちである。本当の庶民感覚など持ちえる筈も無い。

各社の総合職の社員も経営層と似たようなものだ。個別事例だが、JR東日本の総合職社員で田嶋陽子の思想を憎悪している者を1人知っている。現業員たちも、ネット上の書き込みを観察する限り、内心でミソジニーを拗らせている者は昔から散見する。甚だしい事例の場合、鉄道会社だけが被害者であるような態度を示し、被害女性やカウンター(的な人士)を目の敵にする者さえいる。勿論、好ましい状況ではない。

シンクタンクも碌な研究をしていない。

例えば運輸政策研究機構。混雑問題は昔から扱い、優れた分析力を持つ。過去実績として防災・バリアフリー・ICT関連もあり、最も近いテーマとして2002年に「公共交通における犯罪等緊急時の対応方策に関する調査」を行っている。それにもかかわらず、日本財団をバックにし、過去の国鉄労使対決の名残もあって、過去、「アカ」とみなされる要素を持つ人士は採用の場から排除されていたと聞く。そういうことをしていると右翼的な人間と運輸業各社から転籍した学歴エリートだけが残る。昔の話だが、私がこの団体のある研究を見つけ、引用しても良いか照会した時、応対したベテラン職員は「内輪でやっていたいから」と「拒否のお願い」をしてきた。専用車や痴漢を巡る統計調査・および調査結果の開示が不十分な理由の一つは、彼等の内向きでミソジニー的性根ではないか?、と思わざるを得ない。

鉄道総研も同罪である。ここ数年鉄道各社が通勤電車に導入を検討しているような、客室内監視カメラは研究していない。調査しても見つかるのは民間企業の自主的な研究(製品PR)に留まる。カメラ以外に痴漢を抑止する効果のある研究も見ない。そんな人達が時の新車落成時に車内のアメニティ向上を幾らPRしても、長年観察している私の目から見ると空しさを感じることがある。

一般財団法人交通経済研究所(旧運輸調査局)は、上記2団体よりはマシで、産業労働者、平たく言えば現業員としての女性職員については『運輸と経済』で度々取り上げている。しかし、その他の女性に対する視点は消費者行動の分析であり、車内犯罪の蔓延に対して経済や労働からの分析も碌に見かけない。

公開された有用な調査は大抵が大学・学術団体か運輸系以外のシンクタンク・大手メディアの物が多い。この手の議論は「男性専用車を作れ」「監視カメラとDNA鑑定で全て解決」「輸送力増強の複々線化をせよ」などの10年一日の一過性のたわごとで済まされることが多く、そういう木で鼻をくくったような「提言」を好んで行うのは一般男性層に目立つ。しかし、彼等が本来するべきことは、まともな調査研究資料を集めて、分かっていること、分かっていないこと、簡単にできること、出来ないことの区分けから始めることだろう。なお、そういった他者の地道な営為を憎むのも、兼松賛同者の特徴である。

以上、鉄道業界を構成する幾つかの要素に内在する問題点を挙げた。近年は私自身が原発研究に傾斜しているので見逃している成果もあるかも知れないが、基本的には余り変わっていないように思える。

そうであっても、一つ一つ解決はしていかなければならないのは事実だろう。今思いつく一つの参考例になるのは名鉄の労使が対決した「特定旅客」と呼ばれる迷惑カメラマンへの対抗措置だろう。兼松一味はその適用対象としてよいと考える。

2017年8月27日 (日)

【お理工軍クラは】ドイツの3分の2の壁厚しかない日本のPWR原発に「戦闘機が当たっても大丈夫」と断言する人達【黙ってろ】

あの晩「馬鹿は黙ってろ」という暴言を吐いて自爆したお騒がせ軍事ブロガーJSFがまた、原発のことでいい加減なツイートをしている。

もう大分話は進んでしまっているので今更だが、発端となった下記の発言はあやふやな認識が行き渡っているので、はっきりさせておきたい。その方が、原発の安全性について建設的な議論が出来るからである。

なお、その他の観点からの反論・分析については下記のコロラド氏のツイートを参照されたい(情報提供では私も協力した)。

日本の原発の航空機突入対策とミサイル攻撃について - Togetter

「原発の建屋は戦闘機を突入させても大丈夫」、3.11以降推進派を中心として広まったこの認識は、下記の米サンディア国立研究所で撮影された実験動画が元となっている。

原子力発電所の壁にF4戦闘機が突撃するムービー」2006年10月04日 14時37分16秒

しかし、どのような原発でもこの実験結果が適用できるわけではない。というより、全く適用出来る原発は無い。

後日、コロラド氏と議論していて気付いたが、この実験は衝撃力のデータをとるために壁厚を実際のサイトではありえない厚さ(3.66m)にした上でダンパーを付けているので、原発の安全性に対する安全性の証明には全くなっていないし、当該の機体は爆装もしていない(実験の背景については次の論文でおさらいされている。坪田張二「3)航空機衝突に対する原子力発電所施設の耐衝撃設計」日本原子力学会 2016年秋の大会)。

まず、コロラド氏が指摘しているように、日本の原子力発電所は航空機が衝突した場合の耐性を仕様化せず3.11を迎えた(社内的に規定しているかも知れないが公表されることは無かった)。従って、戦闘機を突入させても大丈夫かどうかは分からない、というのが正確な回答である。

また、後で見ていくが、建設された年代と国の考え方によって壁厚は異なっている。

にもかかわらず、何故漠然とした安心感が広まっているかと言えば、原発建屋(格納容器)の壁厚は1m以上という宣伝が意識の底にあったからだろう。「日本では実験していないとしても、壁厚が1mもあれば戦闘機がぶつかった位で壊れる訳ないだろ」、という素人的直感である。

業界人は安全神話を広めるために噂を放置し、或いは自らも信じ込んだ。なお、日本の場合も1970年代の時点でタービンミサイル対策仕様書は準備している(「BWR原子炉系配管の安全設計実務」『配管技術』1979年2月号)ので、外部からの飛来物と一くくりに考えて安心感を抱いていた業界人もいるだろう。なお、タービンミサイルとは、蒸気タービンが高速回転中に破損した場合、高速で飛び散った破片を指すテクニカルタームで、兵器としてのミサイルを指す言葉ではない。

この直感は半分正しく、半分間違っている。物体の衝突で最も重要と目されるのは質量と速度だが、セスナや練習機のような小型機が低速で衝突する場合から、300tを超える重いワイドボディ機がフルスピードで衝突する場合まで、様々なケースが想定出来るからだ。

前置きはこの位にして、日本では公開されなかった航空機の突入仕様も、海外では公開している事例がある。中でも注目されるのは旧西ドイツだ。統一後、東ドイツの原発は危険性を理由に軒並み廃止され西ドイツの原発だけが残ったが、2001年(恐らく9.11の後)グリーンピースが同国全サイトの航空機衝突について検討した際、その壁厚を一覧化している(下記論文P4~P5)。

Gp_ev_22745_hamburg2001pp4_2

Dr. Helmut Hirsch“Danger to German nuclear power plants from crashes by passenger aircraft“Greenpeace e.V. 22745 Hamburg(2001)pp4

グリーンピースだからと頭から否定するネット右翼もいるだろうが、この部分はドイツの規制内容を説明しているにすぎず、内容はドイツ原発について推進派が書いたものや学術文献とも整合している(文中に掲示するのは煩雑なのでリンクに留めるが例えば:TOUR OF SELECTED SPENT FUEL STORAGE-RELATED INSTALLATIONS IN GERMANY(2006)(リンク) )。

ドイツの原発は構造上3世代に分かれる。

第1世代は壁厚2フィート(約0.6m)。10トンのスポーツ機(軽飛行機)が時速185マイル(296㎞)で衝突する条件としている。

第2世代は壁厚3.5フィート(約1.05m)。F-104戦闘機を想定し10トンの機体が時速400マイル(640㎞)で衝突する条件としている。

第3世代は1981年に新しく強化された規制に従い、F-4戦闘機を想定し20トンの機体が時速480マイル(768㎞)で衝突する条件としている。コロラド氏が良く指摘する米NUREG/CR-5042(1987年)の6年も前のことだ。なお、グリーンピースの論文には書かれていないが、壁厚は約2m、KWU社製の加圧水型炉K-PWR(Konvoi)の場合、1.8mとなっている。Youtubeにアップされた動画が時速800㎞で試験をしているのは、この規制を意識した条件設定なのだろう。

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出典:NUCLEAR ENGINIEERING AND DESIGN 1987 VOL103 No.1 pp23

なお、2001年時点でドイツには18基の原発があったが、その内第3世代は9基に過ぎない(内、konvoiは3基)。西ドイツは第3次大戦の想定戦場であり、また、西ドイツ空軍は900機以上のF-104を導入したが、300機近くを事故で喪失し、不慮の墜落の頻度が高かったという事情がある。このことが「落ちても滅多に当たらない」という確率論に頼ることを止め、原発に落ちた場合を想定する決定論に基づいた対策にシフトした理由だと思われる。しかし、その西ドイツと言えども、大型戦闘機の範疇に属するF-4の衝突に耐えられる原発は限られた割合しかなかったのだ。

世界を見渡しても、壁厚1.8mの格納容器に原子炉システムの主要機能を入れた原発はKonvoiのような一部しか見当たらない。

WikipediaのF-4記事の仕様欄は比較的しっかりしているようなので、そこから引用するが、空虚重量が約13t、運用時重量が約18t、最大離陸重量が約28tであるという。従って、20tという仕様はフルに爆装、燃料満載の状態には当てはまらないが、何も積んでいない空の状態という訳でもなさそうではある。どの重量を用いるのが適切かは、ブースカ氏のような航空専門家のコメントも参考にした方が良いだろう。

なお、JSFが論争を仕掛けた渡辺輝人弁護士は大飯原発訴訟の原告側弁護士を務めているそうだが、日本のPWRの完成形と言って良い大飯原発3・4号機の壁厚は過去に技術論文で紹介されており、胴部が1.3m、ドーム部が1.1~1.3mである。従って、西ドイツの第2世代と同レベル。壁厚はF-104戦闘機対応「相当」に過ぎない。

Concrete_kougaku199102p32
出典:「大飯原子力発電所3・4号機PCCVにおけるコンクリート工事」『コンクリート工学』1991年2月号

冒頭でも述べたように日本の原発の航空機衝突仕様は公開されていないが、壁厚は判明しているので推定は容易である。一方、1980年代以降の航空自衛隊はF-4やF-15といった大型戦闘機を主力としており、1980年代以降に建設された原発にF-104の機体規模(最大離陸重量13t)を想定することは適切とは言えない。航空自衛隊でもF-104は導入されたが1986年に実戦部隊からは退役している。航空自衛隊には同レベルの規模の戦闘機として三菱F-1が80機弱あったが、これも2006年に退役済み。現在F-4以外で日本の上空を飛行する主な戦闘機は次のようになる(暫定的に最大離陸重量で比較)。
  • F15-J:最大離陸重量30t
  • F-2:最大離陸重量22t
  • F-35A:最大離陸重量32t(導入中)
  • F/A-18E/F:最大離陸重量30t(米海軍)
軽量戦闘機に属する機体を前提とするのは詐欺と言って良いと分かるだろう。しかし、JSFのような軍事マニア達は「戦闘機にも耐えられる」「F-4が衝突しても耐えられる」と軽口を吹聴してきた。大した航空評論家振りだ。

種明かしをしてしまえば簡単な話である。それなのに本当の話が何故広まっていないかというと、日本の原発宣伝では、壁厚は曖昧に表現されることが殆どだったからである。試みにATOMICAの軽水炉の解説を読んでみても、正確な数値は出てこない。こういう姿勢が、日本の原発リテラシーを貧困なものとし、原発事故の遠因に繋がっている。

(以下はおまけ。)

【補論1】圧縮強度
konvoiと大飯3・4に関してはコンクリート強度の値も入手している。konvoiについては技術者による視察報告のため「強度」としか書かれていないが、通常、強度とのみ述べる場合は圧縮強度を指すそうだ(コンクリートの強度 白鳥生コン株式会社)。

大飯3・4の圧縮強度は450kgf/cm^2(『コンクリート工学』1991年2月号)に対しkonvoiの一つGKN-2号機は350kgf/cm^2である(「第9回電力土木技術調査団報告」『第29回電力土木講習会テキスト』1987年2月)P71)。大飯3・4の方が3割ほど圧縮強度が高い。

さて、1960年代末より米独では、軍事上或いは原子力安全の観点から、飛来物に対する建築の耐久性の研究が早くから進展した。これらの研究成果は国内外の文献で公開されているため、日本の建設業界関係者なども知ることは可能であり、実用する機会も存在した。例えば、自衛隊・在日米軍の発注する土木施設や、原子炉建屋設計をべクテルのような海外のゼネコンと共同で実施する場合などである。

こういった研究の過程で、飛来物によるコンクリート板の貫通深さ評価式、貫通限界板厚評価式が種々提案された。その一覧を読むと、圧縮強度はファクターに入っているものの、平方根の形を取っていたり(修正NDRC式)、そもそもファクターに入っていないなど、余り大きな影響は与えないような印象を受ける(例:「衝撃荷重を受ける鉄筋コンクリート板の局所挙動に関する実験的研究」『FAPIG』1990年3月号)。

よって、圧縮強度については簡単のため無視している。

【補論2】航空機突入仕様を明示出来なくなった背景は、JK-PWRの挫折か

国内外の原子力プラントの壁厚を比較したがらないのは、幾つかの理由が考えられる。K-PWRについては、1981年秋から東電がJK-PWRとして導入を正式検討しフィジビリティスタディまで実施したものの、導入を中止したからだと思われる。

東電が非公式の形でK-PWRに関心を示すようになったのは1970年代後半のことで、日経や業界紙がその動向をストレートニュースやKWU社の日本駐在員へのインタビューで報じていた。

一方1970年代から80年代初頭にかけて、日本の原子力業界は航空機衝突問題に対しても取り組みを始めていた。最初期の成果として1975年に原子力安全研究協会が『原子力発電所に関する航空機事故の確率評価について』をまとめていた。その後、より直接的なテーマを与えられた文献として、学者やコンサルタントなどに依頼された『原子力構造物への航空機及び飛来物衝突問題の研究』『原子力施設並びにコンクリート壁に対する航空機ミサイル衝撃の解析』が1979年頃に相次いで刊行された。その他、航空業界では航空振興財団がICAO文書『航空機事故技術調査マニュアル』を刊行していたが、1980年代に入ると原子力業界でも参考のため買い入れる動きがあった。

この時点での遅れは欧米に比べてまだ数年程度だったと思われる。NUREG/CR-5042(1987年)の元となったと思われる論文が1972年に出ているためだ(“PROBABILISTIC ASSESSMENT OF AIRCRAFT HAZARD FOR NUCLEAR POWER PLANTS”, NUCLEAR ENGINEERING & DESIGN 1972 No2: 333-364)。

1981年になると、先述のように西ドイツが航空機衝突の規制を強化し、その背景には冷戦があった。欧州はその最も重要な正面だったが、極東も(一応)ホットスポットと見なされていたので、日本の原子力業界が関心を持つのは当たり前だった。

従って、1980年代初頭時点で、資金のメドさえクリアすれば西ドイツ並みの対応で仕様を策定するだけの素地は持っていた。もし実施されていれば、3.11前から設置許可申請書にも記載済みだっただろう。

少し、後についてのことも述べておく。

電力中央研究所で「飛来物の衝突に対するコンクリート構造物の耐衝撃設計手法」の研究が始められたのは1982年のことで、その終了・報告は1991年である。また、冒頭に掲げた、用途廃棄となったF-4戦闘機を用いて衝突実験が行われたのは1980年代末のことで、日本の武藤研究室の提案で米サンディア国立研究所で行われた。なお、武藤研究室とは、福島第一1号機建設時、BWR建屋の耐震解析などで活動していた鹿島建設の研究室であり、同社の社報や記念誌、1970年代のNUCLEAR ENGINEERING & DESIGN誌にその名を見出すことが出来る(これらの他、警察・自衛隊なども何か研究はしていたのだろうが、先行研究を当たっても触れた物は無かった)。

朝日新聞が2011年に報じた、外務省による同趣旨の研究はオシラクの影響を受けてか航空機衝突は含まれていないが、1984年のことだ(「原発への攻撃、極秘に被害予測」『朝日新聞』2011年7月31日)。

しかし、ホットスポットと自認する者が多かった割に、日本の原発は耐震以外は単なる米本国仕様のコピーとして導入が進められた。航空機衝突で日本が採用したのは、米国風味のパッチワーク規制だった。飛行場に極端に近いサイトだけ仕様を明記。1980年代後半以降計画の本格化した、六ヶ所の再処理施設にのみ適用された。しかし、速度は時速540㎞に抑制され、訴訟でも批判の的となっている(「準備書面(123) 核燃料サイクル施設に係る新規制基準骨子案に対する疑問と批判」2013年9月6日P6)。西ドイツのようにどのような場所でも実施を要求する考え方とは異なっている。

同じ極東に位置し、本当のホットスポットであった台湾、韓国が航空機衝突についてどのように検討していたのかは分からない。両国との原子力交流は原産を通じて活発だったこともあり(業界外のネット右翼は受け入れたくないだろうが、紛れも無い事実)、電事連などが情報を手に入れようと思えば容易に入手できた筈である。

一方、そもそも何故JK-PWRの導入検討が浮上したのかと言うと、当時は1970年代中盤の初期プラント低稼働率問題の影響を引きずり、「本当に米国軽水炉で良かったのか」という炉形論議が再燃していた一方、更なる建設コストの削減も求められていたからである。

そのような状況で、F-4の衝突に耐えるJK-PWRを導入したらどうなるだろうか。

まず、WH製PWRを導入済みの他社と仕様の整合が取れなくなる(横並びが崩れる)。また、コストアップの要因にもなるので、経営面からは航空機衝突仕様の明記は積極的になれなかった筈だ。

一方で、WH製PWR並に壁厚を薄くすると「反対派を刺激し」説明に苦慮することが容易に想定出来る(勿論、苦慮する方が悪いのであって、そのような倒錯思考自体が批判されなければならないのだが)。1970年代後半、航空自衛隊の主力戦闘機は西ドイツ同様にF-4であり、更に重量の大きなF-15の導入も1976年に決定していた。このような状況下、K-PWRの衝突仕様をスペックダウンして導入することはあり得ない。社会的合意が得られない。

田原総一朗が推進派的ポジションに鞍替えして『生存への契約』を著したのは1981年のことで、その中で業界関係者にインタビューしている。内容は、国費による強力な助成で成功した西ドイツの賞賛。しかし、裏を返せば「金は出さずに規制だけを強化することは認めないよ」というメッセージが込められていたのかも知れない。

K-PWRのフィジビリティスタディは商業機密による縛りもあるため、公開された技術論文は未見である。しかし公開されない理由として、衝突仕様の問題も一因として働いたのでは無いだろうか。一旦日本語論文として社外にPRしてしまうと、当時計画中だった他のサイトまで問題が波及するからである。しかも、柴野徹夫『原発のある風景』や四電窪川原発反対運動の顛末を見れば分かるように、各社では70年代以前とは比較にならない立地難にも直面しており、これ以上面倒の種を抱える余裕は無かった。

勿論、航空機衝突に正面から取り組んだ原発を建設した方が、安全の面ではプラスである。しかし、JK-PWRを、安価がセールスポイントだったABWRの当て馬として使い捨てた時に、日本の原子力産業が航空機衝突への考え方を実機に反映する機会は決定的に失われたのである。

1983年に羽田沖で人為的な墜落事故が発生し、1985年には航路を大幅に外れた形で日航機墜落事故が発生した。これらを受けてのものか、通産省は1986年春に政務次官名で、航空機衝突の際の安全確保について電力に問い合わせている。電力の回答は「安全は確保出来る」という空疎なものだった。「安全を確保出来る」程度の規模で事故を想定していることが伺える。

こういった空理空論のツケは、結局311後に支払うこととなり、原子力規制委員会は各原発の再稼動を審査に当たって、議事録非公開の形で「故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムへの対応について」審議することとなった。しかし、具体的に壁厚を増す補強工事が行われた例は皆無である。高浜原発1,2号機はコンクリートの建屋で周囲を取り囲む工事を行っているが、あくまでも事故時の放射線を遮蔽するためのもので、航空機突入の補強が目的では無く、壁厚も元々の厚さが0.9mの所に、0.3mプラスされて1.2mにしかならない(高浜発電所1号炉及び2号炉外部しゃへい建屋の変更について)。

もし、政治環境の変化等によって、大型航空機の突入に耐える強度が求められた場合は更なる壁厚の増加工事が必要となり、その工事費用は二度手間であるがゆえに、最初から航空機突入を意識して外部しゃへい建屋を建設していた場合より遥かに高くつくと考えられる。こういった泥縄的状況は最早電力にすら旨味が無く、喜ぶのはゼネコンだけ、電力や元請が不当に価格を下げるように圧力をかけた場合、どこの組織も得をしない事態すらあり得ることも見通しておかなければならない。

最近、『新装版 怒る富士 (上)』をレビューだけ見たが、江戸時代の愚行をなぞる未来しかないということである。

関西電力は航空機突入を意図して新規に1m以上の壁厚の建屋を建設すると、他電力の原発にも同様の措置を行わなければならないので避けたのだろう。このような忌避的態度も、当補論2を補強している。

17/10/9:補論2にソース、高浜外部しゃへい建屋の件を追記。

2017年2月10日 (金)

「社員だけが非公開の内部情報にアクセス」と自慢するあさくらトンコツ氏の見栄

前に福島第一排気筒問題で一部作業員、偽科学関係者が振りまいた安全神話を書いた時にもこの方観察して思ったのだが、11人の部下を率いて1F廃炉現場にいると称しているあさくらとんこつ氏って、身内でもバカにされてるんじゃないだろうか。

あんまり使いたくない表現だけど、地頭が絶望的に悪い。

【1】論文で勉強しろ。でも本当に重要な情報は教えないよ。
相手の皮肉は勿論、連ツイの矛盾にすら気づかない愚かさ。分からないなら、勉強する意味は無いだろう(新発見狙いの研究者やクレムノロジーとかは除く)。

この話を聞いて思い出したのは、私も勉強しようと思って電力会社や電力中央研究所の図書室に問い合わせしたところ、外部からの閲覧は受け付けていないと冷淡に回答された経験だった。あさくらトンコツ氏が居た研究所というのは、大方そういう所だろう。彼の主張は見せないと断言している図書室に来いと言ってるのと同義だが、一体何を考えているのか。

【2】ネットの喧嘩如きで守秘義務のある話を持ち出す
一般産業界を含めてほぼマナーだと思われるが、守秘義務の直接当事者なら、黙るのが普通である。内部告発や批判的研究が例外扱いされているのは、密室でのインモラルな行為を晒す事に公益があるからだ。意味も無く社内で研究中の開発品についてペラペラ喋ったり、図面の存在などを誇示するのはアホのやることだ。

勿論、分野によっては日本の情報公開のレベルが低くて、中国などの方がしっかり開示していることや、以前は詳しく説明していたが、今は表面的な発表に留まると言った時期による差もあるだろう。

規制の厳しい業界だと契約によっては、その仕事をしてることも話すなという文言もあるようだ。かつて、シャープ亀山ディスプレイに市場価値が認められていた時にも、そんな話を聞いた。

ていうか、私もサラリーマン(非原子力業界)の端くれだけど、職場にこんなのいたら…だなぁ。研究所で重要なデータへのアクセス権を持っていた人が廃炉の現場に回ってるという事は、懲罰人事を想起。口が軽いので外されたのでは?

余談だけど全体が見えない人って、細かいことでは器用って結構あるんだよね。国の言うことには何でもヒラメな一部のマニア向きの表現だけど、『レッドサンブラッククロス』にスターシステムで出演した真田中将もそういう台詞を与えられてるよ。

ある意味現場向きの楽天家。絶望の職場と思ってないのだから、雇う側からすれば使い易いのだろう。

【3】お手製企業広報の罠
「自分で語ろう」と煽っていた東電のような例外(コロラド氏のtogetter参照)はともかくとして、推進陣営の構成員をやっているなら、企業プロパガンダは広報に任せておくのが筋。意味の無い愛社精神の発露は内輪でもドン引きである。

もっと言えば、広報の外注先にしても企業の担当が決めているので、わざわざ井上リサとか、アゴラ御一行様の垂らす釣り針に食いつくのはアホだろう。原発プロパガンダにもピンキリがあり、公式系は嘘を入れたり、不都合な情報を教えないことはあっても、普通は他者への直接的な悪口は入れない。東電が嫌われる理由の一つが「慇懃丁寧だが、内容は冷淡」という態度だが、そのことを良く表している。勿論、公式系が問題無いという事では無く、彼等も原発事故の戦犯であることは、「テロ対策を言い訳に反対派を追い出して爆発した福島第一原発」で論じた。

ネットで営業してるPA業者は公式系より更に悪い。感情に任せた悪口が山盛りで、紙にも残し、広報請負人としてクオリティは最低と言って良い。在特会や日本会議のような反社と同レベルである。

【4】本質的に詐欺師の話法
「詳細は知っている。教えないけど、大したことは無いんだ」

あの事故の後、初めて会った人間にこんなこと言われて信じる人いるのだろうか(笑)。

そんな話を聞かされても「本当に見れないか試してやるから文書名教えろ。開示請求するから」で終わりである。特に原発のコストの話など、機密に指定しやすい技術の話では無く、お金がメインの話である。経済産業省お得意のモデルプラントなどという空想は止めて、各社の収支見通しをあさくら氏が見たというレベルまで細かく開示するのが筋だろう。それが出来なければ消費者や株主に対する背信である。

彼を見ていて救い難く馬鹿だなと思うのは、社員として一定のアクセス権を付与されたり、学会誌を購入していれば事足れりと思っている能天気さ。私の経験から言うと、学会誌は学会員を肉屋の豚として扱う事もあり、思ったほど有益な情報が得られない。クロニクルに並べたブログ記事を見直して思ったが、津波想定にせよ、地震想定にせよ、本当に重要な話は学会誌以外から発掘したし、他人の学会誌論文を鸚鵡返しするだけでは無理だった。

大きな本屋の科学コーナーに何冊か置いてある企業研究者向け論文の指南本を読めば分かるけど、経営判断に係わったり現状の方針を否定するような研究は社内の審査で跳ねられる。企業技報の論文がバイアスかかっていたり、深みに欠けているのは機密だから、と言うだけではない。そういうことを見越して社会への問題提起はブログなどで私的に行なえとアドバイスする本もある(例:石田秀人『はじめての「技術報告書」』工学社 2008年)。

もっとも、業界の現状を肯定するだけのあさくらトンコツ氏や、勤め人系の原発推進オタクには縁の無い話だろう。彼等が会社の方針に合わせた話を企業を通じて発表出来ないのは、憎たらしい外部の連中に自慢話が出来ないからである。企業技報は私的な自慢も禁止だから。

【追記:いい年して「ジオン軍の階級章だぞ!」】

ユーキムさんとあさくらトンコツさんの原発のコストについての議論 - Togetter

一連の流れを推進派自らがまとめている。どう読んでもあさくらトンコツ氏は「ジオン軍の階級章だぞ!図が高い」以上のことを言えてないのだが、いい年して小学生のように信じ込む奴輩が集まっている。

ま、後ろから指差されてても外向けなら「俺はエースパイロットだ。階級章大事にしろよw」位の法螺は吹けるからね。揃いも揃ってアニメ大好きな割に肝心なことが何も学べてない様で何よりだ。

2016年12月23日 (金)

【悲報】清谷800G事件の前「戦車が弾を弾き返すと乗員が死傷する」と思っていた軍事マニア【消印所沢まで】

先のブログ記事を公開したところ、早速2chの清谷スレで侮蔑的に晒された。自慢じゃないが私のブログは来訪者がそんなに多くは無い。ログを見るとその時間に1人いた。法人サーバーらしいが、何やってるんだろう。

ところで、面白いことを教えて貰った。2012年5月に「清谷800G事件」が起きる前は、軍事マニアの周辺では被弾したら乗員が死傷すると思われており、事件後もそう考えている人はいる、ということである。事実とすれば典型的ブーメランだが、さて実態はどうか。

まずは模型屋メーカーの売り口上。

Fushoudoitsuheimokei
●装甲の厚い戦車に搭乗した乗員は絶対に死傷しない、という訳ではなく、敵の砲火に曝され、たとえその砲弾が装甲を貫くことが無くとも、被弾による衝撃によって車内の機器、装備品が外れて乗員に当たり怪我を負う例も少なくありません

●特に、大口径の砲弾を被弾した場合、その衝撃はかなり大きく、車内の機器の破損、乗員の死傷によって、装甲を貫通しなくとも戦車は戦闘不能に陥ってしまいます

ホビーショップ エムズ・プラス

正に、負傷した戦車兵がモデル化されている(発売は2014年)。模型メーカーを馬鹿にする軍事マニアは、いや、本職であってもそうはいないだろう。勿論人のすることだから間違った認識で製品化されることもあり得るが。

次にWarbirds

ww2のドイツ軍の戦車が徹甲弾を受けて撃破された時、中の搭乗員はどうなるんですか?

(中略)122mm 徹甲榴弾なんて食ったら衝撃波だけで致命的かも。
ささき

Warbirdsより

興味深いことに、軍事クラスタの「教典」、軍事板常見問題にもそうした見解が収録されている。

Mltrganrikinetfaq09l22m13
 【質問】
 戦車に関してなのだけれど,90式戦車は自身の主砲の直撃に正面装甲ならば,耐えることができるそうです.
 しかし,どこで見たのかは忘れてしまったのだが,「現在の戦車戦においては被弾=撃破」であるという記事も見たことがあります.
 どちらが正しいのでしょうか?

 【回答】
 現代は戦車砲の威力――より正確には戦車砲弾の威力――があまりにも強くなってしまったので,昔のように
「確かに命中してるが平然と弾き返して無傷」
とか
「何発も命中してるのにちっともダメージになってない」
とかいったことが起き辛く,
被弾=死 に近い様相になる.

 でも90式やM1といった最新(どちらももう20年選手だけどね…)MBTは,
 少なくとも正面装甲なら1~2発は喰らってもどうにか耐えることは出来るし,そのように設計される.
まぁ耐えられたとしても,大戦中の戦車のように「弾き返したヘコみを直せばOK」とか,「喰い込んだ弾を抜いて穴塞げばOK」というのは難しく,後方に送って大修理すればなんとか直るかね・・・というレベルで壊れることは避けられないが,1~2の被弾でならそうは「破壊」されはしない.

(中略)
”撃破”というのは「一時的にでも行動不能に追い込んだ」ではあるから,
>「現在の戦車戦においては被弾=撃破」
であるというのもまぁ間違いではないだろう.

(中略)
モッティ ◆uSDglizB3o(黄文字部分)他 in 軍事板,2009/08/08(土)

【質問】
 戦車の装備する120mm砲って厚さ約1mの厚さの鉄板をも撃ち抜けるらしいですが,戦車の装甲ってその砲弾を防げるんでしょうか?
【回答】
(中略)
ゲーム上では,対戦車ミサイルは前面装甲で受ければオッケーってな事になっていますが,無傷と言うわけにはいかず,レーザー測遠機や弾道コンピューターなど使用不能になったり,
たまに車長や装填手が死傷します.
軍事板

軍事板常見問題より

上記のQ&Aに消印所沢お得意の「注釈」は何もついていない。他人を批判・難詰する際はこんなものではないので、全く疑問に思わなかったのだろう。

当記事で私が問題にしているのは、真偽と言うより、言説の受け止められ方。従って、趣味サイトの記述も論評の対象になる。なお、これらの記述が事実かは断言を避けるけれども、ある種の根強いものを感じる。否定するにしても、最早根拠無しには出来ないだろう。清谷氏が技術者の話を聞いてそう思っても何の不思議もない。それまでの「通説」をなぞっただけである。第二次大戦レベルの戦車砲でも起こっていたということであれば、それより遥かに口径と初速の大きな現代の戦車砲、それも10式の戦車砲なら乗員の負担はずっと大きくても不思議はない。

だからこそ、戦車兵、特に現代の正規軍戦車兵はヘルメットを被り、ボディーアーマーを装着していると思われる。冒頭に示した第二次大戦時の軍装と比べると、重装備だ(もっとも、規律の弛緩した軍隊、温湿環境に不適な装備の場合は、実質的な着用率が落ちることはあり得る)。なお、「ボディアーマーを着れば大丈夫だ」といった言説で以って清谷氏を批判する発言は、当時目にしたことが無かった。

世の中では「都市伝説」化した知見、逆にある時点まで噂レベル/与太扱いだったのに証拠が出てきてひっくり返ることがよくある。しかし、「戦車が弾を弾き返すとどうなるか」については、米軍やソ連軍の文書付などと言った信頼のおける情報源で論証して、清谷氏を「論破」したようには思われない(当たり前だが、今更それをやって「岩見はバカ」と難詰しても無駄)。800Gであるとか、大大大好きな(最新鋭)戦車の乗員が死傷することが感覚的に信じられないから、即物的に反応したのだろう。

特に、JSFとの親密ぶりをアピールしてきた消印所沢は上記のページでも清谷氏を小馬鹿にしている。だがその消印所沢にして、こうした書き込みを「収録」していたことから分かるように、議論の相手によって意見を変えたのが軍事クラスタであり、沈黙したのが「とばっちりを食いたくない」と思った周辺の軍事オタクであるということだ。弾が当たって乗員が死傷するかどうかはともかく、軍事クラスタはやっぱり只の御調子者で無能だな。

2016年12月22日 (木)

【技本の職員も】清谷信一氏が聞いた「衝撃加速度800G」を中傷した無能な軍事マニア達【加担?】

以前、軍事雑誌で10式戦車について書いていた軍事ジャーナリストの清谷信一氏が、近年の戦車砲弾の弾着では乗員は800Gの衝撃を受けるので、とても耐えられないと聞いた、という趣旨のコメントを出していた。

このコメントに飛びついて「戦闘機のパイロットにかかる重力加速度でも10G程度が限界だ」「またkytnか」というような膨大な中傷が積み上げられた。

Togetter309179

私的まとめ キヨさんの10式戦車発言から始まった軍クラ計算大会
page1
page2
page3

それを受けて、軍事マニアでも日記などに書きつける者が現れた。

これはちょっと休暇をとった方がいいんじゃないか RYOの戯言日記~小説、サウンドノベル、銃やらアニメ~(魚拓

ただ、その後も清谷信一氏は800Gという主張を変えることは無く、2016年に入っても東洋経済などで記事を書いている。

さて当時私は原発の資料集めに忙しく(その結果がこの一覧)、上記の話を極表面的にしか見ていなかった。また、素人であることも深く認識していたので、過去にネット上で「あれは相手の発言の趣旨を誤読したもので、衝撃が大きいということを言いたかったのではないか」と書いたこともある。

しかし、衝撃がかかる時間が極端に短ければ、運動エネルギーor力積としてはそれ程大きくなくても、数100Gのオーダーもあるのではないか?という疑問も抱くようになった。ここで「それ程大きくなくても」と述べたが戦車砲弾の撃速(目標に当たった時の速度)であるから、弾速は少なくとも秒速数100m以上はあり、それなりに大きなものではある。

そこで、簡単に調べてみた。

【人は何Gで死ぬか】

まとめの中ではジョン・スタップ大佐が試乗した事例を挙げて50Gという値をJSFが挙げているが、次の文献によると90Gである。

当時(注:1980年代)労働産業安全研究所(現 独立行政法人労働安全衛生総合研究所)で、産業用ロボットの危険性を評価するための実験が行われた。その結果、バーサトランという米国製の油圧ロボットはアームを試験用ダミーにぶつける実験で200Gという衝撃加速度を記録した。人間は短時間でも90Gの衝撃で死亡すると言われる。産業用ロボットのアームがいかに危険かを実感させられる。

『産業用ロボットの安全管理-理論と実際-』2011年P186

60㎞で交通事故を起こした時、シートベルトを締めずに車内に叩き付けられた人形で計測した衝撃が30G程度、別の文献にある胸部合成加速度が45G程度のため、信頼は置けそうである(MEXCO中日本)。

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生体機械工学科  教授  渋江唯司「衝突の瞬間、あなたの身体は  ~衝突時に作用する力~」近畿大学

【身近にある衝撃加速度】

下記のように、激しい自動車事故で100G~1000Gとする文献もあるので、800Gは激しい自動車事故でも発生し得る値ということになる。なお、自動車事故の場合、その持続時間は0.1秒以下とのことだ。そして、800Gの衝撃加速度を受けた人間は、持続時間と質量にもよるが、死んでも全く不思議はないことも確定した。

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加速度の現れる場と加速度の大きさと持続時間
(「人間の環境適応を科学する」 第11回 横浜市立大学 35枚目)

もっと述べると、数10Gの衝撃であっても、交通事故レベルであり、戦車兵には十分負担になるであろうこと、死に至る衝撃加速までたかだか2倍程度の余裕しかないことが分かる。そして、200Gの衝撃加速度なるものは、産業用の油圧ロボットでも作り出す事が出来るということだ。桁のレベルでみると、思ったよりはありふれている印象を受ける。

更に調べてみると、荷物が受ける衝撃加速度などというものもある。

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荷物が受ける衝撃を監視するデーターロガー WATCHOGGER/SHOCKの衝撃値
(株式会社藤田電機製作所)2012年10月1日

  • 2Kgの鉄球が1mの高さからコンクリートの上に落下した場合の「衝撃値G」:450G
  • 球速150(km/h)のボールを、ミットで受けた場合:426G
  • 2Kgのダンボール箱を1mの高さから落下:200G

勿論、ボールの質量など違いはあるが、数100Gは相当ありふれてる。800Gにしても大半の人は測ってるのを見たことが無いだけで、取り立てて大騒ぎするようなオーダーではないということだ。騒ぐのはバカだけ。

さて、それに対して、砲弾の世界で数100G以上の衝撃加速はそもそも存在するのだろうか。

砲弾用信管

    りゅう弾砲、戦車砲、迫撃砲用等の各種信管(電気式及び機械式)を製造しています。
    射撃時の数万Gにおよぶ衝撃と数万rpmに及ぶ旋動に耐える強度を有しています。また、これらの力を利用して作動する歯車伝達機構などの各種機構を有しています。

リコーエレメックス株式会社

早くも勝負がついた気がする。数100どころか2桁大きい。

信管が火砲からの発射時に受ける発射衝撃は数千G以上になり、信管に使われる光
学・電子部品が耐発射衝撃を持つことは必須条件である。また、延時機能や不発時対処
のための耐弾着衝撃の重要性も増している。(中略)

本装置は、高圧チャンバに貯めた窒素ガスにより、信管等の供試品を搭載した飛しょう体(質量20kg以下、直径250mm)を長さ18.5mのランチャ内で加速して試験槽内に射出するものである。発射衝撃については、数千Gの迫撃砲1万数千Gのりゅう弾砲の発射を模擬できる。図2に約7千Gの発射衝撃を、飛しょう体に搭載した加速度センサで記録した例を示す。また、鋼板等に衝突する場合の数万G以上の弾着衝撃を模擬し加速度センサで記録することができる。

高衝撃下での信管用光学・電子部品の耐衝撃性評価法について」(防衛装備庁HP)

砲弾が鋼鈑に当たった時の衝撃加速度は数万Gだそうである。あのまとめの軍事マニア達、誰もそんなこと言ってなかったよね。800Gでも「あり得な~い」という流れだった。

【分かったこと】

今回、色々調べたが800Gという数値の根拠として、今回の疑問に即した計算を目にすることは出来なかった。分かったことは、軍事マニアの回答がデタラメということだけである。なお、上記から、清谷氏に800Gと答えた技術者は、数千Gだとか、数万Gという値を引用していないことが分かる。恐らく、交通事故と同じく、何らかの計算処理などを行って合成加速度のようなもので800Gと換算したのではないだろうか(勿論、最初に私が推定したように、桁の聞き違えの可能性もゼロではないが。。。)

もし、清谷氏を責める余地があるとすれば、冒頭のまとめのような下らない揚げ足取りでは無く、「砲弾が装甲板に当たった時の衝撃加速度は数万Gだそうですが、800Gだと2桁少ないですね。どういった計算から求めた値ですか?」と聞かなかったことだろう。軍事オタクは完全に明後日だということ。そのことは彼等がまとめで示した「計算」なるものに砲弾の衝撃加速を数千~数万Gとしたものが無い事からも分かる。

【そもそも、国語力の問題では?】

ここで再度、清谷氏の記事を読んでみる。精々時速数10㎞でしか走行していない戦車が800Gの加速度で彼方にすっ飛んで行く、とは解釈出来ない。そのように曲解しようとする軍事マニア達に無理がある。清谷氏のインタビューを受けた10式の開発技術者は、乗員にかかる負担が大きいことを示すために、砲弾なり、人体なりのいずれかの衝撃加速度が800Gだという説明をした、ただそれだけのことだろう。WATCHLOGGERの文献で見たようにありふれた状況で出てくる値だしな。因縁を付けるような余地など何処にもない。

注目すべきは、何かしら信頼に値する数字を持ち込んできたのは意外にもジョン・スタップ大佐の事例を持ち出したJSF位でしかなく、他は全て恣意的な「手計算」を披露しただけ。しかも「清谷は持続時間の概念が無い」などとうそぶきながら、誰も自分達の設定した「持続時間」が妥当なのかといった根拠を示そうとはしなかったことである。あーあ。

また、最近JSFをデマ師呼ばわりしている(そのこと自体は正しい)AT教団という、IS私戦予備騒動で有名になった軍事クラスタ上がりのマニアが、この件についてはJSF以下の反応(噂話以下と罵倒)しか出来てないのも注目である。幾ら「リベラル左翼」に対抗して?立派に国を憂うそぶりを見せても、これがファッションオタクの限界ということか。まぁ、バトルフィールドがお似合いということである。

【防衛技術研究本部の技術者が一緒になってバカ騒ぎ】

ところで上記まとめに登場するmarman_bandという人物は、防衛技術研究本部の技官を称してるそうで、何か起こる度に家政婦は見たの如く、悪口を添えて見聞記を開陳している。その結果がこの事件であり、艦これJSF理論の信奉者でもある。そして、彼の示した計算結果は数100Gから2桁も逆方向に下がった数Gでしかなかった。数万Gと比べて実に4桁の差。無惨だなぁ。何で戦車全体がそのGで無限時間加速すると思ったんだろうね。

しかも、軍事オタク達は、以前は清谷氏と大して変わらない認識だったのである。そのことは次回記事「清谷800G事件の前「戦車が弾を弾き返すと乗員が死傷する」と思っていた軍事マニア」で紹介しよう。

このような愚かな人材を擁する防衛技術研究本部の屋台骨も、相当にガタが来ているが、彼に関して言えば右派系マニア特有の誇大妄想が精神を蝕んだ。思想信条は用法・容量を守って正しく服用すべきである。ネット回線などさっさと切って、お医者様に頭を検査してもらい清く正しい病識でも持って頂いた方が、日本の健全な防衛力の発展のためにも良いのではないか。今更中年の萌え豚を豆腐の角に800Gでぶつけた所で、何の足しにもならんでしょ。

※16/12/22:細部を修文。

2015年1月22日 (木)

~報道ヘリは爆音の主役だったのか~阪神大震災の自衛隊員証言(ソース:ryoko174さん)への疑問(追記あり)

阪神大震災から20年を迎え、様々な追悼行事が行われ、メディアで検証報道も行われた。

そのような中、次のような書き込みが人気を博していることを知った。

原発事故以来奇妙な藁人形論法を駆使して弁護の論陣を張ることでおなじみの、ryoko174氏である。

撃ち落とせとまで罵る自衛官の証言は初耳だ。

もっとも、報道ヘリに対する悪評は確かに当時から存在した。

05.救出現場では、周囲の人の証言や生き埋め者の声が生き埋め箇所特定の頼りだった。静寂確保のために、取材用ヘリコプター等の騒音が問題だったとの指摘もある。

01) 現場へ駆けつけた警察・消防職員は、家族や周囲の人から情報を集めながら生き埋め箇所の見当をつけ、呼びかけに応える声を頼りに掘り進んだ。
02) ヘリコプターなどの騒音が救助者発見の障害となったとして、サイレント・タイムを設ける必要性も指摘された。
阪神・淡路大震災教訓情報資料集(内閣府)

「政府としてはマスコミをたしなめる機会は逃がしたくないだろう」とうがった見方も出来るが、1回目は「取材用ヘリコプター」とあるが2回目は「ヘリコプター」としか書かれていない。

次に、大学での問題提起を見てみよう。

東京や大阪から乗り込んだマスコミに対しては、被災者の辛い気持ちをまったくかえりみない取材態度だとか、首都圏が大地震に襲われたときの参考にしたい思惑が見え見えだ、というような悪評が少なくなかった。とくにヘリコプター取材は、その騒音が倒壊家屋の下敷きになった人たちの救出活動の妨げになったとして、現地での評判はいちじるしく悪かった。

災害報道はどうあるべきか - 東京大学

ここで、敢えてヘリ以外の「悪評」まで引用したのは理由がある。悪評と言うものは、時としてデタラメな論理すら正当化してしまうものだからだ。現地入りした際に被災者を刺激する様な言動を控えるべきなのは当然だが、「首都圏が大地震に襲われたときの参考にしたい」のは当たり前で、理の通らない感情論である。

更に調べてみると、時期による違いを挙げる記録もある。

震災直後の飛行目的のほとんどは、報道取材、偵察飛行だったが、その後物資搬送、人員輸送などに利用された。
第1期・初動対応(地震発生後初期72時間を中心として)

しかし、偵察するのも、爆音を立てているのも、報道ヘリだけなのだろうか。

災害にあった直後怪我をしながらも大きな声で助けを求める人がいても取材のヘリ救助のヘリなどの音で声だとかき消されることが多いからです。 私はこの話を聞いた時ものすごいジレンマが起こっていると感じました。 情報を伝えるため、人を助けるためのヘリが助けを求める命の声をかき消しているからです。
阪神淡路大震災20年感謝と希望を伝え、オリジナル笛を作りたい

伝聞ではあるが、多少ニュアンスは異なっている。

やはり、定量的な検討が必要だろう。震災時、どんなヘリが神戸上空を飛んでいたのだろうか。

某所で知ったが、西川渉氏は当時のヘリに関する報道記録をまとめている。初期の3日間に着目し、機数への言及があるもの、報道以外に反感を買いそうな目的の飛行を抜粋してみた。

17日12時すぎ、近畿管区機動隊など県外の警察官2,418人とヘリコプター7機が出動。
15時40分、小沢国土庁長官らが自衛隊機で伊丹空港に到着。ヘリコプターで災害地域を上空から視察。
19日9時すぎ、スイス災害救助隊員25人が捜索犬12頭を連れて関西空港に到着、自衛隊ヘリコプターで直ちに神戸入りした。
11時40分頃、羽田空港を自衛隊機で出発した村山首相が被災地視察のため大阪空港に到着、土井たか子衆議院議長とともに政府専用ヘリコプターで上空から視察。
17日午前、東京消防庁、千葉、川崎、横浜、名古屋、京都各市消防局に対し防災ヘリコプターの派遣を要請。計6機が現地に向かった。
ヘリコプターをチャーターしている企業もある。セブンイレブン・ジャパンでは、ヘリコプター7機をチャーターした。
18日、経団連は被災地への救援物資輸送を円滑に進めるため、業界団体や企業に対しトラックやヘリコプターの提供を要請する。
朝日航洋では東京に駐機しているヘリコプター12機を急きょ大阪の八尾空港に送り込んだ。

阪神大震災とヘリコプター ――5年前の報道記事を再読する――

数の上では圧倒的に災害対応活動のためのヘリが上空を舞っていたようだ。例えば消防関係に限っても27機も参じていたことが下記からも分かる。これに方面隊全力で活動した陸自他の自衛隊機、警察、民間業者が加わる。

阪神・淡路大震災は、多数の消防・防災ヘリコプターが大規模に救援救助活動を行った我が国の初めての事例であり、全国から16団体(計27機)の消防・防災ヘリコプターが参加して救急搬送、物資輸送、人員輸送、調査等に活躍した。(延べ活動機数1,336 回)。

2 阪神・淡路大震災の教訓
  (1) 阪神・淡路大震災では、多数の消防・防災ヘリコプターが活躍した一方、通信連絡網の寸断により、応援ヘリコプターの把握やヘリコプターの参集拠点、補給場所の選定等の調整に時間を要した。
  (2) ライフラインの途絶などにより、ヘリポートの使用に著しく制限を受けたり、道路、 交通機関が遮断されたことにより、航空隊員の参集や燃料輸送が困難となり、初動措置対応に支障が生じた。

大規模災害時における消防・防災ヘリコプターの広域応援体制検討委員会報告書(概要)

教訓の記述は現場上空で無駄な旋回やホバーを強いられたのではないかという疑問を想起させる。

今度はネット上に公開されている消防関係者の手記を見てみよう。

1月17日は、情報収集が中心に実施された。救援物資搬送は当初2週間特に弁当パン等の食料を中心に実施した。18日に航空部隊の会議を実施した。18日早朝の段階では、山崎パンの工場から東遊園地(三宮)まで可能な限り運ぶという情報しかなく、準備不足の中で会議を始め、参加された方々に多大な迷惑を掛けた。

会議の途中で山崎パンの工場近くの中学校のグランドを半ば強引にお願いして臨時の離着陸場とさせていただいた。

山崎パンの工場近くの中学校のグランド~東遊園地のルートでは一度に投入できる機数は、5機が限界(飛行にかかる時間は10分程度なので離着陸時等に上空待機することになる)であるので午前午後の2班に分けることにした。

18日午後には六甲アイランドの生協から食料を出していただけることになった。また、臨時離着陸も増加させることができたので別のルートを作成することになった。臨時離着陸場では、民生局の職員により誘導等をしていただいたが、事前の打合せができなかったので大変ご迷惑をお掛けした。

19日からは、スケジュールを事前に作成することができるようになり作業の流れがよくなった。また、陸上自衛隊の大型ヘリコプター(チヌーク)が救援物資を王子公園まで運び、消防関係のヘリコプターが、各地点まで運んだ。

(中略)当初2日間各航空機は、それぞれの機長の判断とパイロット共通のコモンセンスにより運航されていたというのは、神戸市内の縦横5~10キロ高さ150~400メートルの間に常時10機以上のヘリコプターが飛行していたが事故もなく運航されていたからである。

阪神・淡路大震災 消防職員手記(消防局本部・消防機動隊)

あの狭い市街地上空に常時10機以上滞空となると、ヘリの爆音が聞こえない方がおかしい。また、離着陸場所も注目である。中学校のグランドや公園など、普段はヘリなど縁の無い市街地の中に入り込まざるを得なかったことが分かる。恐らく、「震災の帯」に響いた航空騒音の殆どは、救助活動の上で避けられないものだったのだと思う。

その一方で、初動対応が情報収集中心となり、市民のフラストレーションを高めたことも想像出来る。立ち上がりの事情は流通業者も同様だろう。

実は、震災当時場外場と呼ばれる臨時の着陸場が市内に多数設けられていた。

阪神大震災では垂直離着陸の出来る特性を生かし、不足する飛行場・ヘリポートを補う場外場が数多く設けられた。
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場外場の分布(●) 神戸市街地に多数設けられている
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阪神大震災におけるヘリコプタの離着陸施設の利用と今後の課題

上記論文によると神戸市内だけで各機関合計45か所。これだけ拠点が設けられていると、周囲の建物による反響音も半端ではない。

さて、ネット情報を調べるだけでは能が無いので「ヘリ=報道ヘリと誤判断した人は、何がそうさせたのか」を考えてみた。

  1. 現場は殺気立っている
    生きるか死ぬかの瀬戸際にある被災者や現場で作業する各機関の職員に取っては「ヘリが五月蠅い」というところが重要なのであり、そのヘリが何処の所属であるかは二の次だったのではあるまいか。そういった人達にとってはヘリをしげしげと眺めているヒマは無いとも考えられる。
  2. 民間ヘリの塗装は区別できない
    赤なら消防、濃緑系なら(陸上)自衛隊などは一般人でも判断出来そうである。しかし、警察辺りから塗装の判別は怪しくなり始め、民間業者の塗装が区別出来るのは常設ヘリポートの周辺住民・関係者・マニア位だろう。特に12機を専従で送り込んだ朝日航洋は要注意だと考えられる。理由は単純で社名に「朝日」と入っているから。長く使われている塗装は、リンク先の写真のように機体の脇にも書き込まれている。デマの発信源としては申し分ないように思われる。
  3. 報道ヘリを飛ばしているのは民間の航空会社
    2.とも絡むが、次のリンクを見て欲しい(報道取材 中日本航空株式会社ニュース現場にいち早く駆けつける、報道取材ヘリコプター 朝日航洋株式会社)。物資も運んでいた朝日航洋などは功罪両面があると言えるだろう。
    Asahikouyou_2
    資本力の大きなキー局などは専用機を所有してるのだろうが、この辺の事情を踏まえて批判している連中、どの位いるんだろうね。

真の原因は定かでは無いものの、多数のヘリが入っていた事実を無視して「SAM(キリッ」などと言う自衛官を釣れてくるryoko174氏は色々な意味で筋が悪い。そこに食いついたRTが3000に達しているのも問題だ。良く考えもせず賛同RTした割合が5割としても1500人はリテラシーなど無いということだろう。

まぁ、近年田母神、佐藤をはじめとして自衛隊出身者の中に残念な主義信条を持った人がいる現状を鑑みると、「今必要な物はSAM(キリッ」って隊員が実在する可能性は否定できない(勿論皮肉である)。

もう一点、時事に関連して指摘したいことがある。あの震災当時、神戸上空は多数のヘリが滞空する状況となった。これは見方を変えると、神戸市上空が普天間基地周辺のような状態になったとも見做せるだろう。経緯はどうあれ、人口増加の顕著な県で市街の真ん中にヘリ基地を設けると言うことは、相応のストレスを与えるということでもある。

軍オタやネット右翼が声高に糾弾しているが、例え金を貰っていても、騒音は消えないからねぇ。沖縄の住民がヘリを嫌がる理由位は理解した方が良いと思うね。

2014/1/24:追記
報道とそれ以外を切り分けたい向きもあるだろう。しかし、彼等の立場に近い目線で書かれた物を見ると本質的にはどこのパイロットも同じであることが分かる。

例えば、朝日航洋の業務紹介ページには次のような記述がある。

入社後の2年間は飛行訓練を受け、旅客輸送業務や測量送電線巡視など様々な業務を担当しました。幅広い仕事を経験できることは、当社の魅力の1つだと思います。

現在担当しているのは報道業務。テレビ局と契約し、事件・事故、資料映像を撮影するためにヘリの操縦を行っています。当社に常駐しているテレビ局のクルーから依頼を受け、天候に問題がなければ10分後には飛び立ちます。

報道はスピードが求められるので、迅速に対応することが重要です。そのために、毎朝搭乗するヘリの座席の位置を調整し、使い慣れた自分専用の地図やヘッドセットなどを装備しています。

基本的には待機している時間が多いのですが、待機中は仮想の目的地を決めてのフライトプランづくりや飛行シミュレーションを行っています。

心がけていることは、安全が第一ですが、テレビ局のクルーが求めている映像を撮れるようなフライトです。

(中略)目標は、高校時代から憧れていたドクターヘリの機長になることです。
朝日航洋の人と仕事 (航空事業)操縦職 ヘリコプター

キャリアを見る限り「報道は操縦がいい加減で、それ以外はまとも」というのは只の思い込みの可能性が大である。

事業用(仕事活用編)の免許(『ヘリコプター・飛行機パイロットの夢叶えませんか』内)の説明では特に飛行目的で格差のような記述は無い。それどころか「民間」というカテゴリーに「防災」と「報道」が並び「(テレビ局は民間のヘリコプターをチャーターすることが多い)」と補足されている。一方、養成学校の一つ「大阪航空株式会社」は八尾を拠点とし、警察出身者を教官に迎えている。説明には「ヘリコプターを運航する使用事業会社や新聞社のパイロット、航空機メーカーのパイロットなど、現在では多くの分野でパイロットの募集が行われております。」と、新聞社は自社で機体を持っていることもあるようだ。朝日新聞の募集ページが残っているのでそれも引用しよう。

募集職種     操縦士(小型ジェット機およびヘリコプター)
応募資格     1975年4月2日以降の生まれで、飛行機または回転翼航空機の事業用操縦士以上の技能証明書を有し、第1種航空身体検査の基準を満たす方。総飛行時間1000時間以上の経験を持つ方を歓迎しますが、それ以下でも、年齢や資格、経歴を考慮します。
選考方法     書類選考のうえ複数回の面接をします。1次試験は12月7日(日)に東京で実施します。
試験内容は面接、模擬飛行装置(FTD)での実技、筆記試験です。

2014年社会人採用試験 航空部 報道パイロット

他社で経験を積んだベテランを募集しており、内容はかなりしっかりしているように思われる。最近はそこらの書店で「パイロットになろう」的なムック本も売られているのに、したり顔で「マスゴミ糾弾」に便乗している一部軍事マニアや航空マニアは只のメカフェチであることが確定した。

パイロットの能力に差が無ければ、社有機か、チャーターか、防災目的の測量・撮影なのかを一見で判断することは益々難しそうだ。そもそも区別の意味がどれだけあるのか。

2014/1/26:追記2
さて、多くの方にご覧いただき感謝します。一部に元住民からの御指摘もあった。例えば、kumakuma1967氏には色々コメントを頂き「空中写真測量各社の市街地での緊急の自主空中測量は1/20からが中心」そうである。しかし、運航会社の存在とパイロットの問題については当方が調査した事実で説明には十分だと考える。彼は「ヘボ仕様では商売にならん」と言うが、西川氏の記録が示す通り、震災への適応性に憎悪に近い疑問を呈されたのは消防その他も同じである(『セキュリタリアン』は能力が無いことを以って反論したが、何時までもその状態では困る)。何にせよ開発するのは航空機材に手を突っ込んだメーカーである。

また、氏は「素早い対応で報道はテロップで撮影時刻入れるのやめたよね」と述べている。このように当時、メディアで反省が無かった印象があるが、上で出てきた手記にはこんな記述もある。

今回の震災に限らず事故現場上空において無理な飛行をする取材機が散見されるのが残念だが、今回は取材機相互が無理な飛行をするヘリコプターに注意を受けたパイロットもそれ以後反省して安全に配慮して飛行したことはすばらしいと感じた。
阪神・淡路大震災 消防職員手記(消防局本部・消防機動隊)

同職種という繋がりからは自然に思う。浅井久仁臣氏によると「マスコミ各社が消防関係者や被災者の苦情を受けて検討会を重ねていた(略)が、ハッキリした結論を出さぬまま立ち消えになってしまったらしい」(災害時の報道取材ヘリ問題)とのことだが、同じパイロットが雇い主によって操縦の仕方を変えると言う点にメスを入れないとどうしようもないだろう。事故を起こして真っ先に死ぬのはこの人達でもあるのだが。

この他、ラジオ関西は『震災報道の記録 『被災放送局が伝えたもの』』という記録を残している。問題点に触れている部分はリンク先で読んでいただくとして、1月17日20時42分に「この時間でも上空に取材ヘリがいる。」と書かれているのが注目点。夜間なら判別は不可能だろう。また、1月19日午前7時10分「長田区のリスナーからマスコミの取材ヘリがうるさくてラジオが聞こえない」との通報があったと書き残している。発災直後は救助活動とも競合しただろうが、決して当日だけが問題だったわけではない。

また、kumakuma1967氏は早野教授のRTが散見されるので思い出したが、東日本大震災当時、右派・軍事マニアを中心に「メルトダウンは無い」等とデタラメを吹聴してその後も平然としている者達がおり、メディアに対する敵愾心を持つ層とラップしている。彼等に報道ヘリを批判する資格があるかは疑問である。少なくとも阪神の報道ヘリは事実を映しており、その価値は比較にもならない。

逆に言えば、初期のヘリ報道にはそれなりに価値もあった。例えば、あの震災で鈍さが問題になった村山首相は偶々6時にTVを付けて第一報を知ったが現地の映像は無かった。その時点では当局関係の連絡網も首相の役には立たなかった。麻生幾『「情報」官邸に達せず』にはその後も「テレビさえ点けていなかった」と書かれているそうだが、このこと自体麻生幾氏が「映像を見たら違っていたかも」と感じたということ。村山(自社さ)政権は他の問題もあろうが、国民一般が事態を飲み込むのに果たした役割も似たようなものである。空撮にはそれだけの力があった。建築等の専門家も解説の参考にしていた。過剰取材は批判されるべきだが、全くメディアが無いのも問題だね(参考:「震災と政治(2)阪神・淡路大震災と政治」)。

2014年2月16日 (日)

「総理大臣、村山氏が決断を」→「政府云々の話ではない」と変節したJSFと「国威発揚」界隈

【要旨】
①ネットで災害派遣に関して自治体の要請を絶対条件とする意見があるが、制度上も実績でも間違いである。政府の働き掛け次第で体制は変わる。
②軍事ブロガーJSFは首相の所属政党が変わると主張を変える。
③私は、政府の初動は(も)小手先対応が続き、鈍かったと考える。

【記事本文】
2014/2/14(金曜日)以前の予報に反して一向に降り止まず、人の背丈ほども雪が積もってしまった山梨他の山間部。

一部の知事などは自衛隊に災害派遣を要請している(注:記事アップ直後「命令」と記述したミスを修正)。

そのような中、気鋭の引き篭もりブロガーJSFは、土曜日も艦これに興じていたのであった。(遂に課金まで始めたようだが、どこから資金調達しているのだろうか?ママの年金?)。

そして、日曜日になって「法敵」小倉弁護士に絡み始めた。

@Hideo_Ogura安倍政権が今回の雪害で自衛隊を出動させないのはそういう理由だったのか。RT @tsukigata1: リベサヨや、ポスコロ学者、リバタリアンは、ドカ雪は自分で処理しろよ。国に頼るな、日の丸を掲げた共振団体に頼るな、軍に頼るな、人に頼るな。 自分でやれ。17:23 - 2014年2月15日

@obiekt_JP@Hideo_Ogura 自衛隊の災害派遣は地方自治体の要請が無ければ出せないわけで、貴方は政権が独断で自衛隊を送り込む事に賛成しているのですか…(なお既に災害派遣は要請されて自衛隊は出動している模様。

JSF以外のツイートにも特徴的だが、取巻きと安倍政権好き好きで目が曇った者達は誰もこの部分に問題があるとは感じていないらしい。

国に頼るな、日の丸を掲げた共振団体に頼るな、軍に頼るな、人に頼るな。 自分でやれ。 

この理屈が一番良く分からないのに何故批判しないのだろうか。上記の人達が現地に来れなきゃ思想信条関わりなく自分等で除雪するしかなかろう。

雪で埋まった山梨から土木行政に詳しい方の反応もあげておこう。

@MasashiKikuchi観測史上最大の前例のない積雪でも、インフラの壊滅による甚大な災害は避けられ、停止していた交通機関も順次復旧している現実に感謝することもできず、「停電しただろ」「電車は停まったぞ」「復旧案内が二転三転した」と怒ってる人は、安全神話に飼い慣らされたひ弱で可哀想な人だと思う…。

@tigercatver2とにかく原発から何から何までコイツは期待を裏切らないw

@tigercatver2文句言うな自衛隊に感謝しろとか。誰も文句も言ってないし、感謝したくてもだいたいこっちには自衛隊も国交の道路パトロールも自治体の車両すらいないわw 1日中地区総出の除雪だバカ。国威発揚はすっこんで五輪見て泣いてろw

まぁ、そうなるよなぁ(記録的降雪で交通遮断、陸の孤島となった山梨県各地の様子 - NAVER まとめ)。←これだもの。発端のツイートしてるのが例の原発デマを助長する菊池雅志(ここに一例を収載)だから仕方ない。

さて、JSFはこんなことも書いている。

@obiekt_JP@Hideo_Ogura それ質問ではないので「?」は付けませんでしたからね。貴方は「安倍政権が自衛隊出動を止めている」といいましたが、そのような事実はありません。そもそも地方自治体が要請しなければ出られないのですから、政府云々の話ではないのに政府の責任にしようとした貴方は間違い0:38 - 2014年2月16日

しかしながら、自治体の要請が無くても政府の決断で派遣は出来る

第III部 わが国の防衛に関する諸施策
市町村長から通知を受けた防衛大臣またはその指定する者は、災害の状況に照らし特に緊急を要し、要請を待つ余裕がないと認められるときは、部隊などを派遣することができる。

防衛大臣またはその指定する者は、特に緊急を要し、要請を待ついとまがないと認められるときは、要請がなくても、例外的に部隊などを派遣することができる(自主派遣)。

この自主派遣をより実効性のあるものとするため、95(平成7)年に防災業務計画2を修正し、部隊などの長が自主派遣をする基準3を定めた

防衛白書より)

最後の規定は阪神大震災で貝原知事の失敗例で出来た話だったのではなかろうか。土曜日からTwitterで流れてたコメントも政府(及び御用マスメディア)の腰の重さである。つくづくJSFは受動的だと分かる。典型的な「行政が全て何とかしてくれる」思考である。

2006年に飯山市が雪害を蒙った時には政府が派遣を促し田中康夫率いる長野県庁が折れるという事案もあった(飯山市への自衛隊災害派遣について)。

※14/2/17追記:上記は煩雑になったが要は

〇権限の有無で言えば政府や(条件付で部隊)にもある
〇権限を行使しなくても政府として要請を出すように圧力をかけた例がある。

ということである。今回の場合、秩父市と埼玉県が同じようなゴタゴタを起こしている(追記ここまで)。

しかも、過去にJSFはブログでこんなことまで書いているのだ。

社民党・阿部知子議員の頭はどうかしてる : 週刊オブイェクト

阿部知子のメールマガジン \^o^/「カエルニュース」 第253号 2007/1/19 \^o^/
阪神大震災は12年目を迎えたが、国民を災害から守ることを任務とされているはずの自衛隊が、国による命令を受けて救援に向ったのは、数日を経て後のことであった。日本の場合、自衛隊は軍隊ではないし、国土保安隊として出発し、防災のたねにも働くことを任務としてきた特別な生い立ちがあるのに、である。

当時、自衛隊に"命令を出す"立場なのは村山首相、つまりお前達のボスだった人だろうがっ!

シビリアンコントロール(文民統制)されている自衛隊の投入が遅れた事に対する最終的責任は、自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣に帰結します。全ての責任は村山首相が背負わなければなりません。

自衛隊側から出動を要求しても、返事が無い。誰のせいか。兵庫県知事の要請が遅れたからか。それもありますが、直接被害を受けて混乱する現場で的確な指示を出すことは難しい事です。

何も返事が無い場合、県知事が死亡している可能性すら考慮しなければなりません。ならば自衛隊の最高指揮官である筈の日本国総理大臣、村山富市(当時社会党、現社民党)氏が決断を下すべきでした。しなければなりませんでした。

予め言っておくが、冒頭の阿部知子の言動には私も反感を覚える。しかし、ここで扱うのはJSFの言動だ。読めば読むほど一言一言が実に味わい深い。JSFは災害派遣は首相が決めるべきと書いているのである。

なお、阪神の場合は自主派遣の実効性が担保される前だったため、今回安倍政権を縛る条件は村山政権より低いことを付け加えておく。自衛隊への世論も安倍政権では追い風である。JSFとその取巻き共は明らかなダブルスタンダード、内閣首班の所属政党によって意見を変える変節漢である。頭がおかしいのはJSFの方だろう。(ちなみに村山政権は自民党との連立だった)

何せ、JSFは以前にも右派からすらそう指摘を受けているし、こんな騒ぎも起こしている。

【頭大丈夫でしょうか】
@ishiitakaaki@obiekt_JP いろんな意味で頭大丈夫でしょうか。誰もあなたのことなんか、匿名だし、気にしてないと思います。自意識過剰すぎ。というかあなたの事知らないし。「軍オタ東海アマ」扱いで適切でした。なんかツイッターって、自分がすごいと勘違いする人が多くて…。2013年1月7日 - 20:46

【ようフルカツ】
週刊オブイェクト管理人JSF(@obiekt_jp)氏による「ようfurukatsu。」

JSFと共同歩調を取る消印所沢など、すぐにダメ出しをするべきだろう。あの村山を批判する特設ページ(注:http://armyfaq.sitemix.jp/faq05e01a03.html)は一体なんだったのか。

小倉弁護士との絡みにおいて早速、勘違いしたバカが雪害と災害派遣なるまとめを作成したのは実に興味深い。この内kyuumaruTKという者は国土を蹂躙したくて溜まらないらしく、政府が新大綱の検討において戦車を減らす方針を表明した時には「1600両寄こせ」と叫び、どうやって日本を壊滅させるかなど日々妄想をこねくり回していた厨二病だが、困ったことに現役の戦車隊員だそうである。こんな男が自衛官として偏った政治観を持っていることは実に危険だ。要は田母神と大差が無い。いや『皇帝のいない八月』における藤崎一尉並かも知れない。

このブログ記事を書き始めるのと前後して、漸く政府も対策本部を立ち上げ(会議やっただけらしいので訂正)、都も派遣要請を行ったようだ(保守系知事なのに今頃・・・東京都の1/3は山なのに)。まぁ、遅きに失した感はあるが、結構なことだ。まだ次の降雪も予想されているのだから。

なお、私の個人的意見はシンプルである。知事や自治体の長の要請では動員出来る規模が限られる。現実は「内閣府防災(@CAO_BOUSAI)のTwitterを見てさらに呆れる。」と揶揄される状態であったが、政府が率先して関東の部隊程度は動かすべきだったろう。物流が簡単に回復しないようであれば、雪害の無い地方の部隊を送り込むことも検討すべきである。

他の地方から人員を動員した例は産業映画『豪雪との戦い』に記録されている。この例に倣えば、JR東日本は各地のJRから、高速道路会社は西日本の会社から派遣を依頼しても良いのではないか。民営化は災害派遣を阻害するほどの要素ではない。阪神大震災でも実績はある。興味ある方は是非参考にして欲しい。

2014/2/16:20時40分頃アップ。その後2時間で細部の誤記等を修正。

※14/2/17追記:災害派遣に関する緊急性・公共性・非代替性の3原則を持ち出し安倍政権を擁護する向きがあるが、このサイトによると、陸上幕僚監部編『災害派遣の参考』ではかつて、「雪害等による通信線の復旧」を「厳密に言えば不適切」とするなど、制約を多く設けていたが、近年の版では薄れつつあるようだ。更に言えば、その時代においてさえ、38豪雪のように県が雪害復旧に際し2000名の動員を要請した記録もある。上記のまとめには

内閣府のHP見ると14日の時点で関係省庁による対策会議をはじめて、15日には災害救助法の適用を始めてますね。政府は動いてないとか言ってる連中はどこを見てるのかと。satavy 1 day ago

という指摘もあるが、「内閣府のHP」によれば16日中に行っていたのは自衛官15名など極めて小規模な派遣に過ぎなかった。(第2報)より前を見るとそうなってる。雪害は段階的に、累積的に発生する。今回も最低数十名は死亡事故などが起こるだろう。そして安倍首相の対応は数十名オーダーの死亡者を出したえひめ丸事故の時より酷い。領海から数千キロも離れた海でいきなり沈没した船に政府が出来る人命救援手段など皆無なのだが、あの日休日でゴルフ場に居た森首相は、2時間待機後官邸に戻っている。休日モード満喫も高級天ぷらも良いが、TPOを間違えると「俺はたらふく食ってるぞ。臣民は飢えてろ」を地で行くことになりますよ?

※追記2:震災後国威発揚界隈は「日本経済回す」と息巻いていたが、物流網の復旧・維持に政府が本腰入れるのは「日本経済回す」そのものではないのですか?

※追記3:2/19朝の段階では降雪の予報は無くなっている。除雪と物資輸送の時間を稼げてひとまずは安心。しかし、最初から小手先の対応を続けたことを「対応している」と自慢し結局災対本部を立ち上げるのは、泥縄もいいところ。上記tigercatver2氏の言ではないが「ガ島に一木支隊送ってるから安心」と言うのと同じだろう。本腰へ転換までの期間も「日」単位。過去「問題」を起こした村山、森等の有名内閣以下である。首相のせいで「お天気任せ」「神頼み」とは何とも薄ら寒い(17日首相が参加した正論大賞はJR東海の会長も受賞していたようだが、山梨に路線があるが何か言わなかったのだろうか。)埼玉の右翼知事も自衛隊を断るなど田中康夫以下の失敗をしている。この調子じゃ他の自然災害の時も怪しい物だ。

2014年2月13日 (木)

パトリオット(自称)のJSFセンセイ、発音を語る

ヲチスレにてこのようなネタが投下されていた。

【英語読めない】週刊オブイェクト34【理系院卒?】

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/13(木) 00:55:29.14 ID:YxlNMUXH   
>JSF@横須賀鎮守府元帥 ?@obiekt_JP 1時間
>ドイツ語の発音論争では軍事界隈もいい加減で、
>タイガー戦車の事を以前は古いドイツ語の発音で「ティーゲル」と呼んでたけど
>最近は正しく現代ドイツ語の発音で「ティーガー」。
>しかし何故かレオパルド2戦車の事は何時まで経っても
>正しいドイツ語の発音の「レオパート」が浸透しない。今もですよ。 魚拓

はいはい、フォッケヴルフ

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/13(木) 01:04:42.17 ID:07FZz8bJ

カタカナにしている時点で正しい発音もクソもあるかw

偶然とはいえ、実にこう、スレッドタイトルに相応しい話題である。

発音と言えば、湾岸戦争を同時代に視聴した者としてすぐ思いつくのがパトリオットである。
それでは発音に一家言あるJSFセンセイの使用例を見てみよう。

PAC-3はノドンを撃墜できるか
>弾道ミサイル防衛のパトリオットPAC-3で

ブログではのっけから「パトリオット」

>またパトリオットやイージス艦のミサイル防衛(MD)は、敵ミサイルの発射位置は発射直後に熱源で分かります。
2:29 - 2012年5月18日 魚拓

周知のように日本政府/自衛隊公式のカタカナ表記は「ペトリオット」である。「ペトリオット」は原語に近いから採用されたとも言われている。センセイが発音で何か言っても・・・ということが、よく分かりますね。田舎の自民党センセイと大した違いはありません。勿論誰でも間違いは犯す物。私もその例外と言う訳ではないが、日頃の全方位に向けた攻撃性は考慮しなきゃいけないよね。

※まぁ、だよもんカゴテリ事件よりはマシかも知れないが。

一方、「パトリオット」は普段JSFセンセイと取り巻きがバカにしている「マスゴミ」が多用。ciniiで検索しても「ペトリオット」で引っかかる民間の文献は丸、軍事研究、航空ファン等軍事雑誌ばかり。なお、軍事研究は「パトリオット」見出しの記事もあった。

従って、「軍事界隈」がいい加減なのは英語も同じである。

むしろこういう発言から、JSFセンセイが普段何を重点的に眺めているかが想像出来て面白い。重度のマスコミ依存であることはもとより、日頃ミリタリーについて冷静に考えを深めていない可能性なども、十分あり得るだろう。何しろ、センセイ自身がそのことを仄めかしていたのは時間割の件で取り上げた通りである。

余談だが、ここで例に挙げたミサイルに関しては、どうせなら「愛国31型地対空誘導弾」とかにした方が物議を醸して面白かったかも知れない。(まぁ過去の命名パターンとの整合性の他に、導入時の時代背景からして採用は不可能だろうけど)

2013年12月24日 (火)

【付録】「事故は反対派のせい」を信じて「正義」の側に立とうとした反・反原発な人達

「反対派のせいで建替え出来なかった」というデマ

「反対派のせいで建替え出来なかった」「対策出来なかった」というデマ 第2回

上記2回の記事で「反対派のせいで建替え出来なかった」をはじめ、「事故は反対派のせい」というタイプの論は破綻していることを示した。

軍事や歴史を趣味にしていると時々「正義など無い」といった高みから見下ろすような諦観に出くわすことがある。勿論一面ではその通り。しかし、争いごとの当事者となるとどうしても正義を欲するのが人間でもある。以下に示すのはその実例。仇敵に倫理的責任を被せることで正義の確保を図った者達である。攻撃性が目に付くが、見方を変えるとある意味いじましく哀れさすら漂う。

パターンとして若干変化形もあるがそれらも解説を付す形で引用した。20例以上あるので長いですよ(当落選上と判定した例などは次回紹介)。

togetterなどでも積極的にコメントしている者が含まれる。ネット右翼からは若干フォーカスをずらし、軍事マニアや保守層的な傾向の持ち主に重きを置いて調べた。彼等はネット右翼層に比べればオタク知識などを逃避先に選べる分、一見書き込みも知的に思わせる面があるが、結果は御覧の通り無残なものだ。以前、原発事故発生時に「メルトダウンなどあり得ない」と騒いだ者も何人か含まれている。しかも、今回の場合は事故発生時と違って判断するだけの時間もヒントもあったのだ。

原発推進派の誰もがこうではなく、例外もいるところにはいるのだろうが、それはそれ。読者の皆さんも是非参考にした上で、このアホで間抜けな面々の転倒した倫理観を笑ってあげてほしい。何、遠慮することではない。彼等が事故以来散々やってきたことの裏返しに過ぎないのだから。

【赤峰 翔@三重@showark、愉快溶解ふれーりあ@_dmp、伊藤寛 @haijimaoyaji、フォージャー・B・フランカー @FBFlanker】

@showark設計が新しいほうが安全性は高い。効率も上がってる場合が多い。そもそも、反対運動がゆがんでるから起きた事故でもあるんだが>福島第一>RT 2013年11月16日 - 2:36

@_dmp 11月16日@showark 「新設するな、動かすな」←一応わかる 「新設するな、古いのは事故らせるな、電気代は上げるな」←ファッ!?

※自己紹介によれば@showark氏は東亜・ニュー速上がりで民主・社民嫌いとのこと。絵に描いたようなネット右翼系オタクである。

@showark@azukiglg @haijimaoyaji 何でも反対・何でも阻止が原子力発電の安全性を損ねる一因になったのは否めないかと。2012年12月28日 - 22:22
@haijimaoyaji@showark @azukiglg 安全基準を厳しくしたり避難計画を作成したりすると、ほら危ないじゃないかと思われてしまう、というやつね。(#^.^#)

@FBFlankerまあ、用地買収がすんなりと進むぐらいなら老朽原発を無理して動かさんわな…
@showark@FBFlanker あれだけ反対運動が騒がしいのに用地取得だけでどれだけかかるかと。それが事故の引き金になってるという意味では完全にしっぺ返しなわけですが。まあもちろん、安全性を向上する努力が足りなかったという指摘はあるにせよ。2012年3月3日 - 6:15

※@FBFlankerは「もっとエジプト人を殺せ」と喚いていた軍事マニアにすり寄って恥を晒した前科あり。

【まようさ@mayousa_desuga】

@mayousa_desuga
原発建設反対運動が、古い原発を延長して使い続ける原因だったってのに、古い原発は安全対策の基準がいろいろアレってのが判明した今でも同じ絵を描こうとしてるとかアホすぐる 2012年4月13日 - 23:25

ABWRの7・8号機は新設中止で、旧式で津波もかぶってる5・6号機は使用続行検討中って言うんだから反対派大勝利(棒 QT @Keloring あんな半世紀前のポンコツBWRと今のAPWR、ABWRは違う、追加で安全対策すれば大丈夫なんだって認識されてるんじゃない #futenma 2011年4月6日 - 21:17

※メルトダウンなどしていないと騒いで悪名を轟かせた軍事クラスタの一人。情弱で虎の威を借りるのですぐ引っかかる。リツイートしている38人もいかにもな面々。中でもへぼ担当というアカウントは電力会社の原発技術職にありながら、震災発生前、「地震による津波影響など評価して問題ないことは確認済み」と放言し会社の宣伝資料に促されるまま数年にわたって一方的な宣伝を続けてたクズ社畜である。なお後段のやり取りも何故か普天間タグに投げ込まれているのも彼等の心理を推し量るのに有用な材料である。それとけろりん @Keloringクン、「あんな半世紀前のBWR」に適当な対策工事でお茶濁したのは東電だよ。勘違いしないようにね。

※なお、2013年晩秋以降、5,6号機も廃炉の方針となったことが報じられている。

【松浦晋也@ShinyaMatsuura】

@ShinyaMatsuura
安全性確保のためには、さっさと第一世代原発を廃炉にして新型に更新すべきなのだが。反対運動があるから既存設備を使い続けるというのは、安全性確保の面では、政策的敗北だろう。2012年1月17日 - 4:16

※松浦氏がこういうホラに引っかかったのはとても残念だ。氏のブランド力か113件もRTされているのはもっと残念。

【ryoko174 @ryoko174 】

@ryoko174
原発事故を防ぎたいと言いながら原発の安全対策は無駄と言ったり、廃炉希望と言いながら廃炉作業にケチをつけたり、オスプレイは危険だから反対と言いながらオスプレイを凧揚げで撃墜しようとするような人々は、言葉とは裏腹に別の目的があることを自ら明かしてしまっていますよ。2013年11月18日 - 16:56

@ryoko174
【続】例えば浜岡原発の22m防潮堤を「もっと高い津波が来たら無意味」と批判する反原発派がいました。 ならば何mの防潮堤なら納得するの?そもそも防潮堤に反対することは原発の安全性向上に寄与するの?防潮堤無しで津波に襲われる方が事故リスクは高いのでは。2013年9月6日 - 6:05

@syakaiha8 9月6日@ryoko174 そもそも南海トラフで起きた実績もないM9.0を想定した対策も過剰に思えます。南海トラフの実績は最高で宝永地震のM8.8。M9.0が起きる確率なんかほぼゼロに等しい。

※流石セミプロ宣伝師だけあり、RTも200件を超えて食いつきが良い。なお、浜岡原発の防潮堤を無駄なものとして批判していたのは池田信夫である。ryoko174さん、アゴラに弓引くんだ。勿論中部電力は防潮堤反対意見など相手にもしなかった。再稼動の是非は防潮堤だけで決める事では無いだろうが、上記は賛否両派が留意するべきである。

※東日本大震災は「近代以降人類が記録に残している範囲内」では実績は無かったとも言われている。早速値切りを始めて安全対策を妨害する推進派の姿が凛々しい。

@ryoko174
原発事故を防ぐための安全対策。 国富流出の最小化。 核廃棄物処理問題の解決など。これらの促進は反原発・原発容認の立場を超えて利害共有できるはずなのですが、なぜか強硬に反対する反原発派が少なくない点が不思議ですよね。2013年9月5日 - 2:15

@ryoko174
原発の安全対策を否定する #英雄橋 氏は、反原発運動しつつ原発事故の再発を願うナンセンスさを自覚しては。2012年12月14日 - 6:41

@ryoko174
「ゼロリスクでなければ反対 →ゼロリスクは不可能だが仕方なく絶対安全と説明する →絶対安全が一人歩きして安全対策の想定に漏れが発生」 という日本の伝統芸能は海外には通じないと思いますよ。2012年7月28日 - 16:01

※彼女はこの種の屁理屈を多用して人気を集めているのが良く分かる。最後のものは「伝統芸」の説明としては不適当であり、電力会社すら青ざめるのではないだろうか。

【加藤AZUKI=楠原笑美@ゴゴゴゴゴゴゴ @azukiglg】

@azukiglgそして、老朽化した施設を解体して新しい炉に置き換えることを困難にさせたのは、反対運動ですよね。故により安全な設備への置き換えが先延ばしになってしまったわけで、加害者は「反対運動」だと言えますね2013年1月3日 - 21:27

@azukiglg「自分達は安全神話に騙されていた被害者」と口を拭う反対運動こそが、設備をより安全にするための障害になっていた、と断じてよいと思います。2013年1月3日 - 21:28

@azukiglgまた、「反対運動が活発になればなるほど、原発関連技術への恐怖心が増す」というのは貴方ご自身が理解されているでしょうけれども、そうなると「原発を安全にする技術の施工」や「核廃棄物処理施設の建設」などにも待ったが掛けられてしまいます2013年2月2日 - 0:52

※見事なまでのストライク。なお、彼は以前福島原発の建設費をインフレーション無視で現在に適用するツイートをしたことがある。

【井上リサ @JPN_LISA】

@JPN_LISAより安全性を確保する為のオスプレイの「飛行訓練」まで大袈裟に煽るマスコミと煽られて騒ぐ反対派。原子力発電所が避難訓練をしようとしたら「やっぱり危ないんじゃないか!」と騒ぐ原発反対運動となんだか似てるな。どっちが危ないんだか。2012年10月4日 - 18:27

※東北電の平井副社長を神格化して女川原発詣でをコーディネートしているPA師。わざわざオスプレイと結びつけるのがワンパターンである。記録者としての偏り具合は宣教師のビスカイノ程度に過ぎないが、彼女にはそういう猜疑心が無いのが限界かな(笑)。ブログを含めて。避難訓練の話といえば、2000年代、浜岡町長が県の防災訓練に文句をつけて不参加だった一件を朝日かどこかの地方版が報じていたのを思い出すが、彼女はそういうことを言いたい訳ではあるまい。

【E-WA / いーわ(臼井 飜)@ewa4618】

@ewa4618もんじゅにも六ヶ所村にも安全化改修にも反対しといて今更何を言う。RT @kikko_no_blog: …推進派は…反対派の「増え続ける使用済み核燃料はどうする?」「大地震や津波で電源が喪失したらどうする?」「大事故が起きたらどうする?」という指摘を無視してきたお前らが言うな!2012年12月7日 - 14:29

@ewa4618
鳩山が原発反対デモに参加? 福島第一原発のメンテナンス停止をなかったことにして安全対策改修を仕分けた張本人が? なんで皆袋だたきにしないの?www2012年7月20日 - 2:22

※はいストライク。メルトダウン騒動では評価してたので残念。福島第一のメンテナンス停止云々は意味不明。ちなみに事故数ヶ月前の『原子力eye』で東電は真反対の1号機宣伝記事を売り出していた。幾ら東電が糞つったってこの人の言う通りだったら軽過ぎるよ。根は深い。

【玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961】

@tamai1961
老朽化した発電所を新鋭機に代える。安全性は明らかに上がる。しかし感情的な反対が予想されると、そうした決断はできない。かといって発電量に不安があるので、老朽機の即時廃止もできない。「自然エネルギー」で代替せよとの原理主義が横行する限り、ずるずると老朽機を稼働させ続けるほかない。2011年8月13日 - 11:08

※RT189件、流石大学教授だけあって影響力もそれなりである。しかし戦艦玉井もあえなく爆沈。

【守口大根 @m_daikon 】

@m_daikon知り合いの原発反対する人に「なんで反対するの?」って聞いたら「危ないからに決まってるじゃない」だって。じゃあ「安全対策したらOK?」って聞いたら「それでも危ないことにかわりはない」だって。「何が危ないの?」って聞いたら「そりゃ危ないに決まってるでしょ!」だって・・・。2012年6月30日 - 22:40

※今回調査した中ではRT720件と大きな影響を与えている。名前を仮名にして上手く物語化したところにフィットしたからであろうか。ま、事故には何の関係も無い話。

【ひまわり @powerpc970】

@powerpc970燃料プールは本来、燃料交換の際の一時保管用。中間貯蔵施設で保管すべきなのに、それにも反対したのが反原発。結果、原子炉立地住民にリスクを押し付けた。普天間県内移設に反対し、結局普天間の固定化に役立った「反対派」の活動と全く同じ構図。2012年1月16日 - 20:07

※燃料プールが原子炉建屋に付属して建てられることはBWRでは普通のこと。福島第一原発の燃料プールはその後建設された原発に比較し容量が過少のため共用施設が建設された(『原子力eye』どころか『国会画報』にも載っている。当然設置変更許可申請対象)。リラッキングも考えられたが、推進派が津波擁護で好んで使う「国の審査」もパスした上でのこと。あの共用施設に関する情報がネットに少なかったから、自分の想像で補ったと考えられる。本質的には再処理工場の技術的不備による稼動遅延が原因であり、サイクル維持という政策マターが背景にある。中間貯蔵施設の計画は再処理工場より遅い2000年代である。なお、この人物は普天間ヘリ問題の件で軍事ブロガーJSFとも諍いを起こし「放射脳」と指摘されている。

【ええな@核ネコ機関 ?@WATERMAN1996 】

@WATERMAN1996@powerpc970 @yamashita99 @ricapon 反対派に大局観が無いのは今に始まった事じゃないけどね。彼らからすれば安全性を高めること自体が既成事実を認めることであり許し難い事なのだから。2012年1月17日 - 1:42

@WATERMAN1996@robo7c7c 私も分かりません。絶対反対を唱える人とは妥協点を見出す事も出来ませんから。絶対反対派に弱みを見せられないという思いが、安全神話のもとになっていたのではないですかね。事故の可能性は否定できませんと言おうものならつけ込まれると

※反対派の顔色を見ないと対策が不可能、という事実が証明出来ないと上記の主張は何の意味も成さない(その種の述懐があっても改良工事をしていたらの全てが破綻する)。禄に調べ物もせず思いつき放言する悪癖やめたら?この件に限らずこのお方は万事がそういう傾向にあるね。そのTLはナナシロボ氏とのものだが、地元の古参自民党員であるロボ氏からすら呆れられている。

【あんぱん @anpan_2634 】

@anpan_2634安全神話なんて、反対運動が激化するから、必要な改良工事や取り換え・更新が出来なかっただけの話。2013年8月7日 - 4:26

※RTは17件だが、@umi_tweetという感情過多のJNSC会員がRTしているのは注目だろう。

【各務原 夕(原動機付き猫車) ?@nekoguruma 】

@nekogurumaていうか、安全性向上化改修に対する反対運動って、本当に成立し得るのかな、とも思う。「反対派の横槍で改修できなかったから~」ってよく聞きはするんだけど、今ひとつ確信が持てるソース見つからないってのもあるんだけど2011年10月29日 - 3:06

@nekogurumaうーん、色々聞いてみると、反対派による安全対策潰しってのはありえるのか 2011年10月29日 - 3:06

※震災の晩に上司の車に便乗して早期帰宅。メルトダウンの件で強烈な罵倒をばら撒いて平然としている鬼畜女。今回も疑問を持ったのに、結局流されて自己検証も出来なかったので×。色々聞いているって全部ツイート、噂話のことで1分も判断に要してないんでしょう?「ネットde真実」の典型ですな。

【arabiannightbreed @a_nightbreed 】

@ardbeg32 対策がとりたいんじゃないんですよね。安心を得たい。安心というのがふさわしくなければ、心を安定させたい。「原発は危険」「東電は悪」というフィルターをかけてしまえば、入ってくる情報は反原発派の行動を補強するもののみになる。心が安定する2012年9月1日 - 9:18

※軍事クラスタの罵声をまとめる腰巾着。しかし、上記の批判は事故に何の関連もなく、対策放置の言い分にしか過ぎなかった。

【不破雷蔵(懐中時計) ?@Fuwarin 】

@nekoguruma ねねね。一つ質問してもいいかな。何で「反原発」なんだろう。「反原発事故」「反原発災害」じゃなくて。後者だったら、自己対策、リスク軽減、さまざまな対応、医療体制の充実、WBCをはじめとした放射線周りへの研究投資とかになるから、賛成する人一杯出てくるのに。2012年3月21日 - 2:37

※アイデア出しても採用されなければ無意味。永嶋氏のように「おれの顔を潰すのか」と面罵された例もあるしその被害者自身が出版で一悶着起こしているようでは。他にも、事故調にせよ添田孝史氏にせよ各種検証本にせよ幾つも上がってる。このようなツイート自体がネットde真実、叩いた者勝ちというパターンを如実に示すものである。

【菊池雅志 ?@MasashiKikuchi 】

@MasashiKikuchi
日本には、地震、津波などの自然災害のリスク以上に、「選挙ウケばかり狙う政治家リスク」「視聴率や部数しか考えないマスコミリスク」「何でも文句つけて反対すりゃいいと思ってる大衆リスク」があるので、原発を安全に運用するのは難しいかも知れない・・・。貧困国に転落するのも選択かな…。2012年5月5日 - 21:36

※文句つけると安全に運用できない。←はいストライク。RTは197件。

【xtreme@kekeke7】

@kekeke7
@iwakamiyasumi @saitoyasunori そんなポーズも単なる反対のための反対でしかないことはサルでも理解できよう。何せ鳩山はCO2の25%削減を実現するため、自民党の組んだ原発安全対策費をも大幅にし分けした上で原発の大増設を推進していた張本人なのだからw 2012年4月13日 - 9:08

原発を大増設しようとすると安全基準が下がるらしい。原子力村すら馬鹿にした意味不明な珍論である。2006年の耐震基準改定もバックチェックも知らないのだろうな。後麻生政権以前の自民党は原発の津波対策工事に予算を付けたという事実は無いよ。その金は電力各社が賄っている。ワルちゃんというより足り(ry

【TOHRU@原発推進※デマ撲滅!@tohrub1104】

@tohrub1104原発新設・置換を必死に阻止しようとするのは原発が安全であっては困る人達だ。堅牢で廃棄物の少ない新規原発に反対する理由は無い。 #原発推進 ⇒計画段階の原発9基 安倍政権で容認の可能性も(産経新聞) - Y!ニュース

【木下 (黄色でない) @onece_a_fool】

@onece_a_fool旧式の原発を廃炉にして新しいより安全性の高い原発を作ることに反対する。 #反原発がアホだと思うとき 2012年1月18日 - 4:21

清水正孝に言え #推進派がアホだと思うとき

【かみーゆ@艦これ @kamille_a、たけっち(3度目の復活) @take_judge】

@kamille_a原子力とか政治とか、賛成派、多数派の中でも問題点はあって、地道な話し合いで身内同士で改善必要だけど、それよりか反対派が桁違いに有害でノイジーなので、潰すので手一杯になっちゃう。無能なやつらは有能な人たちがクリエイティブに使えた筈のリソースを奪ってる 2013年3月25日 - 5:19

@kamille_a反対派が能力がないので、建設的批判によって体制側が成長できない、という負のプロセスは何にでもあって、原子力は完璧にダメだった。技術力ゼロの狂気の反原発相手に、無茶苦茶な安全神話で押し通さざるを得なくて、地道な安全性向上の機会が無かった。2013年5月9日 - 2:55
@take_judge@kamille_a それはいえますね。

※今、彼の自己紹介にあるかは知らないが、以前のそれによると日立を実質1年で辞めたそうな。社会への復讐心でこうなったとしか思えない残念な人で、資格は精神障碍者3級。ウヨニートが政治に首突っ込んで無能と言ってるのは胸が熱い。@take_judgeも即答で「それは言えますね」だってさ。ついでに、この手のツイートを熱心に収集していた憑かれた大学隠棲lm700jやPC職人X PCengineerX辺りも彼と同じ考えであると思われる。

【ともにゃん@二日目ヒ-08b@TOMO_NYAN】

@TOMO_NYAN
テレビで見る原発反対派は原発止めろの一点張りなのは不思議っちゃ不思議。具体的な安全対策の見直しを!とか、代替エネルギーの研究開発に予算を!とか全然見たこと無いのは気のせいかな。そういうの無しで原発止めたとして、核燃料もエネルギー問題も消滅しませんで。

ともにゃん@二日目ヒ-08b@TOMO_NYAN
原爆犠牲者の為の追悼式典をさ、反核のプロパガンダに使うのって良くないと思う。反原発のデモもあったらしいけどさ、ここで兵器と発電技術を同列に扱うのに納得できない。ナパーム弾にも使われたガソリンを使う自動車は全廃!って言ってるようなもん。原子力の関係者にも、原爆の犠牲者にも失礼だ。posted at 19:19:38

※コミケ(C85)で高速増殖炉本を配布。1件目はどこに目をつけて歩いているのだろうという話。2件目も歴史を知らないとしか思えない(核オプションを見据えて練習台替わりに原発に手を出した鹿島守之助など、その種の例は事欠かない)。

ナパーム弾の例は典型的詭弁である。この例の問題点は、原発事故の被害は1件当たりでは自動車と比較にならないという相違の無視だが、順当な返しをするならば「ドライバーとしての適格性を欠いている者に自動車を与えてはいけない」「免許試験場もザル」ではなかろうか。このような価値観の持ち主が無邪気に執筆した技術解説本は、ある種の怖いもの見たさのようなものがある(真っ当に収集するなら、C85よりciniiだよ)。

※14/2/14松浦氏関連で下記追加。
【大貫剛(野生) ‏@ohnuki_tsuyoshi】

@ohnuki_tsuyoshi
ある知人に聞いたが、やはり東電は以前から、福島第一原発7・8号機稼動後に1~4号機を廃炉することを考えていたそうだ。もしそうなっていたら、福島第一原発事故はなかった。申し訳ないが、ソースは明かせない。22:43 - 2012年8月6日

@ohnuki_tsuyoshi
こういう議論がいまだにオープンにできないこと自体、原子力を考える上で健全な環境ではない。もし東電が事故前にこれを言っていたら「じゃあ1~4号機は危険なんだな、今すぐ止めろ」「そもそも原発は危険なんだ、7・8号機も反対」となっていただろう。22:45 - 2012年8月6日

「名前も明かせない知人」より「麻生政権時代の東電回答」の方が公式性では上である。前にも書いたがそりゃ東電関係者が脳内でバーターを考えたり、会議でネタにすることは十分あるだろう。問題はそれが正式なものになるかどうか。切り捨てられた理由に当時の経済性評価が絡んでいないか、である。こういう人に特徴的だが、事故前表には出なかった社内で津波想定を切り捨てた件は弁護するが、名前も明かせない裏事情は平然と投入する。矛盾だろ。こんな「ソースは俺!」「ソースは2ch!」みたいなのと同類の論を進めておいて反対派をデマゴーグ呼ばわりしているのが反・反対派の悪弊である。

米国軽水炉の延長運転自体は珍しくも無く、既に取り上げたように東電も20年以上をかけてその準備をしてきた。「民主党が延長したから論」も推進派が飛びついたデマの一つである。大貫氏の問題点はそれに留まらない。資料が残っていることから分かる通り推進派が言うようなタイプの「オープンな議論」とやらは普通に重ねられていた。大貫氏が知らないだけである。このような人物が東京都の土木事業や宇宙開発の仕事をしていることに戦慄する。

2013年10月15日 (火)

JSF式時間管理術

@obiekt_JP(中略)dragonerさんのアグレッシブな記事がアクセス数を沢山稼いでいる・・・私もこればっかりやらずにちゃんと書かなきゃ!

@obiekt_JP艦これとツイッターやってるせいでブログ更新も時間を掛けたのが少なくなってる気がするいろいろネタは貯め込んでは居るのだけども。

こういう人もいるのか、と率直でナチュラルなコメントに改めて感じ入った。

自分の生活感覚だと、まずは仕事のことが頭にあって、その他に余暇がある。家事とかもあるけどざっくり言えば起きてる時間の区分はこの2つ。勿論仕事量は日によって変動する。残業が全くない日もあれば、日付変わるまで働くことも、当然ある。

対して「艦これ」「ツイッター」「ブログ」の3つで時間管理するのが名うての軍事ブロガーJSF。他の軍オタ(軍クラ)と異なり、仕事の話題は一切持ち込まない。その雰囲気すら完全に消し去っている。他の取り巻きも当然のことのように黙って見守っているようだ。違うねぇ。他の軍クラには自らの社会的身分が気になって仕方ない暇人もいるのに。

もひとつ面白いのがこの2つ、どちらもRTがある。

ネット右翼風の方もいれば、ライターもいる。彼等が「本当は」どういう思惑でRTしたか、想像すると実に楽しい。

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