カテゴリー「ツィッター事件簿」の19件の記事

2019年9月25日 (水)

ニュースに便乗してマウントを取る意識高いリベラルの闇~瀬川深氏の場合~

スウェーデン在住のグレタ・トゥーンベリ氏が国連気候変動サミットで攻撃的な調子で演説したことに対して、賛否両論が巻き起こっている。

まぁ、本心を言えば私はそこまで大きな関心は持っていない。日々のニュースの一環として受け止め、研究にせよ対策にせよ必要だろうなと感じている程度だ。

だが、この件を通じ、よく言われるリベラルの偽善性を体現した人物もいる。瀬川深氏だ。

どうしてそう判断したのか。次のツイートを読んでみて欲しい。

 

単なる失礼なデマカセである。何故ならその両国ともこの手の国際舞台に「リーチ」しているから。

【反例1】

マーシャル諸島をご存知ですか。透き通った海や、青い空が広がる、太平洋に浮かぶたくさんの島々からなる国です。そのマーシャル諸島が今、危機に直面しています。それは気候変動による、海面上昇と干ばつ。そこで立ち上がったのが、気候変動活動家で詩人のKathy Jetnil-Kijiner(キャシー・ジェトニル=キジナーさん)です。

彼女は、2014年の国連気候変動サミットで自作の詩を披露し、故郷の危機を訴えました。そして現在も世界中で、詩でもって、気候変動の解決を訴えつづけています。今回は、一般社団法人アース・カンパニーの招聘で来日した、キャシーさんへのインタビューをお届けしましょう。

キャシー・ジェトニル=キジナー
詩人、気候変動活動家。マーシャル諸島生まれ。544人もの候補者から選ばれ、世界中の市民団体を代表して、2014年国連気候変動サミットで詩を朗読、世界が称賛。2015年COP21、2016年COP22に招致されるなど、世界で詩の朗読やスピーチをおこなっている。2012年、マーシャル諸島でNGO「ジョージクム」を立ち上げ、マーシャル諸島の次世代環境リーダーの育成に努めている。


【反例2】

ミクロネシア連邦のジョセフ・J・ウルセマル大統領は、2003年9月23日、ニューヨークで開かれた国連総会にて演説をした。

様々な問題点が挙がる中、ウルセマル大統領は気候変動についての心配を語った。

太平洋地域では、台風の発生頻度が徐々に増えている事、その強烈さは“気候変動が現実に起こっている”ことを示している、と総会へ訴えた。

ミクロネシア連邦大統領、気候変動を止めるように訴える」『FoE Japan 南太平洋島嶼プロジェクト』(2003年9月27日、グアム・ハガッニャ)

【反例3】

昨夏、イルリサットでの気候変動国際会議。グリーンランド自治政府のハンス・エノクセン首相は、各国の環境大臣らを前に演説した。「温暖化の影響を観測するのに科学者である必要はない。漁師やハンターは日々の生活で気付いている」

グリーンランド溶解 温暖化、氷河流出2.5倍」『朝日新聞』2006年05月29日

現場からは以上です。それでは、瀬川氏のスピーチを引き続き御堪能ください。

池の水に映った自分の顔を見て「こいつも器量が悪い」と嘲る娘の話を思い出した。

そういえば、私も最近台風の記事仕上げたったなぁ。

分かったからニュース位見ろな。

言い続けたらネット論客の何人かが崩壊しちゃったけど。

今夏ジパングで一番ヒットしてるマンガ映画(天気の子)見たけど、そんな話じゃなかったなぁ。

上気パターンから外れるマンガ映画って結構多くないかな。そもそも他の人はどうか知らないけど、16歳女子、そんな好みじゃない。瀬川さんのお知り合いは・・・・好きな人多そうですね。

これくらいにしておきましょう。

瀬川氏は、悪いけど昔から見てて危なっかしいなと思っていた。例えば、dadaという冷笑主義系ツイッターアカウントの顔写真が出回ったとき、彼は何故か「自宅を特定した」などと吹聴、意味の分からない逃げを繰り返して嘘だったことを認めた。

そこまでして何をしたかったのか皆目不明だが、ネットの「特定班」としての経験から言えば、自宅は勤務先より見つけるのが難しいと感じる(懲戒請求を返り討ちにしている弁護士に比べればささやかな経験だが、例えば、あの「へぼ担当」の自宅は今も知らない。社会への問題提起に必要な情報は得たのでどうでもいい)。

よくネット右翼や冷笑主義者はリベラルの語り部を「偽善」とか「お前の主張は間違いだ」と非難する。主張に踏み込んだものは賛同しないが、当該の人士の偽善性や隠された意図を見抜くことについては、私はある程度ネット右翼を参考にしている。

恐らく、彼等は動物的直感に基づいて裏読みしてるのだが、適切な言葉を持っていないから、後天的に身に着けたお仕着せの偏向思想でしか表現できず、反論が的外れになるのだろう。だから、グレタ・トゥーンベリ氏を擁護したリベラル人士達への反論に、私のようなやり方で指摘したものは今のところ見かけてない。

さて、この知識、知るのに専門性は全く必要ない。普通に新聞TVを見ていても流れてくる程度の情報だ。何故ならフォーマルな国際会議ではマイノリティ枠を設けてこうした演説を行うのは珍しくないからだ。そういう意味では正に「今更」なのである。

瀬川氏が間違ってるのは、グレタ・トゥーンベリ氏とは何の関係も無く、本当は環境ニュースなんか大して関心も無いであろうこと(エール大の研究医でツイ廃だから、関心持つ暇も無さそうだ)、出身国に対する差別意識があからさまだからである。ただそれだけのこと。

私は脱原発派で反安倍。脱被ばくという程ではないが、無理に境界を作る福島エートス/シノドス一味は大嫌いである。だからリベラル人士が全部偽物などと言うつもりはない。瀬川氏も普段は結構いいことも言っている。

だが、リベラルが偽善に走る姿は、慣れると意外に簡単に見つけられる。一般的には次のようなパターン。

  1. 今回のように精々高卒程度の社会知識で片が付く問題をいちいち高尚に仕立て、大卒院卒のインテリでないと理解できないかのように吹聴する。本心は学歴マウント。岩波文化人周辺者に多い(なお右派の場合は科学技術信仰者に多い)。

  2. もう一つの流れは出羽守型。これも左右にいる。分かり易いのが対米隷属的な態度で、左派は民主党的な事物を諸手を挙げて歓迎し、右派は先進的な軍事技術への憧憬を隠さないといったところだ。特に新しいものにダボハゼのように食いつくのが特徴。自分は発明した訳でもないものを必死にセールストークしてくる態度も見ていて毎回笑いが止まらない。勿論、差別に抗う事例として公民権運動を例示するとか、TPOが適切なものは別だが、猿が人間の振りをしててもいずれ偽物はバレるというのが、私の偽らざる本心だ。

  3. 3つ目が今回のような目立ちたがり。準備の手間を惜しんで「あれも」「これも」と書き連ねてメッキが剥げる。

こういうのが不幸にして同じ陣営にいた場合、選挙など当座役に立つ場面は同調するが、必要が無ければ随時捨てる。必死度が高まってくると無意味に共産や社民に因縁をつける症例が頻発する。その心理衝動はネトウヨに類似。実態は蟻に嫉妬するキリギリスでしかないのだが。

なお、グレタ・トゥーンベリ氏が腹を立てるのは当たり前だろう。スウェーデンは、電力生産における原発への依存度が約4割と、日本の地方電力に匹敵する。温暖化の面からは、原発は火力発電に比較しても単位当たりの発電量で無駄な熱を捨てるので、悪影響も大きい。そりゃ腹も立てるというものだ。顔真っ赤にして絶叫する意思は欠片もないが、こうした点は同意出来る。

勿論、ミクロネシアやグリーンランドが排熱先進国に感謝する筋合いも無い。瀬川氏のあれは、「日本の環境大臣が同じ演説をしたら、感謝すべきだ」と言う意味なんだろうな・・・論理的にはそう導ける。

リベラルの方は、時々こういう記事を書く私のことを煙たい面倒くさいと思ってるかもしれないが、今回のような事例を反面教師にすることは大切なこと。最終的にはリベラル派にプラスと考えている。別に主張を変えろなどとは言ってないのだから、原発廃止!避難者へ補償を!自然エネルギーに取り組め!といったことは堂々と主張。それと彼等は隠れた科学信仰者の傾向も併せ持っているが、「科学」とやらに耳を傾けてえらい目に遭ったのが原子力である。その体験から、被害当事国の声を聞いていければ、と考えている。

2019年5月 2日 (木)

性加害者をえこひいきするフェミニズム運動だとすれば、信用は全くない

私は元々、フェミニズムやme too運動は関わりが無い。過去記事の通り、是々非々で臨んでいる。よって、急激な運動の拡大に伴って種々の矛盾が生じていることは批判的に見ている。

有名な事案としては、昨秋の御茶ノ水女子大のトランスジェンダー受け入れ表明に伴うトイレを発端とした論争がある。これは、フェミニストを文字通り二分したらしいが、TERFと呼ばれる過激派がトランスの方に誹謗中傷を続けた結果、どちらに理があるのかははっきりしていると思う。

上記の件は運動内部でも様々な反省があったが、TERFを批判したフェミニスト達についても、ここ数年、幾つかの問題で明らかに頬を被っている人が多くみられる。

【運動には清濁がある】

以下、私が理があると考える事案とそうでない事案を数例ずつ挙げる。

【me too運動やネットフェミニスト全般に理があると考えられる案件】

  • 選択的夫婦別姓化、同性婚の容認に関わる運動全般
  • 刑法改正による非申告罪化の他、捜査手法の改善やケアの充実等を求める運動全般(伊藤詩織さん事件を含む)
  • 政治におけるクオーター制の採用等、差別的慣習を是正するための運動全般
  • 入試・就職活動における性差別の是正を求める運動全般
  • 日本軍が戦時中に犯した種々の性犯罪や外部業者をも含めた慰安婦問題の清算(像の設置から個別請求権の容認までを含む)

【me too運動やネットフェミニストに理が無いと考えられる案件】

  • 同一の法制度下にある日本国内での統計的有意差を何も示すことが出来ず、只の地域差別に終わった「九州男児」批判。
    ※他の性差別問題は多くが九州以外で発覚している。「日本の男性は問題が無い」という反論ではないことに注意。
  • ジェンダー法学会での不規則発言に代表される、問題解決能力の無さ。
  • 社民党のある女性市議の服装にまで細かな注文を付け続けて辞職に追い込んだ「古参活動家」の問題。
    ※当該の地域で真面目な人材を1人使い潰し、無能な候補者が生き残る結果となった。現実に響いている以上大問題。
  • 大した基準や事実確認も無しに一部の漫画・アニメ・ドラマ作品等を批判する「お気持ちヤクザ」
  • 他の社会問題で得られた知見への鈍感さ。一例としては薬害/公害問題で散々指摘されている肩書や専門家への過剰な依存。
    (田嶋陽子やその支持者に見られる)ネオリベ/極右的思想の肯定。

「毎日内部批判だけしていろ」と言うつもりはないが、上記の問題に向き合うことなく、自らに都合の良い「性差別案件のニュース」を賛意RTし続けていれば、信用が無くなるのは当然だろう。周辺の意識高い系全般に言えることだが、馬鹿な奴等だ。

世のあらゆる運動には付いて回る話であり、例えば脱原発運動も似たような問題は抱えているのだが、敵対者の書いたものを見て正すべき点は取り入れるのが良い。最近知ったが「女性の90%は名誉男性」という愚かな主張をしている「フェミニスト」もいるようである。井の頭沿線辺りで仕入れた古い文献で正当化したところで救いが全くない。

【ネットフェミニスト達に生じた疑惑】

前置きが長くなったが、最近あるネットフェミニストアカウントが性加害者としての過去を隠し、社会一般への批判を続けているのではないかという疑惑が持ち上がっている(関連まとめ)。その件についての検証作業も始まり、過去の書き込みの発掘など、種々の公開情報が集積され、一部の仲間は正体を知っていたのでは?とも言われている。情報の突合せをしているのは極少数だが、野次馬の中にはネット右翼も多数混じっている。

公益性の観点から言えば、当該は事実関係の是非にコメントすればケリがつくので余り関心が無い。再犯が発覚した訳ではないからだ。従って、本件についての問題は社会的モラルの範疇に留まる。その点から見て問題と思われるのは、当該と顔合わせもしてきた周囲の同調者達、更にその周囲に蝟集しているネットフェミニスト全般のことである(参考ツイート)。いずれも、エビマークを付けているから証拠能力が高いというような愚昧な考えの持ち主で、真面目な研究者、ライターなどと異なり信用していなかったが、案の定まともな反論がない。

一方でその間にも、過去の性犯罪被害者による告発証言に対し、無条件で恫喝や誹謗中傷している者がいる。

止めた方が良い。ネット上のme too運動を徹底的に傷付けることになるだろう。

残念だが、検証結果は具体的である。彼等を支持してきた側が行うべきことはただ一つ、疑惑が事実であるかを確かめること、もし事実なら、それを認めて(距離を置いた)別の形での贖罪に切り替えるよう促す事だろう。

前から思っていたことだが、広い意味での安倍政権支持者やネット右翼は基本フェミニズムに敵対的だが、彼等が直接的な性犯罪者である確率は一般人並に低いと思われる。何故なら、右翼的な考え方はこの国の主流であり、毎日女叩きに異様な熱意を見せる者から、FOXが作る社会派映画並に平等思想を受け入れる者まで性的な価値観にはかなりの濃淡が観察されるから。

そこにオピニオンリーダー達が「お前も社会構造を作ってる一員なのだ」と身内向けトークで甘やかしたところで、大したみそぎもせずに加害者を匿ってるなら、説得力はゼロである。

【理由もなく相手によって扱いを変えれば信用は無い】

ところで、仮に事実であったとして、違和感があるのは当該の周辺者達。要は菅野完のような他のケースとの扱いの差である。ここ数年、論壇人や著名政治家・ジャーナリストの性的不祥事が相次いだが、菅野の場合は事実関係と責任をすぐに認めている(同様の例として、一般的な認知度は極楽山本のような芸能人の方が高いだろうが、当ブログは政治系の話題の方が主なので菅野の例を挙げる。もっとも、訴訟では言論の自由の制限を要求されたこともあって揉めていたようだが)。

ある極左・脱被曝系アカウントが「性犯罪に軽重は無い」といった書き込みをしていたのを思い出すが、同根ではあっても現実社会では同列には扱われない。法的な問題の他、発覚前後で示した態度も世間的な評価の対象になるのは当然のことである。菅野完事件の発覚当時、それを報じたメディアの関係者が性犯罪被害者を鉄砲玉として使い潰した一件があったが、その時「黒幕や周辺者の嫉妬だろ」との声が聞かれた。今回の件は、それが正しいかどうかも問われるのである。

この件について周辺者達はあらゆる対話をブロックしているそうだが、さっさと問題を解決した方が自身のためだろう。虚偽ならそう示せば事は終わる。事実なら、理念と現実に生じた矛盾は解消すべきだ。菅野の件や詩織さん事件が好例だが、ネットフェミニストでも過激な発言で注目を浴びてきた者達は、右側の性的不祥事は正当化し、事態公表後の経過を無視する野次馬と変わりがない。

方向性や発言の過激度に違いはあるものの、社虫太郎やあららといった(男性)オピニオンリーダー達や、一部の極左系個人アカウントについも同様である。元号批判のような時事ネタも結構なことだが、本件からは目を逸らしているように思える。広河隆一と違って自らに近い存在だったのかも知れないが、大概にしておけと忠告しておく。

まぁ、大概にしておけと言うのは追及側も同じだが。

残念だが山本氏は政治家になる前に会っていたとしても違和感はない。で、彼以外の発言は貶める目的でツイートしてるのかね。

2018年6月17日 (日)

電気火災の脅威を力説し旧式原発3基の不安全を証明した東電原発職員へぼ担当氏

前回まで2回に渡り、東京電力柏崎刈羽原発技術職員しての立場を傍目には分からないようにして、(法的にも怪しげな)ポジショントークを重ねるへぼ担当を晒してきた。

しかし、彼も技術者の1人として平均以上に勉強を続けてきたのは、一つの事実である。

京都大学大学院原子核工学専攻を修了し、東電時代には原子炉主任技術者免状やボイラ・タービン技術主任者を取得した。

※最終学歴は京都大学大学院ではありませんでした。KURが他大利用者を受入れていることを忘れていました。京都大学関係者にはお詫び申し上げます。

つまり、組織防衛バイアスが働いていない場合、その技術的見解の正確性は上がる。

このような観点から、今回の記事では彼を権威が認めた現役の電力・原子力技術者とみなし、以下に旧式原発の電気火災に対する危険性を示す。

実は、へぼ担当は火災に大きな関心を示しており、かなりの数のツイートが残っている。今回はそれらを私の判断で話題別に再編集した。

なお、ここで言う旧式原発とは大半のケーブルが難燃性ではないことを意味し、再稼働の申請に合格したものとして高浜1,2号機、申請中のものが東海第二原発である。これらの原発はケーブルも設計寿命を超過しており、その点では近年新築された一般の建物よりも劣っている。

難燃性ケーブルは塩化水素を主体とした有毒ガスの発生量が多く、炎上は抑制されても煙が燻り人体には有害、視界も遮る。また、接点が剥き出しの電気機器にも煤のようにこびり付くと動作不良を招く。

これを緩和する根本対策はハロゲンフリー/ノンハロゲンケーブルを採用することで、原子力の分野では難燃化に遅れて1980年代中盤以降徐々に導入が進んでいった。もちろん、ぞれ以前のプラントは問題である。

実はそのことは彼自身もよく承知しているのだ。

所変われば態度も変えるという姿勢は一貫している。

原発に使われていると口を閉ざすが太陽光発電に使われていると饒舌。安全の観点からは「お金をどぶに捨てるだけ」とのこと。さて、難燃ケーブルを採用していない原発は?

ケーブル火災は一旦火が付くと消化が困難だそうである。

電線管も例外ではない。また、ネズミはあらゆる電気設備事故の定番。防鼠パテなども売られているが、施工がいい加減だと抜け・漏れが生じる。

強電回路ではおなじみ、ナイフスイッチも視点を変えれば故障要素である。

40Wの回路は、照明などのアクセサリ電源はありふれている。最早反文明論者と見分けがつかぬほどの警戒振り。もちろん、間違ってはいない。

感電の恐れがあるので、安易に放水も出来ない。

どうしてそんなに電気火災に拘るかと言えば、実際に脅威だから。発生した時の被害がシャレにならない。

 

彼が紹介しているYoutubeの動画は必見。発電所の電気室もこれと似たような雰囲気であり、規模が大きい。

続いて自治体消防が電気火災に無知との指摘。へぼ担当は下記のように完全同意。

 

これは、へぼ担当自身が柏崎市や新潟県の消防を信用出来ないと宣言したに等しい発言である。もちろん、他のサイトにも当て嵌まるだろう。

つまり、既存の消火設備と自衛消防隊依存となるが、外野から見れば、自衛消防隊こそ消防のプロとは言えないのでは?との疑問が沸く。その疑念を彼等自身も抱いているのか、電力各社は訓練の回数を誇っているが、別の観点として『原子力戦争』(ちくま書房,1976年)で告発されたような、ボヤの隠蔽をチェックすることも出来ないことになる。

隣接配線に延焼すると地獄絵図だそうである。原発の場合、このリスクを軽減するためケーブルルートの系統分離が徹底されるが、初期原発の場合は電源室が一か所の部屋に集中配置されるなど、ケーブルトレイを分離した程度では根本解決にならない設計が多い。東海第二原発がその典型である。

古典的なブラウンズフェリー事故はもとより、新潟県中越沖地震での所外変圧器火災(2時間)など、3時間以上あるいはそれに迫る時間燃え続けた火災事例は原発でも散見される。

2017年2月に発生したアスクルの倉庫火災に関しても、へぼ担当は防火シャッターと難燃性について興味深い見解を披露している。

 

シャッターの動作はそれなりに奥が深いようだ。この日の彼のツイートはまだ続く。

 

 

 

難燃ケーブル=不燃ではない、という事実は用心深い技術者なら知っていることだが、それを東電の原発技術者が率直に認めているのが素晴らしい。彼がこのように率直に物を言えるのは、柏崎刈羽原発が難燃ケーブルを多用し、日本原電に比較すれば新規制基準への対応に大量の資金を投じてきたからだろう。要するに「俺の職場は別」という考えが根底にあるように思われる。

また、これらのシャッター設計のノウハウが、旧式原発の建屋やサイトバンカ、経年を経た発電所の倉庫などにもバックフィットされているのかも興味深い論点となり得るだろう。烏賀陽弘道氏により再評価された『近代消防』に寄稿した元消防官のような対抗専門家の登場が待たれる。

私はプロフィール欄にも述べているように元々は推進派であったところを311により反対に転じた者である。よって、基本的には全ての原子力発電所は廃止されるべきと考えるが、その中で技術的プライオリティが付くことは避けられないとも思っている。そういう意味からは、へぼ担当の技術的知見は参考になるのである。

2018年6月12日 (火)

東電柏崎刈羽原発技術職員へぼ担当が立場を明らかにせず呟いてきたこと

前回記事【世間に謝罪せず】「機微情報」を垂れ流した東電柏崎刈羽原発職員へぼ担当氏【問題発言連発】が衝撃的な内容だったためか、逆にリアリティが無いと思われているのか、余り関心は持たれていないようである。

しかし、へぼ担当なる社員が自分の立場を傍目に明らかにせず何を呟いていたかは、東電原発技術者の類型的な内心を探る(証明する)のにとても都合が良い。更生も期待出来ず、これ以上庇う理由も特に見当たらないためだ。

また、電力各社原子力部門の一般社員に、身近な事例として知って貰う意図もある。東電の旧経営陣3名は刑事裁判で責任を問われているが、一般社員は、雲上界の他人事だと思っていないだろうか。

今回の記事は、前回の概要分析で収録し切れなかった彼のツイートの中から、職位に照らし公益性上問題が大きいと思われるものを列挙した記録記事である。

もちろん、匿名での発言の自由はあるが、それはどちらかと言えば密室内の問題を明るみにするなど、権威勾配から個人を守るためにあるのであって、ステルスマーケティングのためではない。

それから、花角次期知事に投票した新潟県民に一言言いたいことがある。当ブログの記事で示した様な人物が、柏崎刈羽原発の運営、取分け技術分野の中核に関わっていたことが、最大の安全リスクと言えるだろう。貴方達は原発は利益を生むと考えたのかも知れないが、都合の悪いことは何でも隠し、匿名でさしたる根拠も無く仲間まで中傷するような職員を放置しておくのは、とてもリスキーなことである。

※池田候補に一票を入れた県民の方々は、お疲れさまでした。このような結果になり、とても残念ですが、貴方達の選択は正しかったと思っています。

以下、随時追加し更新する。

【人物像】

バブル景気は1991年2月までとされているので、実質1990年春の入学と思われる。

 

 

 

2012年9月のツイートは113番目の元素のニュース。上記から、学部時代の進学先が名古屋大であり、指導教官は仁科芳雄の息子である仁科浩二郎と分かる(『原子力がひらく世紀』編集に係わる。同書刊行は1998年だが、執筆に時間がかかって遅れた)。

 

 

上記から、大学院時代の指導教官も、理研コンツエルン草創期に縁の深い人物の息子である。柏崎市は理研グループの事業所が多い。

ガンダムWの放送期間は1995年4月から1年間であり、1996年春に大学院を修了、入社したと思われる(ずれても前後1年程度だろう)。オノデキタ氏の早期退職が1995年。彼は帳簿上はその補充要員とも言える。従って、前回提示の社内報は入社後の発行である。

20代で原子炉主任技術者を取得。従って下記の東電・東芝が作成した所員向け教育ビデオに大きな影響を受けた。リンクを辿って是非見て欲しい。

下記のツイートから分かる通り、中越沖地震を経験している。

 

再稼働に向け「頑張る」と抱負。

この記述からも、彼の自宅が刈羽村や周辺の自治体では無く、柏崎市と分かる(2015年5月に市役所の移転計画を表明)。

上級管理職では無い。東電で平社員を意味する「担当」の可能性もある。

【情報公開の否定】

情報公開を求められる側の陰口として記録。

【タウンミーティングで挑発してやる】

 

元々意図的な炎上の体質がある(もっとも、この点についてはTPO次第とも言えるが、好戦的な性格を示すものとして記録)。

更にその好戦性を見込まれ、敵対者を論破するように軍事板常見問題管理人の消印所沢から依頼を受けている。余談だが、私も色々な方とメールでやり取りはするが、「〇〇を論破してください」などと依頼するなど、思いもつかなかった。消印所沢って結構無責任だね。

【自称市民は信用しません】

 

当時すでに流行っていた「プロ市民」という単語が前提にあるのだろうが、市民に自称も他称も無いのは少し考えれば分かることだ。強いて言えば、選挙や納税の不正などで既に死亡した人を登録したり、他人に成りすましたりする事例は自称市民と言えるかもしれない。

もし気に入らない意見があれば「貴方達の意見には賛同しかねる」と返せばよい。それを拗らせて「選民」しているのはへぼ担当なのである。

そもそも文法とか言語学的に言えば「プロ市民」という単語でさえ、相手が「市民の一部」であることを前提とした概念である(自民党支持者辺りにとっては「煩わしい市民」ということだが、煩わしくても市民ではある)。へぼ担当の「自称市民」呼ばわりはそれより酷い。

【原発ジプシーの抹殺】

 

結局、311後に身元の管理が出来ないことも、ピンハネ福利厚生その他の問題も否定出来なくなった。ちなみに70年代に黒人の水中作業員が目立ったのは、米国においても職種と人種の偏在が完全には解消されていなかったことによると思われる。解消されていれば、水中作業員の成り手が黒人に集中することはありえない。また、へぼ担当は知らないだろうが、コダック、ベルサウス、コカコーラ、テスラ等、黒人差別の従業員集団訴訟は21世紀に入っても(性差別訴訟同様に)頻発している。それが米国社会である。

【平井憲夫氏は人権侵害】

「原発がどんなものか知って欲しい」の平井憲夫氏も完全に風説扱い。

 

 

 

当該は聞き書きのため、やや不正確な表現もあったが、311後、当人の手になる文書が再び世に出た際に、オーソドックスな原発批判以外の何物でもなかったことが判明した。また、多くの現場作業員により様々な形で問題行為が公にされたことで、平井氏の正しさを裏書きする結果となった。

2月24日は、更に会話を続けて失言している。

 

 

批判されているのは『白竜(原子力マフィア編)』。311後、『ヤクザと原発』その他により暴力団が入り込んでいること、身元確認が不十分なことが改めて証明される。そもそも、発電所で土方を見ていれば、筋者との境界があいまいなこと位察しが付くであろうに、よくもぬけぬけとヤクザへの蔑視を呟けたものだ。また、フクシマ50に代表されるように、彼等も修羅場で貢献したのだという、プラスの視点もありえるだろうに。

【被爆地反核団体への侮辱】

 

1960年代に一部の左翼議員が口にした「ソ連の核は良い核」を半世紀経っても全ての被爆者の主張として一般化している。むしろ、右派系の反核団体「核禁会議」を旧民社党経由で支えていた東電労組は民社党同様に「アメリカの核だけが良い核」であるかのように活動し、追随してきた。旧民社党がCIA工作の恩恵で誕生した経緯からすれば当然ではあるが。

【公害被害者への侮辱】

過去、あらゆる反公害運動が「補償金ビジネス」と中傷を浴びてきたが、へぼ担当は企業側の実践者として「歴史に学んでいる」1人である。もちろん、最初から公害を引き起こさなければそのような問題が発生しない(=ビジネスという理屈は成立しない)という、根本的な矛盾は理解の埒外にある。

霞ヶ関の人から頼み込まれて口裏合わせまがいのことも行ったことがあります】

 

この人の言うことは大体肝心なところでアウトである。特に311前の証言はそれが非常に多く、既に機微情報を流した以上、情報のやり取り、人脈形成、交渉方法の適切さに関する信頼は無い。本当にそれは「まがい」だったのか。

【騙される有権者も有権者】(東京電力柏崎刈羽原発社員談)

 

愚民主義はリベラル・左翼勢力にもいるだろうが、という指摘が聞こえてきそうである。それはその通り。だが生憎、著名なリベラル・左翼人士で愚民観を示している人達は、フリーの立場から発言している方も多い。会社の代弁者ではない。

【鳩山由紀夫批判】

 

311前、鳩山はCO2対策のため原発依存には自民党より積極的だった。「クズ」と批判しているのは普天間移設問題で自分が思い描く先軍政治に反し、県外移設を主張したから。twilogをチェックすると民主党、鳩山、菅への私怨のオンパレードだが、鳩山相手だとloopyという単語がとてもお気に入りだったようだ。身分隠して財界の代弁ご苦労様。

もっとも、彼のTLが民主社民共産への罵詈雑言に溢れているからと言って、これ以上政治家に対する批判ツイートを掘ることはしない。原子力政策など直接的関連の高い内容に限定する。

【受注者を顎でこき使う】

完全に居酒屋モードで気持ち良く本音を呟く。

普段どんな仕事の依頼の仕方をしているのか、労基に見て貰ったらいいのではないかな。

【子供手当は要らない→手当て+小児科寄越せ】

先の「タウンミーディング」にかける妄想でも言及していたが、彼は、子供が嫌いなのではないか。

ちなみに当時は独身。後年、経済DVとパートナーから批判される男の言葉である。所属先がどれ程の国富を費消したかは言うまでもない。そして少子化・貧困対策の結果も。

311後に給与3割減、私生活で結婚となった途端このザマである。よくいる、自分の世代、自分の階級しか見ようとしない臣民の一形態だな。

【知恵を付けるようなつもりは一切ありません。意見交換も一切意味がない】(東電社員談)

 

市民運動家の小林アツシ氏を前にしての発言。これ程愚かなコメントは無い。

自分から知恵を付けたら困る事実が存在する、と宣言しているようなものだからである。極端なことを言えば、この時点でへぼ担当が福島の津波対策延期について、情報を得ていてもおかしくないとすら推測出来る。

言い換えれば彼の天敵による次のコメントにも通じる。

【可哀想な教師ですね】

安全神話に疑問を呈す教師は「可哀想」。完全な組織防衛の論理。

【311直前の被曝観】

 

現在は、年20mSV以下という、311前なら建屋内での作業に従事する一部の労働者のみ係わりのあった線量を基準にして帰還政策が進められている。当時の推進派の姿勢と比べると隔世の感がある。また、被曝安全論に主張者自らが絡め取られていったことは巷間推測されているが、彼はその証明となり得るだろう。

【311後、節電に絡めてテレビ局を揶揄】

 

24時間テレビの偽善性は左派を含めて指摘され続けているが、原発プロパガンダに年数百億も消費した挙句、事故を起こしたために夏の節電要求が厳しくなったのである。民放にケチをつける資格があるとはとても思えない。本当に不思議だが、私が東電社員なら、身分を隠してもこんなことをツイートしようとは思わない。例え匿名であっても「番組への批判は承知していますが、節電のPRは正しいと思います」位のことは言うだろう。彼の心の闇は深い。

【311後、都民に代わって火力発電所を要求】

 

 

 

311直後のエネルギー論議では、脱原発による電源の穴埋めを火力発電の増設に頼ろうという流れが存在した。上記はその頃の書き込み。政策論としては理解できるが、事故を起こした当事者が身分を隠して「提言」することではない。もしどうしても必要を感じていても、「わが社には投資する余力が無いので都の助力をお願いします」と言うべきだろう。

それにしても東電社員が「都が他県にお願いすべき」とよくもぬけぬけ言えたものである。被災者から消費地の責任を追及する場面での発言ならいざ知らず、「お願いすべきか検討する」のは都民や知事であってお前等ではない。

【国会事故調は読む価値なし】

311の後、幾つかの事故調が立ち上がったのはまだ記憶に新しいが、彼は自社の事故調と政府事故調のヨイショをRTしつつ、次のようにコメントしている。

 

比較的知名度の劣る学会事故調をPRしているのは、自分がロビー活動をしているからである。添田孝史『原発と大津波』(岩波新書)で指摘された、「専門家は電力と学会の顔を使い分けているのではないか」という疑惑への一つの回答がこれである。

なお、津波への備えに関する最も有益な情報を発掘したのが国会事故調の調査員だった添田孝史氏であり、各種訴訟で東電は全敗に近い結果となっていること、訴訟提出資料と証言により、政府事故調は多くの重要情報が委員に上げられていなかったと判明したこと、原子力学会事故調は重要な証言は関係者に迷惑がかかるとして非公表とされたことを付記しておく。

【「ブーメランだ!」】

 

朝日新聞は原発事故を起こしていないので、上記の理屈は無理がある。また、「わが社」ではなく、他人事のように「東電」と呟かなければならない辺り、彼の溜飲が下がる日は来ないであろう。

このような発言こそブーメランでは?311後、ことに2014年以降、この人が東電社内で何の課題を解決したのか聞いてみたい。

【九州電力やらせメール事件の反省なし】

この人物は、九州電力がやらせ動員を行って謝罪に追い込まれた事実を上記のように認知している。

なお、言うまでも無く原発推進の意見を言う自由はあるべきだが、それは他者の批判を受けないことを意味する物ではない。一つ、情報を追加すると、例の経済DV騒動の際に公開されたツイートによれば、家族からのお願いを「中傷だ」と訴えた実績があるとされる。

【すり寄ってくる共産党女性議員が気持ち悪い】

 

発端はこれのRT。体力のある若者なのだから、思想信条を抜きにすれば「素晴らしい人材」であるだろうよ。大体、私が自民党側にいた頃から「人殺しの訓練」であることは世界の軍隊共通の了解事項だったのだが、冷戦終結から四半世紀も経って何が気に入らないのか分からない。現在のテロ対策でも「警察は犯人逮捕のため生け捕りを考慮するが、自衛隊は射殺前提」と指摘されるではないか。

しかし、そこはへぼ担当、アクロバティックな反応に至る。

 

だったら、「思い付きと打算で派兵することにしたからあとは適当に野たれ死ね」とでも言えばいいのだろうか。それに近いことをしたのは戦闘地域を非戦闘地域だと詭弁を弄した小泉政権だけどね。

【難民受け入れ「必死だな」】

シリア難民問題が顕在化した頃、次のような暴言を吐いていた。

日本がそれなりの数の難民を受け入れているのであれば、まだ理解も出来る。しかし、実際は極めて消極的であり、加えて入管職員が人種差別者集団であることは抗議者達の粘り強い活動によって近年知られつつある。それにしても、「必死だな」とはね。何様?と言ってやりたくなる。まぁ勤め先に相応しい、殿様の態度だな。

もし本当に自信があるなら、欧州の原発関係者との会合の機会か、海外から日本に関心を持って来日してきた人達(マライメントさんとか)に是非「貴国の難民政策は必死ですねw」と揶揄ってみてほしい。親ナチを秘めている者なら賛同してくれるだろう。

【新入社員をネットで誹謗】

それが新人だろ。つくづく馬鹿だね。しかもネットでよく書けるものだ。

そして時が経ち・・・

新人君も結局育てられず、使い潰していたっということ。それにしても発電所の仕事で「修士論文の意義」なんか聞いてどうするんだ?

【学歴への固執+職場の高学歴同僚を誹謗】

へぼ担当を観察していて笑いが止まらないのが学歴への異常な執着である。

なるほど。東電にはそんな高学歴のクズがいるのですか。そう言えば私も1人思い当たる節がありましてねぇ。何と同僚の学歴に執着してネットで誹謗を重ねているんですよ。

ゆとり世代が嫌いな様だ(カリキュラムのためであり、当人の責任ではない筈だが)。

 

真面目なコメントに戻ると、東電大卒幹部の体質を知るのに貴重な証言。

私ならそんな職場の話を無闇にネットでしないけど。ま、選民意識の方は有権者も有権者だから仕方ないかもね(笑)。非常勤君は晒し者にされて御愁傷様。

更に、自分自身が、過去指導教官からも学歴偏重を指導されていたことが分かる。

そもそも、「学歴自慢を慎め」などと指導教官に「徹底」される学生は少ないのではないだろうか。何故なら、まともな感覚の持ち主ならそんな小中学生レベルの忠告をする必要が無いからである。私の場合も、東大程目立つ偏差値の大学ではないが、指導された記憶は無い。

既にお察しの方もおられるかと思うが、へぼ担当のtwilogを「学歴」で検索すると非常に多くのツイートがヒットする。当人が学歴を気にしている何よりの証明である。

 

本心では学歴に囚われていることを無意識に告白。東大だろうがIBリーグだろうが学歴マウンティングは恥ずかしいだけ。

その癖の背景を考えてみた。相手も高学歴だと、自分の学歴でマウントは出来ないね。これ以上は書かないが、お仲間や元妻からも自身の学歴自慢を指摘されていることは示しておく。

【「馬鹿は黙ってろ」事件を黙殺し被害者振る】

お仲間の軍事ブロガー(Yahoo記事オーサー)JSFによる「馬鹿は黙ってろ」事件についてコメントするのが先であろう。

【瀬戸内寂聴に対して「クズはクズ」】

 

 

幾ら気に入らなくてもこの時点で様々な所業を重ねているモラハラオヤジが「クズはクズ」とは何の冗談だろうか。しかも、日弁連は謝罪している。

【失敗したものは触れない方が良い】

原子力どころかサンシャイン計画(1980年代の新エネルギー計画。)一つまともに直視できない。

ちなみに天敵は日常的に言及している。次に失敗したくなければこれは普通の姿勢。

 

一事が万事だろうな。

【人脈と情報ルート】

そのNHK記者がTwitterの件を知ったら記事にしてくれるのだろうか。君と同じ姓の人?

恩師達は、Twitterの件を知ってるのだろうか。『混相流』にでも先輩の声投稿したら?学会事故調で熱流動部会長だった片岡勲氏とか、これ知ったらどうなるんだろうね。後、気液二相流がへぼ担当の研究分野だった訳だが、その大家である有富正憲氏も「爆破弁」発言の1人。気液二相流の解析すると何か祟りでもあるのだろうか。

家族を通じた非公式の機微情報ルートとして記録。

「旧知の共産党員」がいる。どうやってお友達になったのだろう。

【民主党代議士を通じてレイシズム批判の足を引っ張る】

また、以下の「旧知の民主党代議士」を通じてロビー活動をしている。一口に旧民主党と言っても、色々な立場の代議士が居る。へぼ担当の立場に最も近いのはゼンセン系労組が推薦する組織内候補。選挙の際は労働組合を回り、街宣は申し訳程度で終わらせる人達である。彼が支援するのがそういう候補かは分からないが、言行を見ているだけでも「ああ、そういうことですか」という感じ。

 

 

レイシストをしばき隊関係者と親密な関係にあった有田議員についても「苦言を呈した」そうです。民主党の動きが時々鈍かった理由が良く分かりますね。当時極右達が暴れていたのは新宿や川崎など大都市であり、現地に住んでもいない者が、彼等を間接的に支援していたことになる。

 

なお、彼の会話の相手であるCol_AYABE、通称アヤベ大佐は、成人式でナチのコスプレをして顰蹙を買ったり、海兵隊の広報の仕事を請け負いながら、共産党が入手した米軍の作戦計画をネット上で赤旗記者にねだって提供して貰ったりと色々な話題に絶えない方です。

事業仕分けを憎んでいるそうです。民社協会かね。今なら国民民主党かな?

【投資目的のフォローは「うっかりインサイダー」防止のため原則×】

へぼ担当のTwitterトップには長年次の文言がある。

 

Hebotanto_20180613top

 

「投資目的のフォローは「うっかりインサイダー」防止のため原則×。」とのこと。

それでは次のツイートを見てみよう。

 

Yahooニュースオーサーで星海社から新書を出しているdragoner氏とへぼ担当は旧知の間柄。立教大は赤っ恥だなぁ。

 

 

 

 

 

先行者自慢をした後に先行者利益について語ったり、投資家としての判断に言及したり。他にも専門従事者としての知識を元に警告してきたり迂闊なことを過去には言っていたようである。そういうのを「インサイダー」っていうんじゃね?見えない所で何の情報交換してるの君たち。

【不祥事への感想】

冷静で中立的と言うより、自覚が無いだけなのではないかと思わせるのが、このタイプの出来事を認識していること。口調が慇懃でありさえすれば事足れりというものではない。

 

まぁ私から見ればこの人はぱよちん久保田の比ではない「逸材」だけどな。俺?いやぁ、とてもじゃないけどこの人には及びませんよ。

 

知事選を目前に、園児に特定の政治家の似顔絵を描かせた保育士の処分。もちろん間違った行為だが、へぼ担当は自分の勤務先を明記していただろうか。他人の不祥事にはコバンザメのように食いつく姿勢はつくづく呆れてしまう。

【守秘義務無視して暴露本執筆中】

まぁどうせ「日本の電力マンは頑張ってるんだ」みたいな叫びを打ち明け話で装飾しただけだろうが。

 

鍵もかかってないTwitterは万人が閲覧出来てるけどな。後、しれっと他人に重責負わすあたりが突き抜けてる。とっても。一つ言っておきたいのは、暴露本てのは、出版してから暴露するもんなんだぞ。天敵のツイート通りのボケをかましてどうする。

ずーっと一覧してきて思ったのだが、真面目にこの人、福島原発事故の原因を作っているのでは。そう思わざるを得ない。

※2019.4.3ココログリニューアルに伴う改行調整、一部修文。

2018年6月 2日 (土)

【世間に謝罪せず】「機微情報」を垂れ流した東電柏崎刈羽原発職員へぼ担当氏【問題発言連発】

前の米山知事が不祥事を起こして辞任したため、新潟県知事選挙が行われている。争点は柏崎刈羽原発の再稼動ということで、与野党の決戦場と位置付けされている。

そこで思い出したことがある。ハンドルネーム、へぼ担当と名乗っている原発業界人のことだ。現在は主にツイッターにhebotantoで登録し、活動している。

彼は、どういう人物かというと、原発業界で仕事をしていて、反原発を嫌ってきた。それにとどまらず、「正しい原発の知識とはどういうものか」を啓蒙するため、ネットで活動していたのである。まぁ、今では珍しくも無い他人の揚げ足を取って喜んでいる「お理工」とか「軍事クラスタ」とかもっと直截に「ネット右翼」と呼ばれるような人である。

苦々しく思っているのは私だけではないようで、311後、何か横柄なツイートを繰り返すたびに突っ込みを受けている。代表的なのは軍事ライター文谷数重氏のブログ「隅田金属日誌」だろう。

この件が心底どうしようもないのは、彼が90年代にある大学の(京都大学は誤りでした)大学院を修了後、東京電力に技術系幹部社員候補として入社し、長年にわたって柏崎刈羽原発で勤務し、原子炉運転の資格を取って運転員としての勤務経験を有し、ボイラ・タービン主任技術者(一言で言えば発電所位しか使い道が無いが難しい資格)を取得した、ある意味王道を行く原子力業界人であること、そして一連の書き込みを会社に一切知られることが無く、或いは職場の黙認の上で行ってきたことだろう。

何も私が興信所の人を雇って調べたことではなく、以前から仄めかしていたことである。

熊取=熊取実験所であり各大学の原子力工学科位しか関わりが無い。

次もその一例。

保有資格も公開(BT=ボイラ・タービン主任技術者)。

 

もっとも、本物のPh.Dからは次のようにコメントされている。下記の事故は、彼の所掌だったのだろうか。

これから述べていく理由から、現在は影響力も低下してきたが、過去、その言動はツイッターの原発推進派を煽り立て、宣伝活動として機能していた。彼は、重電・インフラ系の技術者やマニアの内心まで浸透したネット史上有数のステルスマーケティング師(PA師)でもある。また当人の原子力への執着も信仰と言えるレベルに達していた。一連の言動を見直して思ったが、利益相反という言葉すら生易しいものに思える。

批判者達から「柏崎刈羽君」などと揶揄される中、敢えて直球のブログ記事を書いて来なかったが、今回は、彼の原発問題での言動で公益性の観点から見て致命的と思われる点を挙げることにした。内容を要約すると記事タイトルの通りとなる。

【1】安全神話を宣伝する。

彼がああなってしまった原因は東電にもある。入社前後の頃、東電は会社として次のような活動を推進していた。

今から見ればこれは「忘れられた誓い」のようなものである(関連まとめはこちら)。

 

Toden199607pa

社内報記事を読むと分かるのだが、「知識が無くても自分の言葉で原発を推進しよう」と東電は煽ったのである。へぼ担当以前、ネット時代の初期に柏崎刈羽原発に勤務する職員が私的に「EYEFIE原子力発電所」という宣伝サイトをつくったことがあったが、これも会社としての態度が根幹にあった。

結果、彼はお気に入りの軍事評論家ブログへの出入り、mixiでの情報発信などを経て宣伝活動に勤しみ、311前に次のような安全神話を公言した。

ぶっちゃけたお話し,陸上にある原子力発電所(PWR)の場合,大洪水でも起こらない限り,浸水の恐れは無視できますが(ただし,地震による津波影響など評価して問題ないことは確認済み)

 

軍事板常見問題より

もう一つ挙げよう。

幾ら実務的に細かな知識を喋っても、根本がダメという典型的な例だろう。実際に海水を注入した時点では、全てが後手に回り、大量の未帰還区域を生み出したからである。

原発作業員の問題も彼の前では反原発のタカり行為として無かったことに・・・

原爆被災者も次のように侮辱している。

火の出る玩具や原発を御神体にしている人間が良く言えるものだ。

ただ、ある意味では業界が宣伝用に準備する「偉い人」達と違って、忌憚の無い本音を呟いているとは思うが、それが宣伝と性悪な軍事マニアや自称リアリストの主張をコピーしたものでしかないというのは、驚くべきことである。

なお、Yahooニュースに登録している軍事ブロガーJSFが311の晩に福島第一の状態を危惧する人達へ「馬鹿は黙っていろ」と罵声を吐いたことはネット論壇では知られているが、へぼ担当は長年彼の技術アドバイザー的ポジションにいたことを付記しておく。

【2】311後、7年まともに世間へ謝罪していない

よく、ネットで一度投稿した発言を削除して炎上することがある。しかし、へぼ担当の場合、福島事故の数日後、被災者に「ご高配を」とツイートした程度で、過去の自身の原発推進の言動に一切の責任を取っていない。実際、記事を書く前にtwilogで再確認したが、やはりそういった発言を見つけることは出来なかった。先の「馬鹿は黙ってろ事件」も存在自体を黙殺した。

その一方で、大は原子力政策から小事は日用品の出来栄えに至るまで、あらゆる物事に注文を付け続けた。

一度投稿した情報は是非はともかくとして、消すことは出来る。しかし、謝罪していないのだから、これを捏造することは出来ない。

それどころか、彼が2011年頃まで出入りしていた軍事マニア達のインナーサークル「軍事板常見問題」のmixiコミュニティでは「自分だってすべてを知っている訳ではありません」と言い訳していたのだ。東電本体に技術系幹部になることを期待して雇用された実務家の言う事ではない。なお、へぼ担当はmixiに存在した原子力コミュニティでも中越沖地震の頃は「冷静で中立的な啓蒙活動」をしていたが、311後、同じようなことをしていた日立の原発技術者等と共に、一斉に姿を消した。

311後にへぼ担当の陥った最大の失敗である。

東電の失敗を糊塗するために、彼は同業他社への「擁護」を手掛けるようになったことがわかる(私が関電の原子力部門社員だったら、まず東電社員に謝罪を要求すると思うが、そういう思考から目を逸らさせるのがミソ)。

その割に民主党、朝日新聞への謝罪要求などは目ざとく行っている。

自分は責任を取るつもりはないが、蓮舫(ツイート中のR4=レンフォー)には責任を取れと言う。

もちろん思想偏見に加え、ちゃっかり組織防衛するためである。こんなこと東電社員が書いても逆効果でしかないけどね。

 

 

 

実は、これは批判対象の朝日ばかりでなく東電にも言える。よく謝罪会見などを行うが、賠償金の支払いや法的責任を拒否して訴訟になっている問題と、彼の姿勢は軌を一にする。

東電ではジャーナリストはあしらって口封じするものらしい。2015年になって良く言えるなという感想を持つのと同時に、貴重な証言でもあると思う。本音としてはありふれてるが、思っている当人が表立って書くことではないからだ。

これが例えば池田信夫だったら私はここまでは書かない。彼が如何なる言説を弄そうとも、実務担当者ではないからだ。間接的な責任はあっても直接的な責任は無い。

余りに壮絶だったため、ネット右翼の多い技術者や軍事マニアですら、311以降の姿勢で彼に関しては距離を置くスタンスに変わった者達が続出した程だ。勿論、軍事ブロガーJSFや「軍事板常見問題」管理人の消印所沢のように、庇い建てて口を閉ざしている者もいる。また、彼の知識を目当てに積極的にRTしている推進派の著名人もいる。

へぼ担当は世間に対し、東電原子力社員として、謝罪するべきだろう。ああそうだ、彼が大好きな日本政府の当時の代表にも「この度は当社の事故で御手を煩わせることとなり、大変申し訳ありませんでした。」とでも詫びてはどうかな。

以上のように、彼にとって民主党(政権)、菅直人、鳩山由紀夫などは日頃から憎悪の対象でしかないが、大衆もまた同様である。311直後の数年、エネルギー政策のパブリックコメントを集めた時には下記の通り。

ゴミノイズだそうである。人種・性差別を問うコメントではない筈だが・・・
※最近問題になったが、もしパブコメに「外国人を殺せ」という『ご意見』が1000人から届いたとしたら、人権思想を理解しないゴミノイズと見なされるが、上記は違うということだ。

更に言えば、自身のプロファイルについても原発業界に詳しい人間だけにわかるような仄めかししかしておらず、それでいて原発にはしがみついているのだから、無様だなとしか言いようも無い物である。

【3】パートナーにより素性をバラされてもTwitterは平常進行

なお、上述のように自身を目立たぬようにする労力も、彼が事故後に始めた結婚生活が破たんする過程で、パートナーが告発したことで、無駄となった。

Hebowifetwitterstatus91663045734470(現在は削除済み)
Hebowifetwitterstatus91663141569703(現在は削除済み。)

その後、別居が当事者から宣言されており、その過程の詳細情報も存在したが、ここでは触れない。ただ、告発内容を読む限り、外形的にはかなり問題があると受け取れ、信憑性は高いと考える。また、原発やミリタリーの『お仲間達』は表立っては咎める姿勢を見せなかったことだけ書いておく。

※2019-04-05:なお、根拠だが、「この記事」メール中にある「奥様の~言及」魚拓背景を見るとパートナーからどのように評価されていたかの一端を知ることが出来る。実際にはこの他にも多数の書き込みが存在していた。

この件について当人からは何の説明も無く、それまでと変わらぬ技術談義を平常進行した。

【4】機微情報をツイートする

正直、【1】【2】【3】だけなら、今時のどうしようもないクズ技術者だなという感想しかないのだが、へぼ担当は驚くべき行動に出ていた。

原発業界で社内・セキュリティ上の機密に属する内容を機微情報という。

私は、日本の原発業界に批判的だが、情報公開についてはアメリカに次ぐか部分的にはそれ以上に公開している面もあることを高く評価している。OBやOGでTVタレント的に活動していない人達も積極的に発言しているのは一面の事実である。特に大雑把でよい概要的な情報についてはそうだ。この事をある原子力ウォッチャーに話したところ「アメリカは訴訟社会でNDA(秘密保持契約)が厳密だから無理ですよ」と即答していたのを思い出す。

さて、2010年秋から冬にかけて、へぼ担当は盛んに機微情報の取り扱いについてツイートしていた。要は、「僕ちんは啓蒙活動も活き活きした内情も伝えていくけど、テロリストが喜ぶから出すなと言われてるヤバい情報は出しません」という宣言だ。

しかし、彼はその後、やらかしていた。

311で自尊心をへし折られ、鬱屈していたからかもしれない。

原発がどれだけの航空機衝突に耐えられるか、日本の電力会社も規制庁も、公表はしていない。私も以前ブログで話題にしたが、それは公表している国があり、その情報から個人的に推定した物だ。

80年代は日本の原発もF-1戦闘機を想定して解析をしていたことを仄めかすばかりでなく、F-2の解析はその結果に言及している。なおF-1は国産機であり、他国のデータは流用出来ない。結果を知っているのだから、彼の妄想ではなく、東電の社内情報を参照したものである。「バカは黙ってろ」で悪名を轟かせたJSFを引用しての吐露であるところがどうしようもない。他の東電社員からすれば「バカは黙ってろ」と言いたいところだろう。

さて、東電に裏を取っても彼のアカウントを黙って停止させるだけでお茶を濁されると困るので、日本原電に質問した。へぼ担当はJAPC(日本原電の英称)の研修にも参加した旨、以前ツイートしていたからである。

日本原子力発電
広報ご担当者様

岩見と申します。

最近、同業他社の原発に勤務していると称する方が「航空自衛隊が保有する特定の機種の戦闘機が建屋に衝突した場合の評価は既に行っている。近年F-2戦闘機についても追加評価を行った」という趣旨のコメントをネット上に書き込んでいるのを見かけました。

その種の評価は、御社のサイトでなされているとは聞いたことが無いので、新規性基準に移行してから、また規制制度が変わったのかと一旦は驚いたものです。

念のため、規制庁の審査会合のHPを再度見てみましたが、従来各サイトで行われている通り、建屋近隣に墜落した際に燃料が火災を起こした時の評価に留まっていました。

現状では、そのような情報は下記の様に、JAEA等が研究のため特定のサイトを模擬しない形で行った公開研究しかないと思いますが、その認識で間違いはありませんでしょうか。
http://csed.sakura.ne.jp/wp-content/uploads/2016/09/PL2L04.pdf

2017年10月2日

本件について少し、補足します。

先のツイート事例は某電力会社に勤務する社員ですが、御社グループやその親会社の場合、特定の機種の航空機が建屋に衝突した場合の解析評価は結果をツイートしても御咎めは無い程度の機微情報なのでしょうか。

2017年10月2日 12:45

岩見 様

いつもお問い合わせいただきありがとございます。

「航空自衛隊が保有する特定の機種の戦闘機が建屋に衝突した場合の評価」のお問い合わせについては、核物質防護の観点から評価の有無に関してもお答えは控えさせていただきます。

ご了承願います。

日本原子力発電株式会社
地域共生・広報室

2017年11月2日 12:28

2017年秋当時、航空技術者の平岡公夫氏は、出しても良いのに秘密されているスペックについて疑問をツイートしていた。そういう考え方はあると思う。個人的に機微情報が表に出されても仕方ないと思われる事例は、例えば談合・データの書き換え・内部での問題提起の握り潰しなどの不正行為であるとか、青山繫晴のように、今更表に出回っている情報を重大な機密呼ばわりする間抜けな行為などであろう。

では、今回のへぼ担当の行為はそれらに当て嵌まるだろうかと言えば、当て嵌まらない。ただの知識自慢に過ぎない。

業界ではこういう人物はインサイダーと言い、主に入社後原発へのスタンスを変更した人物が想定されているようだが、実際にはうっかり日米会談の機密を喋った元防衛大臣のように、推進者が自滅するパターンを良く見かける。ある意味では、火を付けて存在意義をアピールする消防署員や点数稼ぎに犯罪をでっち上げてばれる警察官と似たようなものだ。竜田一人の『イチエフ』でも「うっかりマンガに商業機密を描かれると困る」と苦情があったそうだが、これも類似パターンであろう。モリカケの役人もそうだ。

【5】 「TLでは流せない話」をするため上京を計画し、311直後に実行する。

へぼ担当の場合、以前から守秘義務違反の兆候はあったようだ。

まず、一つ言えることは、彼ほど日頃から技術の詳細をツイートする人物に取って、「TLでは話せない情報」など無意味な定義に過ぎないということである。大抵のことは話しまくっているのだから、顔を突き合わせたところで、それ以上の秘匿性の高い話が許される訳では無い。従って、「TLでは流せない話=守秘義務のかかっている話」しか残っていないと判断出来る。

※TL:タイムライン。ここではツイッター用語でツイートによる会話全体を指す。要するに表立って話せること=TLに放流出来る話である。

311は金曜日だったので、ツイートの翌週に開催を計画していたとしても中止になったはずである。もし311が無ければ、この時点で小泉悠、石川潤一等に機微情報が流出した可能性もある。また、へぼ担当と軍事クラスタ系ライターの特徴から、メールなどのルートも疑わざるを得ない。

実際、311でいったん計画は中断したものの、11年6月には「秘密会合」が実現している。

「秘密会合」と呟く愚かさはともかく(『遥かなる星』へのオマージュ?)、上記のツイートから都内での宿泊場所に戻るまで半日かかっている。貸会議室でも使えば大抵のことが出来る。

へぼ担当は「情報はギブアンドテイク」との信条がある。この面子であれば、交換した情報は原発事故対応を土産話に、ロシア関連の軍事情勢、核査察ネタだろうか。もう1人原子力関係者が参加しており、さぞ盛り上がったことだろう。

この方の区分けで行けば、ネット上でミリタリーマニアや科学オタクが集まって形成された軍事クラスタは、全て趣味の対象にしているし、日常的な言行がすでにそれである。秘密会合も正に(3)そのものだろう。

技術談義の中心にいたので、ネット上の付き合いも似たような人物が多い。311の時英語で安全神話を垂れ流したf_Zebra、へぼ担当と同じく業界人の森雪、Shimpei、電気新聞で紹介された原子力魔法少女今井智大、軍事マニア繋がりでヤフーニュースオーサーのJSF、dragoner、憑かれた隠棲等である。上記の会話もそうだが、第3者からは読めないDMやメールで何の情報を渡していたのかは分からない。彼らと交友関係を持つ事にはリスクがあるので、近づこうとは思わなかった。

仮に私がへぼ担当と同じ立場・思想でネット活動をしていたら、さほど重要でもない「内部情報」を餌に彼等を釣り上げ、会社の目から見て来歴のはっきりしないオタクの個人情報を収集した上、会社の意に反する態度を示した時点で、これまで与えた情報の重さを強調するなど、DMで恫喝となだめを繰り返してコントロール下に置く、だろうか。まぁ、dragonerの方も本名を知っていれば別の意味で機微情報を取得したことにはなるが。

自衛隊に勤務している彼の弟についても、同様である。2010年の時点でへぼ担当に宿営地周辺の戦闘について情報を与えており、その結果のツイートであろう。何せ「実体験」と堂々と書いている。思えばこれは、日報問題の機微情報垂れ流しも同然であった(弟は弟で、日報の隠蔽にも加担していても不思議ではない)。

上記のように「部下を生きて返す」というツイートを彼は繰り返しているのを見ても当時の心情がよく分かる。意地の悪い読みをすれば、武人の家系である彼の一族は旧軍スタイルそのままに「部下以外の命は保証の限りではない」のだろう(戦争中期以降は味方も大量に見殺しにしたが)。一般論として、自己の功名心に向き合うこともせず、命に関して奇妙な結束を示す人間が国家に寄生すると、戦地で問題を引き起こす遠因になりそうだ(米国でヒットした『ローン・サバイバー』という映画は、正にこうした問題の実話がベース)。

そして弟は、バーターとして核関連の機微情報、それも幕僚監部辺りからの照会では定形文で返答されるような「内情」「特定の政策要求を通すためのキーマンに関する情報」などを入手していても全く不思議はない、と解することが出来る。マスコミ嫌い、人脈好きの真意もそこにあるように思える。また、うっかり踏み込んだ内情を暴露ということもあるだろう。

今思えば、こういった連中が、日本人による原潜・核保有を問題提起した『沈黙の艦隊』にリアリティを付与するかのような議論をしていたのは、危険な兆候である。

一時期、私のことを彼との直接的な関係が無いのに批判していると「軍事板常見問題」管理人の消印所沢などが問題視していたが、無意味な機微情報の共有なら御免蒙るといったところだ。そういう話は映画や小説の中だけで御腹一杯だからである。

表面的には場の空気を支配したくて溜まらない「冷静で中立的な人物」の書き込みだが、元海保職員の右翼、sengoku38氏とおなじですよね、この人がやろうとしていること。

実は東電の社員はKEDOに出向している。従って内輪向けの技報などにレポートが載れば彼の立場では読めるし、場合によっては直接会話も交わせるだろう。

以前、そういうポジションをいいことに、ある大学の化学研究者で原子力ウォッチャーをしていた人(当時は推進派であった)に、核実験や査察の技術詳細で「原発専門誌に書いてある情報をチェックしている程度で調子に乗るな」的な暴言を吐いていた。専門誌にも載っていないのなら、どうやって同じ土俵で議論するのかは示そうとしなかった。表に出せない内部情報を笠に着た最低の態度であると同時に、何か東電に不都合な失態でもあったのかという疑念も沸く。

【最後に】

技術的には色々と細かい話は出来るだろうし、私も普段のブログはそう言った内容である。しかし、原発を実際に動かす人間の本性についても目を向けてから、再稼動の是非を決めることも、大切ではないだろうか。

私は、彼のような人物を放任してきた東京電力の姿を見て、一層信用が出来なくなった。現在は、休職中とのことで、そういう人物を復職させて原子炉の運転に就けるのは制度上は可能だが、明らかに抜け穴だろう。彼は自信家の割には抜けが見られ、自分の失敗には向き合おうとせず、そのエゴイズムのために心身不調となった。「車の運転に向いてない人」というのはいるものだが、彼は「原子炉の運転に全く向いてない人」だと思う。

肝心な事故対応時に重要なスイッチを押し忘れ、しかも嘘で塗り固める位のことは残念だが想定せざるを得ない。さらに言ってしまえば車ならまだしも相手は原子炉。ストレンジ博士的なリスクも考慮しなければならない。

それをやって滅ぶのは柏崎市のそれも金亡者達だけにして欲しいと思っている。また、彼のような極右的偏見は既に社会病理のレベルに達しているとも言われる。彼以外にも、本音が金目であるとか、何時まで経っても上から目線が抜けないなどの原発所員は(2011年の豚骨ベース事件などからも)地元で働いていれば勘付くものだろうし、その行き着く先も想像がつくというものだ。

※2018年6月7日、KEDO、中東派遣関連で追記。

※2018年7月1日、秘密会合を証明するツイートが見つかったので、【4】の後半を【5】に分割。

※2019年4月3~5日:牧田寛氏の指摘を参考に【3】を修文、タイトル変更。

2018年2月28日 (水)

筋の悪い運動論-くたびれはてこが正しくC4Dbeginnerは誤りである

以前、「筋の悪い運動論」という記事を書いた。

今回は、女性専用車両を巡ってより反響の大きかったフェミニストくたびれはてこ氏とアイドル・映画・時事評論を呟くC4Dbeginner氏(以下CDB氏)の論争を取り上げる。

先方は当方のような零細ブログなど知らないだろうと思うが、311を機に自民党的なものと袂を分かってから、御二人の言論は是々非々のスタンスから、以前より注目していた。

【顛末】

「何のことだろう?」といぶかしむ向きに説明すると、2月25日の日曜日、ドクター差別こと兼松信之率いる女性専用車反対運動家達が、渋谷の駅前で演説をしようとしたところ、カウンター数十人に囲まれ、最後は仲裁に当たった警察官の説諭「私は(女性専用車賛成派の方が)正しいと思う」という言葉に反論出来ずに、退散したという出来事があった。これを巡っての論争である。

まず、兼松一味だが、2月25日に先立つ平日朝、「運動」と称して朝ラッシュ時の千代田線を15分止める騒動を起こした。既に過去の行状から、チャンネル桜の支援を受けてシンポジウムに参加していたり、中韓への差別発言を行うネット右翼であることも判明している。なお、彼等の賛同者には、性的な欲望を満たすために女性専用車に乗車すると宣言した者もいる。

彼は非常に論争が好きなようだが、単なる時間稼ぎの消耗戦狙いである。社虫太郎氏が言うように、ネット上で論争を仕掛けてきても、聞く耳を持たない方が良いだろう。

【論争】

さて、CDB氏は上記のような警官の行為を許すべきではないとの主張をした。

以下、くたびれはてこ氏の指摘から抜粋する。

多少長くなったが主要な部分を引用した。

【CDBは間違っており、くたびれはてこが正しい】

ところで、私は男性なのだが、過去、性犯罪トラブルに遭遇したことが何回かある。その経験から言うと、これは彼女が正しいと思う(既に北守氏なども指摘しているが)。くたびれはてこ氏は以前別の話題では批判したこともあるが、是々非々ということである。

まず、「極右デモの警官や辺野古の警官は悪い警官で、今日、女性専用車両反対デモに解散を命じた警官はたまたま人間的に良い警官だったと本気で思ってるんですか。」だが、これは論理のすり替えとして処理しなければならない。

警察という組織にも期待されるべき役割がある。リベラル左翼の場合、警察に期待するのは一言で言えば社会的強者の手先ではなく、弱者の味方である。だから、権力者の私兵として振る舞っている辺野古や公式に口にしたくない国家主義を代弁する極右デモの積極的護衛は(それが裁量の範囲内であっても)批判する。兼松一味は男性差別なる概念を濫用して自己を弱者だと偽っているが、実際の弱者は圧倒的に痴漢の被害に遭う頻度が高い女性であり、冤罪を差し引いてもなお膨大な数が残る。だから警察の説諭が支持される。それだけの話だ。

ついでに言えば、CDB氏は兼松と同じ立場で物を眺めてしまっていることに気付いていない。記事冒頭のツイートはそれを喝破しているのである。

勿論警官個人にもある種の職業倫理は当然要求されるし、警官によって判断にばらつきが出る事例は幾らでもある。今回の事例が「運良く当たりの警官だった」ことも紛れも無い事実だろう。

【政治運動ではなく不良が暴れてるだけ】

もう一つ指摘したいことがある。CDB氏等は政治的トロッコ問題と捉えようとしているが、これはそもそも、そういう事案と当の警官も含めて認識しているのか、ということだ。万引きとか、不良が暴れているとか、生活安全課の事案というか、精々ヘイトスピーチ対策法・条例の範疇じゃないのと。理論付けて「世の中何でも繋がっている」とドミノ理論で正当化する姿はどの政治勢力にも見られることだが、そこまで言う程の案件であるか疑問。

説諭は、兼松等が無視してきた駅員がやってきたものと同様「お願い」スタイルに過ぎなかったと思われる。もちろん拒否すれば、公権力の行使に移行することは容易に予想できるが、よく言われる「民主的で進歩的な」欧米の警察でも同じような結果になったのではないだろうか。

【ヒトより動物に近い】

くたびれはてこ氏は「なんでああいう人ってあそこまで男性に弱いのか不思議なくらい。とにかく男が対応すると態度がガラッと変わる。男性はどのくらいあの激変ぶりを知っているのだろうか。」という。

彼等が動物的本能で生きている証拠である。卑屈な下等生物と言って良い。人間界にいたければ檻の中が似合いという事だ。

【「普通の日本人」は躊躇なく警察を利用する】

ところで、何故この問題は右傾化した日本のネット社会でも兼松への批判の声がおおきいのだろうか。

それは、性差別につながる問題は、原発・辺野古・薬害などと違って、地域的・社会集団の偏在性が皆無に近いからである。ありふれているので、本邦のうすのろ呼ばわりされても仕方のない「臣民」「普通の日本人」にとっても、身近な問題として考えざるを得ない。

また、この手の問題は日常あまり目立たない「右派だがフェミニズム的な思考も持つ女性」にとっては実にバカバカしいことだろうとも思う。

性犯罪の危険に遭った時、「怖くてパニックになる」「通報は出来るが時間を取られたくない」といった理由は思想の左右の別なくあるので、それをなじって「通報しないお前が悪い」という批判は確かに不当だろう。だが、いわゆる右寄りだったり無自覚な「普通の日本人」に類する女性の場合、「警察は国家権力だから」という理由はまずありえない。そういう意味では、彼女等は警察の利用に躊躇が無い。

仮にCDB氏が我慢を要求している脇で、女性が警察を呼んだらどうなるか。筋の悪い運動家や評論家達が最初に危惧していたよりもっと悪い結末-兼松撃退という美味しい成果が警察のものとなり、彼等は「リベラル左翼のミソジニスト」として無能扱いされる結末が待っている。

【有用な社会資産を一つでも残す方が良い】

今回の件で次のようなことも感じている。自分の中ではそれほど重要な位置を占めてはいないのだが、反安倍支持層の今後を考えても、さほどのデメリットにはならないだろうということ。

反安倍勢力が再び政権を奪回する可能性はあるし、野党支持層はそれを実現するように様々な努力もするとは思う。だが、一部のリベラル左翼人士が予想するように、今後延々と右翼政治が続き、日本の凋落・貧困化・格差社会化が進むだけという未来も当然考えておかなければならない。

そういう状況では、100点満点の理想論だけに拘りを持っても、今回のようなトロッコ問題を生むだけだろう。そうであるならば、兼松一味のようなミソジニーの権化を警察に放逐させた方がまだましである。

そもそも、警察不信論の欠陥の一つは、それが如何に正当な事実であっても、批判派が国家が独占する暴力に代わる手段を提供できないことにある。各地で自警団を組織したとしても、その能力は殆ど期待できない。勿論、一部の国家のように民兵を一般化するような形で国家以外が暴力を万遍なく持つ状況が出来したら、その害悪は大変なものになるだろう。警察力の問題は、止めることが出来る原発と違って根深いとも言える。

まぁ、渋谷駅は元々鉄道警察が痴漢対応の拠点にしているから、当該警官のジェンダー教育も行き届いていたのかも知れないが、個別の警官のジェンダー差別理解度に係わらず、組織としての警察は、「性犯罪撲滅」をPR出来るチャンスは逃がさない。政治も同様で、かつての治安維持法と普通選挙権のセットの時のように、市民の自由を縛る法案と対になる形で「より男女同権的な」性犯罪処罰法案、女性専用車の法的根拠等を付与する政策も行われるかも知れない。実際、2017年に成立した強姦罪の非親告化はそういった飴のひとつだったと思う。

それでも、乗らざるを得ない飴はある。意固地に筋の悪い原理論を主張して、無自覚なミソジニーを晒すのは避けなければならない。だから、他山の石としてCDB氏の主張は否定する。

【おまけ 鉄道業界は何故兼松と痴漢を放置するのか】

女性専用車両問題で前から不思議に思っていることがある。痴漢被害の大きさゆえに、推進者は男性を含めて大衆レベルではかなりの層厚がある。それにも関わらず、何故、鉄道業界は法制化運動や専用車設定以上の対応策に消極的だったのか。この点はもう少し鉄道経営や社会学的知見を混ぜて分析した方が良いと思う。彼等の消極性も、ユーチューバーとして兼松の仲間が金儲けするところまで問題を悪化させた原因だと思われるからだ。

有力な理由は、彼等の政治的出自が所詮は「普通の日本人」たる保守系右翼であることだ。

JR各社はその歴史的経緯から、社会党の系譜に繋がる勢力が弱体化した。特にJR連合は、元を辿れば鉄労に行きつく。鉄労とは兼松が働いていた民社党の支持母体だ。メンタリティ的なルーツからは、お里が知れると言うことである。

各地の大手私鉄は地場資本による小規模財閥と考えて差し支えない。精力絶倫の噂が絶えなかった西武の堤を始め、伝統的な経営層は雲の上の金持ちである。本当の庶民感覚など持ちえる筈も無い。

各社の総合職の社員も経営層と似たようなものだ。個別事例だが、JR東日本の総合職社員で田嶋陽子の思想を憎悪している者を1人知っている。現業員たちも、ネット上の書き込みを観察する限り、内心でミソジニーを拗らせている者は昔から散見する。甚だしい事例の場合、鉄道会社だけが被害者であるような態度を示し、被害女性やカウンター(的な人士)を目の敵にする者さえいる。勿論、好ましい状況ではない。

シンクタンクも碌な研究をしていない。

例えば運輸政策研究機構。混雑問題は昔から扱い、優れた分析力を持つ。過去実績として防災・バリアフリー・ICT関連もあり、最も近いテーマとして2002年に「公共交通における犯罪等緊急時の対応方策に関する調査」を行っている。それにもかかわらず、日本財団をバックにし、過去の国鉄労使対決の名残もあって、過去、「アカ」とみなされる要素を持つ人士は採用の場から排除されていたと聞く。そういうことをしていると右翼的な人間と運輸業各社から転籍した学歴エリートだけが残る。昔の話だが、私がこの団体のある研究を見つけ、引用しても良いか照会した時、応対したベテラン職員は「内輪でやっていたいから」と「拒否のお願い」をしてきた。専用車や痴漢を巡る統計調査・および調査結果の開示が不十分な理由の一つは、彼等の内向きでミソジニー的性根ではないか?、と思わざるを得ない。

鉄道総研も同罪である。ここ数年鉄道各社が通勤電車に導入を検討しているような、客室内監視カメラは研究していない。調査しても見つかるのは民間企業の自主的な研究(製品PR)に留まる。カメラ以外に痴漢を抑止する効果のある研究も見ない。そんな人達が時の新車落成時に車内のアメニティ向上を幾らPRしても、長年観察している私の目から見ると空しさを感じることがある。

一般財団法人交通経済研究所(旧運輸調査局)は、上記2団体よりはマシで、産業労働者、平たく言えば現業員としての女性職員については『運輸と経済』で度々取り上げている。しかし、その他の女性に対する視点は消費者行動の分析であり、車内犯罪の蔓延に対して経済や労働からの分析も碌に見かけない。

公開された有用な調査は大抵が大学・学術団体か運輸系以外のシンクタンク・大手メディアの物が多い。この手の議論は「男性専用車を作れ」「監視カメラとDNA鑑定で全て解決」「輸送力増強の複々線化をせよ」などの10年一日の一過性のたわごとで済まされることが多く、そういう木で鼻をくくったような「提言」を好んで行うのは一般男性層に目立つ。しかし、彼等が本来するべきことは、まともな調査研究資料を集めて、分かっていること、分かっていないこと、簡単にできること、出来ないことの区分けから始めることだろう。なお、そういった他者の地道な営為を憎むのも、兼松賛同者の特徴である。

以上、鉄道業界を構成する幾つかの要素に内在する問題点を挙げた。近年は私自身が原発研究に傾斜しているので見逃している成果もあるかも知れないが、基本的には余り変わっていないように思える。

そうであっても、一つ一つ解決はしていかなければならないのは事実だろう。今思いつく一つの参考例になるのは名鉄の労使が対決した「特定旅客」と呼ばれる迷惑カメラマンへの対抗措置だろう。兼松一味はその適用対象としてよいと考える。

2017年8月27日 (日)

【お理工軍クラは】ドイツの3分の2の壁厚しかない日本のPWR原発に「戦闘機が当たっても大丈夫」と断言する人達【黙ってろ】

あの晩「馬鹿は黙ってろ」という暴言を吐いて自爆したお騒がせ軍事ブロガーJSFがまた、原発のことでいい加減なツイートをしている。

もう大分話は進んでしまっているので今更だが、発端となった下記の発言はあやふやな認識が行き渡っているので、はっきりさせておきたい。その方が、原発の安全性について建設的な議論が出来るからである。

なお、その他の観点からの反論・分析については下記のコロラド氏のツイートを参照されたい(情報提供では私も協力した)。

日本の原発の航空機突入対策とミサイル攻撃について - Togetter

「原発の建屋は戦闘機を突入させても大丈夫」、3.11以降推進派を中心として広まったこの認識は、下記の米サンディア国立研究所で撮影された実験動画が元となっている。

原子力発電所の壁にF4戦闘機が突撃するムービー」2006年10月04日 14時37分16秒

しかし、どのような原発でもこの実験結果が適用できるわけではない。というより、全く適用出来る原発は無い。

後日、コロラド氏と議論していて気付いたが、この実験は衝撃力のデータをとるために壁厚を実際のサイトではありえない厚さ(3.66m)にした上でダンパーを付けているので、原発の安全性に対する安全性の証明には全くなっていないし、当該の機体は爆装もしていない(実験の背景については次の論文でおさらいされている。坪田張二「3)航空機衝突に対する原子力発電所施設の耐衝撃設計」日本原子力学会 2016年秋の大会)。

まず、コロラド氏が指摘しているように、日本の原子力発電所は航空機が衝突した場合の耐性を仕様化せず3.11を迎えた(社内的に規定しているかも知れないが公表されることは無かった)。従って、戦闘機を突入させても大丈夫かどうかは分からない、というのが正確な回答である。

また、後で見ていくが、建設された年代と国の考え方によって壁厚は異なっている。

にもかかわらず、何故漠然とした安心感が広まっているかと言えば、原発建屋(格納容器)の壁厚は1m以上という宣伝が意識の底にあったからだろう。「日本では実験していないとしても、壁厚が1mもあれば戦闘機がぶつかった位で壊れる訳ないだろ」、という素人的直感である。

業界人は安全神話を広めるために噂を放置し、或いは自らも信じ込んだ。なお、日本の場合も1970年代の時点でタービンミサイル対策仕様書は準備している(「BWR原子炉系配管の安全設計実務」『配管技術』1979年2月号)ので、外部からの飛来物と一くくりに考えて安心感を抱いていた業界人もいるだろう。なお、タービンミサイルとは、蒸気タービンが高速回転中に破損した場合、高速で飛び散った破片を指すテクニカルタームで、兵器としてのミサイルを指す言葉ではない。

この直感は半分正しく、半分間違っている。物体の衝突で最も重要と目されるのは質量と速度だが、セスナや練習機のような小型機が低速で衝突する場合から、300tを超える重いワイドボディ機がフルスピードで衝突する場合まで、様々なケースが想定出来るからだ。

前置きはこの位にして、日本では公開されなかった航空機の突入仕様も、海外では公開している事例がある。中でも注目されるのは旧西ドイツだ。統一後、東ドイツの原発は危険性を理由に軒並み廃止され西ドイツの原発だけが残ったが、2001年(恐らく9.11の後)グリーンピースが同国全サイトの航空機衝突について検討した際、その壁厚を一覧化している(下記論文P4~P5)。

Gp_ev_22745_hamburg2001pp4_2

Dr. Helmut Hirsch“Danger to German nuclear power plants from crashes by passenger aircraft“Greenpeace e.V. 22745 Hamburg(2001)pp4

グリーンピースだからと頭から否定するネット右翼もいるだろうが、この部分はドイツの規制内容を説明しているにすぎず、内容はドイツ原発について推進派が書いたものや学術文献とも整合している(文中に掲示するのは煩雑なのでリンクに留めるが例えば:TOUR OF SELECTED SPENT FUEL STORAGE-RELATED INSTALLATIONS IN GERMANY(2006)(リンク) )。

ドイツの原発は構造上3世代に分かれる。

第1世代は壁厚2フィート(約0.6m)。10トンのスポーツ機(軽飛行機)が時速185マイル(296㎞)で衝突する条件としている。

第2世代は壁厚3.5フィート(約1.05m)。F-104戦闘機を想定し10トンの機体が時速400マイル(640㎞)で衝突する条件としている。

第3世代は1981年に新しく強化された規制に従い、F-4戦闘機を想定し20トンの機体が時速480マイル(768㎞)で衝突する条件としている。コロラド氏が良く指摘する米NUREG/CR-5042(1987年)の6年も前のことだ。なお、グリーンピースの論文には書かれていないが、壁厚は約2m、KWU社製の加圧水型炉K-PWR(Konvoi)の場合、1.8mとなっている。Youtubeにアップされた動画が時速800㎞で試験をしているのは、この規制を意識した条件設定なのだろう。

Nuclear_enginieering_and_design_198
出典:NUCLEAR ENGINIEERING AND DESIGN 1987 VOL103 No.1 pp23

なお、2001年時点でドイツには18基の原発があったが、その内第3世代は9基に過ぎない(内、konvoiは3基)。西ドイツは第3次大戦の想定戦場であり、また、西ドイツ空軍は900機以上のF-104を導入したが、300機近くを事故で喪失し、不慮の墜落の頻度が高かったという事情がある。このことが「落ちても滅多に当たらない」という確率論に頼ることを止め、原発に落ちた場合を想定する決定論に基づいた対策にシフトした理由だと思われる。しかし、その西ドイツと言えども、大型戦闘機の範疇に属するF-4の衝突に耐えられる原発は限られた割合しかなかったのだ。

世界を見渡しても、壁厚1.8mの格納容器に原子炉システムの主要機能を入れた原発はKonvoiのような一部しか見当たらない。

WikipediaのF-4記事の仕様欄は比較的しっかりしているようなので、そこから引用するが、空虚重量が約13t、運用時重量が約18t、最大離陸重量が約28tであるという。従って、20tという仕様はフルに爆装、燃料満載の状態には当てはまらないが、何も積んでいない空の状態という訳でもなさそうではある。どの重量を用いるのが適切かは、ブースカ氏のような航空専門家のコメントも参考にした方が良いだろう。

なお、JSFが論争を仕掛けた渡辺輝人弁護士は大飯原発訴訟の原告側弁護士を務めているそうだが、日本のPWRの完成形と言って良い大飯原発3・4号機の壁厚は過去に技術論文で紹介されており、胴部が1.3m、ドーム部が1.1~1.3mである。従って、西ドイツの第2世代と同レベル。壁厚はF-104戦闘機対応「相当」に過ぎない。

Concrete_kougaku199102p32
出典:「大飯原子力発電所3・4号機PCCVにおけるコンクリート工事」『コンクリート工学』1991年2月号

冒頭でも述べたように日本の原発の航空機衝突仕様は公開されていないが、壁厚は判明しているので推定は容易である。一方、1980年代以降の航空自衛隊はF-4やF-15といった大型戦闘機を主力としており、1980年代以降に建設された原発にF-104の機体規模(最大離陸重量13t)を想定することは適切とは言えない。航空自衛隊でもF-104は導入されたが1986年に実戦部隊からは退役している。航空自衛隊には同レベルの規模の戦闘機として三菱F-1が80機弱あったが、これも2006年に退役済み。現在F-4以外で日本の上空を飛行する主な戦闘機は次のようになる(暫定的に最大離陸重量で比較)。
  • F15-J:最大離陸重量30t
  • F-2:最大離陸重量22t
  • F-35A:最大離陸重量32t(導入中)
  • F/A-18E/F:最大離陸重量30t(米海軍)
軽量戦闘機に属する機体を前提とするのは詐欺と言って良いと分かるだろう。しかし、JSFのような軍事マニア達は「戦闘機にも耐えられる」「F-4が衝突しても耐えられる」と軽口を吹聴してきた。大した航空評論家振りだ。

種明かしをしてしまえば簡単な話である。それなのに本当の話が何故広まっていないかというと、日本の原発宣伝では、壁厚は曖昧に表現されることが殆どだったからである。試みにATOMICAの軽水炉の解説を読んでみても、正確な数値は出てこない。こういう姿勢が、日本の原発リテラシーを貧困なものとし、原発事故の遠因に繋がっている。

(以下はおまけ。)

【補論1】圧縮強度
konvoiと大飯3・4に関してはコンクリート強度の値も入手している。konvoiについては技術者による視察報告のため「強度」としか書かれていないが、通常、強度とのみ述べる場合は圧縮強度を指すそうだ(コンクリートの強度 白鳥生コン株式会社)。

大飯3・4の圧縮強度は450kgf/cm^2(『コンクリート工学』1991年2月号)に対しkonvoiの一つGKN-2号機は350kgf/cm^2である(「第9回電力土木技術調査団報告」『第29回電力土木講習会テキスト』1987年2月)P71)。大飯3・4の方が3割ほど圧縮強度が高い。

さて、1960年代末より米独では、軍事上或いは原子力安全の観点から、飛来物に対する建築の耐久性の研究が早くから進展した。これらの研究成果は国内外の文献で公開されているため、日本の建設業界関係者なども知ることは可能であり、実用する機会も存在した。例えば、自衛隊・在日米軍の発注する土木施設や、原子炉建屋設計をべクテルのような海外のゼネコンと共同で実施する場合などである。

こういった研究の過程で、飛来物によるコンクリート板の貫通深さ評価式、貫通限界板厚評価式が種々提案された。その一覧を読むと、圧縮強度はファクターに入っているものの、平方根の形を取っていたり(修正NDRC式)、そもそもファクターに入っていないなど、余り大きな影響は与えないような印象を受ける(例:「衝撃荷重を受ける鉄筋コンクリート板の局所挙動に関する実験的研究」『FAPIG』1990年3月号)。

よって、圧縮強度については簡単のため無視している。

【補論2】航空機突入仕様を明示出来なくなった背景は、JK-PWRの挫折か

国内外の原子力プラントの壁厚を比較したがらないのは、幾つかの理由が考えられる。K-PWRについては、1981年秋から東電がJK-PWRとして導入を正式検討しフィジビリティスタディまで実施したものの、導入を中止したからだと思われる。

東電が非公式の形でK-PWRに関心を示すようになったのは1970年代後半のことで、日経や業界紙がその動向をストレートニュースやKWU社の日本駐在員へのインタビューで報じていた。

一方1970年代から80年代初頭にかけて、日本の原子力業界は航空機衝突問題に対しても取り組みを始めていた。最初期の成果として1975年に原子力安全研究協会が『原子力発電所に関する航空機事故の確率評価について』をまとめていた。その後、より直接的なテーマを与えられた文献として、学者やコンサルタントなどに依頼された『原子力構造物への航空機及び飛来物衝突問題の研究』『原子力施設並びにコンクリート壁に対する航空機ミサイル衝撃の解析』が1979年頃に相次いで刊行された。その他、航空業界では航空振興財団がICAO文書『航空機事故技術調査マニュアル』を刊行していたが、1980年代に入ると原子力業界でも参考のため買い入れる動きがあった。

この時点での遅れは欧米に比べてまだ数年程度だったと思われる。NUREG/CR-5042(1987年)の元となったと思われる論文が1972年に出ているためだ(“PROBABILISTIC ASSESSMENT OF AIRCRAFT HAZARD FOR NUCLEAR POWER PLANTS”, NUCLEAR ENGINEERING & DESIGN 1972 No2: 333-364)。

1981年になると、先述のように西ドイツが航空機衝突の規制を強化し、その背景には冷戦があった。欧州はその最も重要な正面だったが、極東も(一応)ホットスポットと見なされていたので、日本の原子力業界が関心を持つのは当たり前だった。

従って、1980年代初頭時点で、資金のメドさえクリアすれば西ドイツ並みの対応で仕様を策定するだけの素地は持っていた。もし実施されていれば、3.11前から設置許可申請書にも記載済みだっただろう。

少し、後についてのことも述べておく。

電力中央研究所で「飛来物の衝突に対するコンクリート構造物の耐衝撃設計手法」の研究が始められたのは1982年のことで、その終了・報告は1991年である。また、冒頭に掲げた、用途廃棄となったF-4戦闘機を用いて衝突実験が行われたのは1980年代末のことで、日本の武藤研究室の提案で米サンディア国立研究所で行われた。なお、武藤研究室とは、福島第一1号機建設時、BWR建屋の耐震解析などで活動していた鹿島建設の研究室であり、同社の社報や記念誌、1970年代のNUCLEAR ENGINEERING & DESIGN誌にその名を見出すことが出来る(これらの他、警察・自衛隊なども何か研究はしていたのだろうが、先行研究を当たっても触れた物は無かった)。

朝日新聞が2011年に報じた、外務省による同趣旨の研究はオシラクの影響を受けてか航空機衝突は含まれていないが、1984年のことだ(「原発への攻撃、極秘に被害予測」『朝日新聞』2011年7月31日)。

しかし、ホットスポットと自認する者が多かった割に、日本の原発は耐震以外は単なる米本国仕様のコピーとして導入が進められた。航空機衝突で日本が採用したのは、米国風味のパッチワーク規制だった。飛行場に極端に近いサイトだけ仕様を明記。1980年代後半以降計画の本格化した、六ヶ所の再処理施設にのみ適用された。しかし、速度は時速540㎞に抑制され、訴訟でも批判の的となっている(「準備書面(123) 核燃料サイクル施設に係る新規制基準骨子案に対する疑問と批判」2013年9月6日P6)。西ドイツのようにどのような場所でも実施を要求する考え方とは異なっている。

同じ極東に位置し、本当のホットスポットであった台湾、韓国が航空機衝突についてどのように検討していたのかは分からない。両国との原子力交流は原産を通じて活発だったこともあり(業界外のネット右翼は受け入れたくないだろうが、紛れも無い事実)、電事連などが情報を手に入れようと思えば容易に入手できた筈である。

一方、そもそも何故JK-PWRの導入検討が浮上したのかと言うと、当時は1970年代中盤の初期プラント低稼働率問題の影響を引きずり、「本当に米国軽水炉で良かったのか」という炉形論議が再燃していた一方、更なる建設コストの削減も求められていたからである。

そのような状況で、F-4の衝突に耐えるJK-PWRを導入したらどうなるだろうか。

まず、WH製PWRを導入済みの他社と仕様の整合が取れなくなる(横並びが崩れる)。また、コストアップの要因にもなるので、経営面からは航空機衝突仕様の明記は積極的になれなかった筈だ。

一方で、WH製PWR並に壁厚を薄くすると「反対派を刺激し」説明に苦慮することが容易に想定出来る(勿論、苦慮する方が悪いのであって、そのような倒錯思考自体が批判されなければならないのだが)。1970年代後半、航空自衛隊の主力戦闘機は西ドイツ同様にF-4であり、更に重量の大きなF-15の導入も1976年に決定していた。このような状況下、K-PWRの衝突仕様をスペックダウンして導入することはあり得ない。社会的合意が得られない。

田原総一朗が推進派的ポジションに鞍替えして『生存への契約』を著したのは1981年のことで、その中で業界関係者にインタビューしている。内容は、国費による強力な助成で成功した西ドイツの賞賛。しかし、裏を返せば「金は出さずに規制だけを強化することは認めないよ」というメッセージが込められていたのかも知れない。

K-PWRのフィジビリティスタディは商業機密による縛りもあるため、公開された技術論文は未見である。しかし公開されない理由として、衝突仕様の問題も一因として働いたのでは無いだろうか。一旦日本語論文として社外にPRしてしまうと、当時計画中だった他のサイトまで問題が波及するからである。しかも、柴野徹夫『原発のある風景』や四電窪川原発反対運動の顛末を見れば分かるように、各社では70年代以前とは比較にならない立地難にも直面しており、これ以上面倒の種を抱える余裕は無かった。

勿論、航空機衝突に正面から取り組んだ原発を建設した方が、安全の面ではプラスである。しかし、JK-PWRを、安価がセールスポイントだったABWRの当て馬として使い捨てた時に、日本の原子力産業が航空機衝突への考え方を実機に反映する機会は決定的に失われたのである。

1983年に羽田沖で人為的な墜落事故が発生し、1985年には航路を大幅に外れた形で日航機墜落事故が発生した。これらを受けてのものか、通産省は1986年春に政務次官名で、航空機衝突の際の安全確保について電力に問い合わせている。電力の回答は「安全は確保出来る」という空疎なものだった。「安全を確保出来る」程度の規模で事故を想定していることが伺える。

こういった空理空論のツケは、結局311後に支払うこととなり、原子力規制委員会は各原発の再稼動を審査に当たって、議事録非公開の形で「故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムへの対応について」審議することとなった。しかし、具体的に壁厚を増す補強工事が行われた例は皆無である。高浜原発1,2号機はコンクリートの建屋で周囲を取り囲む工事を行っているが、あくまでも事故時の放射線を遮蔽するためのもので、航空機突入の補強が目的では無く、壁厚も元々の厚さが0.9mの所に、0.3mプラスされて1.2mにしかならない(高浜発電所1号炉及び2号炉外部しゃへい建屋の変更について)。

もし、政治環境の変化等によって、大型航空機の突入に耐える強度が求められた場合は更なる壁厚の増加工事が必要となり、その工事費用は二度手間であるがゆえに、最初から航空機突入を意識して外部しゃへい建屋を建設していた場合より遥かに高くつくと考えられる。こういった泥縄的状況は最早電力にすら旨味が無く、喜ぶのはゼネコンだけ、電力や元請が不当に価格を下げるように圧力をかけた場合、どこの組織も得をしない事態すらあり得ることも見通しておかなければならない。

最近、『新装版 怒る富士 (上)』をレビューだけ見たが、江戸時代の愚行をなぞる未来しかないということである。

関西電力は航空機突入を意図して新規に1m以上の壁厚の建屋を建設すると、他電力の原発にも同様の措置を行わなければならないので避けたのだろう。このような忌避的態度も、当補論2を補強している。

17/10/9:補論2にソース、高浜外部しゃへい建屋の件を追記。

2017年2月10日 (金)

「社員だけが非公開の内部情報にアクセス」と自慢するあさくらトンコツ氏の見栄

前に福島第一排気筒問題で一部作業員、偽科学関係者が振りまいた安全神話を書いた時にもこの方観察して思ったのだが、11人の部下を率いて1F廃炉現場にいると称しているあさくらとんこつ氏って、身内でもバカにされてるんじゃないだろうか。

あんまり使いたくない表現だけど、地頭が絶望的に悪い。

【1】論文で勉強しろ。でも本当に重要な情報は教えないよ。
相手の皮肉は勿論、連ツイの矛盾にすら気づかない愚かさ。分からないなら、勉強する意味は無いだろう(新発見狙いの研究者やクレムノロジーとかは除く)。

この話を聞いて思い出したのは、私も勉強しようと思って電力会社や電力中央研究所の図書室に問い合わせしたところ、外部からの閲覧は受け付けていないと冷淡に回答された経験だった。あさくらトンコツ氏が居た研究所というのは、大方そういう所だろう。彼の主張は見せないと断言している図書室に来いと言ってるのと同義だが、一体何を考えているのか。

【2】ネットの喧嘩如きで守秘義務のある話を持ち出す
一般産業界を含めてほぼマナーだと思われるが、守秘義務の直接当事者なら、黙るのが普通である。内部告発や批判的研究が例外扱いされているのは、密室でのインモラルな行為を晒す事に公益があるからだ。意味も無く社内で研究中の開発品についてペラペラ喋ったり、図面の存在などを誇示するのはアホのやることだ。

勿論、分野によっては日本の情報公開のレベルが低くて、中国などの方がしっかり開示していることや、以前は詳しく説明していたが、今は表面的な発表に留まると言った時期による差もあるだろう。

規制の厳しい業界だと契約によっては、その仕事をしてることも話すなという文言もあるようだ。かつて、シャープ亀山ディスプレイに市場価値が認められていた時にも、そんな話を聞いた。

ていうか、私もサラリーマン(非原子力業界)の端くれだけど、職場にこんなのいたら…だなぁ。研究所で重要なデータへのアクセス権を持っていた人が廃炉の現場に回ってるという事は、懲罰人事を想起。口が軽いので外されたのでは?

余談だけど全体が見えない人って、細かいことでは器用って結構あるんだよね。国の言うことには何でもヒラメな一部のマニア向きの表現だけど、『レッドサンブラッククロス』にスターシステムで出演した真田中将もそういう台詞を与えられてるよ。

ある意味現場向きの楽天家。絶望の職場と思ってないのだから、雇う側からすれば使い易いのだろう。

【3】お手製企業広報の罠
「自分で語ろう」と煽っていた東電のような例外(コロラド氏のtogetter参照)はともかくとして、推進陣営の構成員をやっているなら、企業プロパガンダは広報に任せておくのが筋。意味の無い愛社精神の発露は内輪でもドン引きである。

もっと言えば、広報の外注先にしても企業の担当が決めているので、わざわざ井上リサとか、アゴラ御一行様の垂らす釣り針に食いつくのはアホだろう。原発プロパガンダにもピンキリがあり、公式系は嘘を入れたり、不都合な情報を教えないことはあっても、普通は他者への直接的な悪口は入れない。東電が嫌われる理由の一つが「慇懃丁寧だが、内容は冷淡」という態度だが、そのことを良く表している。勿論、公式系が問題無いという事では無く、彼等も原発事故の戦犯であることは、「テロ対策を言い訳に反対派を追い出して爆発した福島第一原発」で論じた。

ネットで営業してるPA業者は公式系より更に悪い。感情に任せた悪口が山盛りで、紙にも残し、広報請負人としてクオリティは最低と言って良い。在特会や日本会議のような反社と同レベルである。

【4】本質的に詐欺師の話法
「詳細は知っている。教えないけど、大したことは無いんだ」

あの事故の後、初めて会った人間にこんなこと言われて信じる人いるのだろうか(笑)。

そんな話を聞かされても「本当に見れないか試してやるから文書名教えろ。開示請求するから」で終わりである。特に原発のコストの話など、機密に指定しやすい技術の話では無く、お金がメインの話である。経済産業省お得意のモデルプラントなどという空想は止めて、各社の収支見通しをあさくら氏が見たというレベルまで細かく開示するのが筋だろう。それが出来なければ消費者や株主に対する背信である。

彼を見ていて救い難く馬鹿だなと思うのは、社員として一定のアクセス権を付与されたり、学会誌を購入していれば事足れりと思っている能天気さ。私の経験から言うと、学会誌は学会員を肉屋の豚として扱う事もあり、思ったほど有益な情報が得られない。クロニクルに並べたブログ記事を見直して思ったが、津波想定にせよ、地震想定にせよ、本当に重要な話は学会誌以外から発掘したし、他人の学会誌論文を鸚鵡返しするだけでは無理だった。

大きな本屋の科学コーナーに何冊か置いてある企業研究者向け論文の指南本を読めば分かるけど、経営判断に係わったり現状の方針を否定するような研究は社内の審査で跳ねられる。企業技報の論文がバイアスかかっていたり、深みに欠けているのは機密だから、と言うだけではない。そういうことを見越して社会への問題提起はブログなどで私的に行なえとアドバイスする本もある(例:石田秀人『はじめての「技術報告書」』工学社 2008年)。

もっとも、業界の現状を肯定するだけのあさくらトンコツ氏や、勤め人系の原発推進オタクには縁の無い話だろう。彼等が会社の方針に合わせた話を企業を通じて発表出来ないのは、憎たらしい外部の連中に自慢話が出来ないからである。企業技報は私的な自慢も禁止だから。

【追記:いい年して「ジオン軍の階級章だぞ!」】

ユーキムさんとあさくらトンコツさんの原発のコストについての議論 - Togetter

一連の流れを推進派自らがまとめている。どう読んでもあさくらトンコツ氏は「ジオン軍の階級章だぞ!図が高い」以上のことを言えてないのだが、いい年して小学生のように信じ込む奴輩が集まっている。

ま、後ろから指差されてても外向けなら「俺はエースパイロットだ。階級章大事にしろよw」位の法螺は吹けるからね。揃いも揃ってアニメ大好きな割に肝心なことが何も学べてない様で何よりだ。

2016年12月23日 (金)

【悲報】清谷800G事件の前「戦車が弾を弾き返すと乗員が死傷する」と思っていた軍事マニア【消印所沢まで】

先のブログ記事を公開したところ、早速2chの清谷スレで侮蔑的に晒された。自慢じゃないが私のブログは来訪者がそんなに多くは無い。ログを見るとその時間に1人いた。法人サーバーらしいが、何やってるんだろう。

ところで、面白いことを教えて貰った。2012年5月に「清谷800G事件」が起きる前は、軍事マニアの周辺では被弾したら乗員が死傷すると思われており、事件後もそう考えている人はいる、ということである。事実とすれば典型的ブーメランだが、さて実態はどうか。

まずは模型屋メーカーの売り口上。

Fushoudoitsuheimokei
●装甲の厚い戦車に搭乗した乗員は絶対に死傷しない、という訳ではなく、敵の砲火に曝され、たとえその砲弾が装甲を貫くことが無くとも、被弾による衝撃によって車内の機器、装備品が外れて乗員に当たり怪我を負う例も少なくありません

●特に、大口径の砲弾を被弾した場合、その衝撃はかなり大きく、車内の機器の破損、乗員の死傷によって、装甲を貫通しなくとも戦車は戦闘不能に陥ってしまいます

ホビーショップ エムズ・プラス

正に、負傷した戦車兵がモデル化されている(発売は2014年)。模型メーカーを馬鹿にする軍事マニアは、いや、本職であってもそうはいないだろう。勿論人のすることだから間違った認識で製品化されることもあり得るが。

次にWarbirds

ww2のドイツ軍の戦車が徹甲弾を受けて撃破された時、中の搭乗員はどうなるんですか?

(中略)122mm 徹甲榴弾なんて食ったら衝撃波だけで致命的かも。
ささき

Warbirdsより

興味深いことに、軍事クラスタの「教典」、軍事板常見問題にもそうした見解が収録されている。

Mltrganrikinetfaq09l22m13
 【質問】
 戦車に関してなのだけれど,90式戦車は自身の主砲の直撃に正面装甲ならば,耐えることができるそうです.
 しかし,どこで見たのかは忘れてしまったのだが,「現在の戦車戦においては被弾=撃破」であるという記事も見たことがあります.
 どちらが正しいのでしょうか?

 【回答】
 現代は戦車砲の威力――より正確には戦車砲弾の威力――があまりにも強くなってしまったので,昔のように
「確かに命中してるが平然と弾き返して無傷」
とか
「何発も命中してるのにちっともダメージになってない」
とかいったことが起き辛く,
被弾=死 に近い様相になる.

 でも90式やM1といった最新(どちらももう20年選手だけどね…)MBTは,
 少なくとも正面装甲なら1~2発は喰らってもどうにか耐えることは出来るし,そのように設計される.
まぁ耐えられたとしても,大戦中の戦車のように「弾き返したヘコみを直せばOK」とか,「喰い込んだ弾を抜いて穴塞げばOK」というのは難しく,後方に送って大修理すればなんとか直るかね・・・というレベルで壊れることは避けられないが,1~2の被弾でならそうは「破壊」されはしない.

(中略)
”撃破”というのは「一時的にでも行動不能に追い込んだ」ではあるから,
>「現在の戦車戦においては被弾=撃破」
であるというのもまぁ間違いではないだろう.

(中略)
モッティ ◆uSDglizB3o(黄文字部分)他 in 軍事板,2009/08/08(土)

【質問】
 戦車の装備する120mm砲って厚さ約1mの厚さの鉄板をも撃ち抜けるらしいですが,戦車の装甲ってその砲弾を防げるんでしょうか?
【回答】
(中略)
ゲーム上では,対戦車ミサイルは前面装甲で受ければオッケーってな事になっていますが,無傷と言うわけにはいかず,レーザー測遠機や弾道コンピューターなど使用不能になったり,
たまに車長や装填手が死傷します.
軍事板

軍事板常見問題より

上記のQ&Aに消印所沢お得意の「注釈」は何もついていない。他人を批判・難詰する際はこんなものではないので、全く疑問に思わなかったのだろう。

当記事で私が問題にしているのは、真偽と言うより、言説の受け止められ方。従って、趣味サイトの記述も論評の対象になる。なお、これらの記述が事実かは断言を避けるけれども、ある種の根強いものを感じる。否定するにしても、最早根拠無しには出来ないだろう。清谷氏が技術者の話を聞いてそう思っても何の不思議もない。それまでの「通説」をなぞっただけである。第二次大戦レベルの戦車砲でも起こっていたということであれば、それより遥かに口径と初速の大きな現代の戦車砲、それも10式の戦車砲なら乗員の負担はずっと大きくても不思議はない。

だからこそ、戦車兵、特に現代の正規軍戦車兵はヘルメットを被り、ボディーアーマーを装着していると思われる。冒頭に示した第二次大戦時の軍装と比べると、重装備だ(もっとも、規律の弛緩した軍隊、温湿環境に不適な装備の場合は、実質的な着用率が落ちることはあり得る)。なお、「ボディアーマーを着れば大丈夫だ」といった言説で以って清谷氏を批判する発言は、当時目にしたことが無かった。

世の中では「都市伝説」化した知見、逆にある時点まで噂レベル/与太扱いだったのに証拠が出てきてひっくり返ることがよくある。しかし、「戦車が弾を弾き返すとどうなるか」については、米軍やソ連軍の文書付などと言った信頼のおける情報源で論証して、清谷氏を「論破」したようには思われない(当たり前だが、今更それをやって「岩見はバカ」と難詰しても無駄)。800Gであるとか、大大大好きな(最新鋭)戦車の乗員が死傷することが感覚的に信じられないから、即物的に反応したのだろう。

特に、JSFとの親密ぶりをアピールしてきた消印所沢は上記のページでも清谷氏を小馬鹿にしている。だがその消印所沢にして、こうした書き込みを「収録」していたことから分かるように、議論の相手によって意見を変えたのが軍事クラスタであり、沈黙したのが「とばっちりを食いたくない」と思った周辺の軍事オタクであるということだ。弾が当たって乗員が死傷するかどうかはともかく、軍事クラスタはやっぱり只の御調子者で無能だな。

2016年12月22日 (木)

【技本の職員も】清谷信一氏が聞いた「衝撃加速度800G」を中傷した無能な軍事マニア達【加担?】

以前、軍事雑誌で10式戦車について書いていた軍事ジャーナリストの清谷信一氏が、近年の戦車砲弾の弾着では乗員は800Gの衝撃を受けるので、とても耐えられないと聞いた、という趣旨のコメントを出していた。

このコメントに飛びついて「戦闘機のパイロットにかかる重力加速度でも10G程度が限界だ」「またkytnか」というような膨大な中傷が積み上げられた。

Togetter309179

私的まとめ キヨさんの10式戦車発言から始まった軍クラ計算大会
page1
page2
page3

それを受けて、軍事マニアでも日記などに書きつける者が現れた。

これはちょっと休暇をとった方がいいんじゃないか RYOの戯言日記~小説、サウンドノベル、銃やらアニメ~(魚拓

ただ、その後も清谷信一氏は800Gという主張を変えることは無く、2016年に入っても東洋経済などで記事を書いている。

さて当時私は原発の資料集めに忙しく(その結果がこの一覧)、上記の話を極表面的にしか見ていなかった。また、素人であることも深く認識していたので、過去にネット上で「あれは相手の発言の趣旨を誤読したもので、衝撃が大きいということを言いたかったのではないか」と書いたこともある。

しかし、衝撃がかかる時間が極端に短ければ、運動エネルギーor力積としてはそれ程大きくなくても、数100Gのオーダーもあるのではないか?という疑問も抱くようになった。ここで「それ程大きくなくても」と述べたが戦車砲弾の撃速(目標に当たった時の速度)であるから、弾速は少なくとも秒速数100m以上はあり、それなりに大きなものではある。

そこで、簡単に調べてみた。

【人は何Gで死ぬか】

まとめの中ではジョン・スタップ大佐が試乗した事例を挙げて50Gという値をJSFが挙げているが、次の文献によると90Gである。

当時(注:1980年代)労働産業安全研究所(現 独立行政法人労働安全衛生総合研究所)で、産業用ロボットの危険性を評価するための実験が行われた。その結果、バーサトランという米国製の油圧ロボットはアームを試験用ダミーにぶつける実験で200Gという衝撃加速度を記録した。人間は短時間でも90Gの衝撃で死亡すると言われる。産業用ロボットのアームがいかに危険かを実感させられる。

『産業用ロボットの安全管理-理論と実際-』2011年P186

60㎞で交通事故を起こした時、シートベルトを締めずに車内に叩き付けられた人形で計測した衝撃が30G程度、別の文献にある胸部合成加速度が45G程度のため、信頼は置けそうである(MEXCO中日本)。

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生体機械工学科  教授  渋江唯司「衝突の瞬間、あなたの身体は  ~衝突時に作用する力~」近畿大学

【身近にある衝撃加速度】

下記のように、激しい自動車事故で100G~1000Gとする文献もあるので、800Gは激しい自動車事故でも発生し得る値ということになる。なお、自動車事故の場合、その持続時間は0.1秒以下とのことだ。そして、800Gの衝撃加速度を受けた人間は、持続時間と質量にもよるが、死んでも全く不思議はないことも確定した。

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加速度の現れる場と加速度の大きさと持続時間
(「人間の環境適応を科学する」 第11回 横浜市立大学 35枚目)

もっと述べると、数10Gの衝撃であっても、交通事故レベルであり、戦車兵には十分負担になるであろうこと、死に至る衝撃加速までたかだか2倍程度の余裕しかないことが分かる。そして、200Gの衝撃加速度なるものは、産業用の油圧ロボットでも作り出す事が出来るということだ。桁のレベルでみると、思ったよりはありふれている印象を受ける。

更に調べてみると、荷物が受ける衝撃加速度などというものもある。

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荷物が受ける衝撃を監視するデーターロガー WATCHOGGER/SHOCKの衝撃値
(株式会社藤田電機製作所)2012年10月1日

  • 2Kgの鉄球が1mの高さからコンクリートの上に落下した場合の「衝撃値G」:450G
  • 球速150(km/h)のボールを、ミットで受けた場合:426G
  • 2Kgのダンボール箱を1mの高さから落下:200G

勿論、ボールの質量など違いはあるが、数100Gは相当ありふれてる。800Gにしても大半の人は測ってるのを見たことが無いだけで、取り立てて大騒ぎするようなオーダーではないということだ。騒ぐのはバカだけ。

さて、それに対して、砲弾の世界で数100G以上の衝撃加速はそもそも存在するのだろうか。

砲弾用信管

    りゅう弾砲、戦車砲、迫撃砲用等の各種信管(電気式及び機械式)を製造しています。
    射撃時の数万Gにおよぶ衝撃と数万rpmに及ぶ旋動に耐える強度を有しています。また、これらの力を利用して作動する歯車伝達機構などの各種機構を有しています。

リコーエレメックス株式会社

早くも勝負がついた気がする。数100どころか2桁大きい。

信管が火砲からの発射時に受ける発射衝撃は数千G以上になり、信管に使われる光
学・電子部品が耐発射衝撃を持つことは必須条件である。また、延時機能や不発時対処
のための耐弾着衝撃の重要性も増している。(中略)

本装置は、高圧チャンバに貯めた窒素ガスにより、信管等の供試品を搭載した飛しょう体(質量20kg以下、直径250mm)を長さ18.5mのランチャ内で加速して試験槽内に射出するものである。発射衝撃については、数千Gの迫撃砲1万数千Gのりゅう弾砲の発射を模擬できる。図2に約7千Gの発射衝撃を、飛しょう体に搭載した加速度センサで記録した例を示す。また、鋼板等に衝突する場合の数万G以上の弾着衝撃を模擬し加速度センサで記録することができる。

高衝撃下での信管用光学・電子部品の耐衝撃性評価法について」(防衛装備庁HP)

砲弾が鋼鈑に当たった時の衝撃加速度は数万Gだそうである。あのまとめの軍事マニア達、誰もそんなこと言ってなかったよね。800Gでも「あり得な~い」という流れだった。

【分かったこと】

今回、色々調べたが800Gという数値の根拠として、今回の疑問に即した計算を目にすることは出来なかった。分かったことは、軍事マニアの回答がデタラメということだけである。なお、上記から、清谷氏に800Gと答えた技術者は、数千Gだとか、数万Gという値を引用していないことが分かる。恐らく、交通事故と同じく、何らかの計算処理などを行って合成加速度のようなもので800Gと換算したのではないだろうか(勿論、最初に私が推定したように、桁の聞き違えの可能性もゼロではないが。。。)

もし、清谷氏を責める余地があるとすれば、冒頭のまとめのような下らない揚げ足取りでは無く、「砲弾が装甲板に当たった時の衝撃加速度は数万Gだそうですが、800Gだと2桁少ないですね。どういった計算から求めた値ですか?」と聞かなかったことだろう。軍事オタクは完全に明後日だということ。そのことは彼等がまとめで示した「計算」なるものに砲弾の衝撃加速を数千~数万Gとしたものが無い事からも分かる。

【そもそも、国語力の問題では?】

ここで再度、清谷氏の記事を読んでみる。精々時速数10㎞でしか走行していない戦車が800Gの加速度で彼方にすっ飛んで行く、とは解釈出来ない。そのように曲解しようとする軍事マニア達に無理がある。清谷氏のインタビューを受けた10式の開発技術者は、乗員にかかる負担が大きいことを示すために、砲弾なり、人体なりのいずれかの衝撃加速度が800Gだという説明をした、ただそれだけのことだろう。WATCHLOGGERの文献で見たようにありふれた状況で出てくる値だしな。因縁を付けるような余地など何処にもない。

注目すべきは、何かしら信頼に値する数字を持ち込んできたのは意外にもジョン・スタップ大佐の事例を持ち出したJSF位でしかなく、他は全て恣意的な「手計算」を披露しただけ。しかも「清谷は持続時間の概念が無い」などとうそぶきながら、誰も自分達の設定した「持続時間」が妥当なのかといった根拠を示そうとはしなかったことである。あーあ。

また、最近JSFをデマ師呼ばわりしている(そのこと自体は正しい)AT教団という、IS私戦予備騒動で有名になった軍事クラスタ上がりのマニアが、この件についてはJSF以下の反応(噂話以下と罵倒)しか出来てないのも注目である。幾ら「リベラル左翼」に対抗して?立派に国を憂うそぶりを見せても、これがファッションオタクの限界ということか。まぁ、バトルフィールドがお似合いということである。

【防衛技術研究本部の技術者が一緒になってバカ騒ぎ】

ところで上記まとめに登場するmarman_bandという人物は、防衛技術研究本部の技官を称してるそうで、何か起こる度に家政婦は見たの如く、悪口を添えて見聞記を開陳している。その結果がこの事件であり、艦これJSF理論の信奉者でもある。そして、彼の示した計算結果は数100Gから2桁も逆方向に下がった数Gでしかなかった。数万Gと比べて実に4桁の差。無惨だなぁ。何で戦車全体がそのGで無限時間加速すると思ったんだろうね。

しかも、軍事オタク達は、以前は清谷氏と大して変わらない認識だったのである。そのことは次回記事「清谷800G事件の前「戦車が弾を弾き返すと乗員が死傷する」と思っていた軍事マニア」で紹介しよう。

このような愚かな人材を擁する防衛技術研究本部の屋台骨も、相当にガタが来ているが、彼に関して言えば右派系マニア特有の誇大妄想が精神を蝕んだ。思想信条は用法・容量を守って正しく服用すべきである。ネット回線などさっさと切って、お医者様に頭を検査してもらい清く正しい病識でも持って頂いた方が、日本の健全な防衛力の発展のためにも良いのではないか。今更中年の萌え豚を豆腐の角に800Gでぶつけた所で、何の足しにもならんでしょ。

※16/12/22:細部を修文。