カテゴリー「日記・コラム・つぶやき」の14件の記事

2018年5月 3日 (木)

主張に一貫性が求められるのは当たり前

掲題のようなことはダブルスタンダード批判の文脈でよく指摘されることである。もし、一貫性が無いと受け取られたくなければ、周囲の条件であるとかをきちんと説明しておくべきだろう。もし、意見を変えたのなら、そのきっかけとなった出来事を引くとか、知りませんでしたなどの形で明記するのがマナーかなと。

2018年4月末、TOKIOの山口が自宅に招いた女性に猥褻行為を働き、他のメンバーが謝罪したり、雇用主であるジャニーズの対応の問題点が指摘されるなどの騒動になっている。普段はTVが見れないのだが、GW休暇中なので結構目にした。

例によって直接リプライをしたことはないが、奇妙な主張をしている方を見た。まずは2017年のツイートから。

要するに性犯罪者の作品であっても価値を認めているので消費したいということである。何名かのネットフェミニストがRTしていたのを覚えている。

ところが、今回の山口の件では次のような主張をしている。

2017年の主張に照らすとおかしな話だ。この方が挙げたミュージシャンや俳優は「責任を果たした」とは言えない人ばかりである。2018年になっても新たな告発がなされているウッディ・アレンなどはその筆頭だろう。にも拘わらず、消費者が自らの卑しさを覚えていれば消費しても良いし、メディアもその場(テレビなど)を提供して良いという理屈だったのだから、復帰を熱望するファンを止めるのはおかしな話である。被害者の権利が消費者の権利より優先すると考えているのであれば、2017年の言は撤回すればよい。

なお消費者にとっては、山口が復帰しなくてもこの葛藤は付いて回る。過去のライブの再放送・再販の可否などの時に、である。

私はジャニーズ事務所も吉本同様に傲慢と思っているが(如何なる回避策を用いても今回の件はダメージだろう)、TOKIOに思い入れは無い。見聞する限り、山口が反省する(或いは矯正プログラム等を受けさせる)べきとは考えるが、現時点での山口は社会的制裁と直接謝罪の点で、極楽とんぼの山本圭一にも劣る(私は極楽とんぼにも思い入れを持たないが、山本がゴールデンタイムの番組で行った謝罪には被害者に対する弁も含まれていた)。

とは言え、長年のファンは心理的葛藤にさいなまれ、中には過剰に彼を甘やかしたり、記者会見での長瀬の謹言を無視して倒錯した被害者叩きに走る分子も出てくると思う。

アメリカのような訴訟社会なら打算は日本より徹底せざるを得ないだろう。ダメージコントロールのためにだ。また、4人だけでも生き残った方がマシという観点からは、ファンにもある程度受け入れられやすい主張でもある。だが、そもそも、山口の酒癖や性癖は急に始まったものではないとの報道がある。残りの4人が黙認加担者ではないと何故断言出来るのだろうか。

この件に限らず、(性)犯罪者の償いと社会的活動の是非という議論は昔からなされている。政治・思想に関心ある界隈では菅野完やTBS山口記者の事件が近年の代表例だろう。

無罪論は論外として、無条件NG論から条件付き活動再開論まで色々あるが、どの立場であれ、少なくとも自分が選択した立場の一貫性を保持せず、無自覚に捻じ曲げる人物は信用されない(まぁ、私自身も、今回の件が自分の贔屓にしている芸能人では無いから、冷静でいられるのではあるが)。

2018年2月28日 (水)

筋の悪い運動論-くたびれはてこが正しくC4Dbeginnerは誤りである

以前、「筋の悪い運動論」という記事を書いた。

今回は、女性専用車両を巡ってより反響の大きかったフェミニストくたびれはてこ氏とアイドル・映画・時事評論を呟くC4Dbeginner氏(以下CDB氏)の論争を取り上げる。

先方は当方のような零細ブログなど知らないだろうと思うが、311を機に自民党的なものと袂を分かってから、御二人の言論は是々非々のスタンスから、以前より注目していた。

【顛末】

「何のことだろう?」といぶかしむ向きに説明すると、2月25日の日曜日、ドクター差別こと兼松信之率いる女性専用車反対運動家達が、渋谷の駅前で演説をしようとしたところ、カウンター数十人に囲まれ、最後は仲裁に当たった警察官の説諭「私は(女性専用車賛成派の方が)正しいと思う」という言葉に反論出来ずに、退散したという出来事があった。これを巡っての論争である。

まず、兼松一味だが、2月25日に先立つ平日朝、「運動」と称して朝ラッシュ時の千代田線を15分止める騒動を起こした。既に過去の行状から、チャンネル桜の支援を受けてシンポジウムに参加していたり、中韓への差別発言を行うネット右翼であることも判明している。なお、彼等の賛同者には、性的な欲望を満たすために女性専用車に乗車すると宣言した者もいる。

彼は非常に論争が好きなようだが、単なる時間稼ぎの消耗戦狙いである。社虫太郎氏が言うように、ネット上で論争を仕掛けてきても、聞く耳を持たない方が良いだろう。

【論争】

さて、CDB氏は上記のような警官の行為を許すべきではないとの主張をした。

以下、くたびれはてこ氏の指摘から抜粋する。

多少長くなったが主要な部分を引用した。

【CDBは間違っており、くたびれはてこが正しい】

ところで、私は男性なのだが、過去、性犯罪トラブルに遭遇したことが何回かある。その経験から言うと、これは彼女が正しいと思う(既に北守氏なども指摘しているが)。くたびれはてこ氏は以前別の話題では批判したこともあるが、是々非々ということである。

まず、「極右デモの警官や辺野古の警官は悪い警官で、今日、女性専用車両反対デモに解散を命じた警官はたまたま人間的に良い警官だったと本気で思ってるんですか。」だが、これは論理のすり替えとして処理しなければならない。

警察という組織にも期待されるべき役割がある。リベラル左翼の場合、警察に期待するのは一言で言えば社会的強者の手先ではなく、弱者の味方である。だから、権力者の私兵として振る舞っている辺野古や公式に口にしたくない国家主義を代弁する極右デモの積極的護衛は(それが裁量の範囲内であっても)批判する。兼松一味は男性差別なる概念を濫用して自己を弱者だと偽っているが、実際の弱者は圧倒的に痴漢の被害に遭う頻度が高い女性であり、冤罪を差し引いてもなお膨大な数が残る。だから警察の説諭が支持される。それだけの話だ。

ついでに言えば、CDB氏は兼松と同じ立場で物を眺めてしまっていることに気付いていない。記事冒頭のツイートはそれを喝破しているのである。

勿論警官個人にもある種の職業倫理は当然要求されるし、警官によって判断にばらつきが出る事例は幾らでもある。今回の事例が「運良く当たりの警官だった」ことも紛れも無い事実だろう。

【政治運動ではなく不良が暴れてるだけ】

もう一つ指摘したいことがある。CDB氏等は政治的トロッコ問題と捉えようとしているが、これはそもそも、そういう事案と当の警官も含めて認識しているのか、ということだ。万引きとか、不良が暴れているとか、生活安全課の事案というか、精々ヘイトスピーチ対策法・条例の範疇じゃないのと。理論付けて「世の中何でも繋がっている」とドミノ理論で正当化する姿はどの政治勢力にも見られることだが、そこまで言う程の案件であるか疑問。

説諭は、兼松等が無視してきた駅員がやってきたものと同様「お願い」スタイルに過ぎなかったと思われる。もちろん拒否すれば、公権力の行使に移行することは容易に予想できるが、よく言われる「民主的で進歩的な」欧米の警察でも同じような結果になったのではないだろうか。

【ヒトより動物に近い】

くたびれはてこ氏は「なんでああいう人ってあそこまで男性に弱いのか不思議なくらい。とにかく男が対応すると態度がガラッと変わる。男性はどのくらいあの激変ぶりを知っているのだろうか。」という。

彼等が動物的本能で生きている証拠である。卑屈な下等生物と言って良い。人間界にいたければ檻の中が似合いという事だ。

【「普通の日本人」は躊躇なく警察を利用する】

ところで、何故この問題は右傾化した日本のネット社会でも兼松への批判の声がおおきいのだろうか。

それは、性差別につながる問題は、原発・辺野古・薬害などと違って、地域的・社会集団の偏在性が皆無に近いからである。ありふれているので、本邦のうすのろ呼ばわりされても仕方のない「臣民」「普通の日本人」にとっても、身近な問題として考えざるを得ない。

また、この手の問題は日常あまり目立たない「右派だがフェミニズム的な思考も持つ女性」にとっては実にバカバカしいことだろうとも思う。

性犯罪の危険に遭った時、「怖くてパニックになる」「通報は出来るが時間を取られたくない」といった理由は思想の左右の別なくあるので、それをなじって「通報しないお前が悪い」という批判は確かに不当だろう。だが、いわゆる右寄りだったり無自覚な「普通の日本人」に類する女性の場合、「警察は国家権力だから」という理由はまずありえない。そういう意味では、彼女等は警察の利用に躊躇が無い。

仮にCDB氏が我慢を要求している脇で、女性が警察を呼んだらどうなるか。筋の悪い運動家や評論家達が最初に危惧していたよりもっと悪い結末-兼松撃退という美味しい成果が警察のものとなり、彼等は「リベラル左翼のミソジニスト」として無能扱いされる結末が待っている。

【有用な社会資産を一つでも残す方が良い】

今回の件で次のようなことも感じている。自分の中ではそれほど重要な位置を占めてはいないのだが、反安倍支持層の今後を考えても、さほどのデメリットにはならないだろうということ。

反安倍勢力が再び政権を奪回する可能性はあるし、野党支持層はそれを実現するように様々な努力もするとは思う。だが、一部のリベラル左翼人士が予想するように、今後延々と右翼政治が続き、日本の凋落・貧困化・格差社会化が進むだけという未来も当然考えておかなければならない。

そういう状況では、100点満点の理想論だけに拘りを持っても、今回のようなトロッコ問題を生むだけだろう。そうであるならば、兼松一味のようなミソジニーの権化を警察に放逐させた方がまだましである。

そもそも、警察不信論の欠陥の一つは、それが如何に正当な事実であっても、批判派が国家が独占する暴力に代わる手段を提供できないことにある。各地で自警団を組織したとしても、その能力は殆ど期待できない。勿論、一部の国家のように民兵を一般化するような形で国家以外が暴力を万遍なく持つ状況が出来したら、その害悪は大変なものになるだろう。警察力の問題は、止めることが出来る原発と違って根深いとも言える。

まぁ、渋谷駅は元々鉄道警察が痴漢対応の拠点にしているから、当該警官のジェンダー教育も行き届いていたのかも知れないが、個別の警官のジェンダー差別理解度に係わらず、組織としての警察は、「性犯罪撲滅」をPR出来るチャンスは逃がさない。政治も同様で、かつての治安維持法と普通選挙権のセットの時のように、市民の自由を縛る法案と対になる形で「より男女同権的な」性犯罪処罰法案、女性専用車の法的根拠等を付与する政策も行われるかも知れない。実際、2017年に成立した強姦罪の非親告化はそういった飴のひとつだったと思う。

それでも、乗らざるを得ない飴はある。意固地に筋の悪い原理論を主張して、無自覚なミソジニーを晒すのは避けなければならない。だから、他山の石としてCDB氏の主張は否定する。

【おまけ 鉄道業界は何故兼松と痴漢を放置するのか】

女性専用車両問題で前から不思議に思っていることがある。痴漢被害の大きさゆえに、推進者は男性を含めて大衆レベルではかなりの層厚がある。それにも関わらず、何故、鉄道業界は法制化運動や専用車設定以上の対応策に消極的だったのか。この点はもう少し鉄道経営や社会学的知見を混ぜて分析した方が良いと思う。彼等の消極性も、ユーチューバーとして兼松の仲間が金儲けするところまで問題を悪化させた原因だと思われるからだ。

有力な理由は、彼等の政治的出自が所詮は「普通の日本人」たる保守系右翼であることだ。

JR各社はその歴史的経緯から、社会党の系譜に繋がる勢力が弱体化した。特にJR連合は、元を辿れば鉄労に行きつく。鉄労とは兼松が働いていた民社党の支持母体だ。メンタリティ的なルーツからは、お里が知れると言うことである。

各地の大手私鉄は地場資本による小規模財閥と考えて差し支えない。精力絶倫の噂が絶えなかった西武の堤を始め、伝統的な経営層は雲の上の金持ちである。本当の庶民感覚など持ちえる筈も無い。

各社の総合職の社員も経営層と似たようなものだ。個別事例だが、JR東日本の総合職社員で田嶋陽子の思想を憎悪している者を1人知っている。現業員たちも、ネット上の書き込みを観察する限り、内心でミソジニーを拗らせている者は昔から散見する。甚だしい事例の場合、鉄道会社だけが被害者であるような態度を示し、被害女性やカウンター(的な人士)を目の敵にする者さえいる。勿論、好ましい状況ではない。

シンクタンクも碌な研究をしていない。

例えば運輸政策研究機構。混雑問題は昔から扱い、優れた分析力を持つ。過去実績として防災・バリアフリー・ICT関連もあり、最も近いテーマとして2002年に「公共交通における犯罪等緊急時の対応方策に関する調査」を行っている。それにもかかわらず、日本財団をバックにし、過去の国鉄労使対決の名残もあって、過去、「アカ」とみなされる要素を持つ人士は採用の場から排除されていたと聞く。そういうことをしていると右翼的な人間と運輸業各社から転籍した学歴エリートだけが残る。昔の話だが、私がこの団体のある研究を見つけ、引用しても良いか照会した時、応対したベテラン職員は「内輪でやっていたいから」と「拒否のお願い」をしてきた。専用車や痴漢を巡る統計調査・および調査結果の開示が不十分な理由の一つは、彼等の内向きでミソジニー的性根ではないか?、と思わざるを得ない。

鉄道総研も同罪である。ここ数年鉄道各社が通勤電車に導入を検討しているような、客室内監視カメラは研究していない。調査しても見つかるのは民間企業の自主的な研究(製品PR)に留まる。カメラ以外に痴漢を抑止する効果のある研究も見ない。そんな人達が時の新車落成時に車内のアメニティ向上を幾らPRしても、長年観察している私の目から見ると空しさを感じることがある。

一般財団法人交通経済研究所(旧運輸調査局)は、上記2団体よりはマシで、産業労働者、平たく言えば現業員としての女性職員については『運輸と経済』で度々取り上げている。しかし、その他の女性に対する視点は消費者行動の分析であり、車内犯罪の蔓延に対して経済や労働からの分析も碌に見かけない。

公開された有用な調査は大抵が大学・学術団体か運輸系以外のシンクタンク・大手メディアの物が多い。この手の議論は「男性専用車を作れ」「監視カメラとDNA鑑定で全て解決」「輸送力増強の複々線化をせよ」などの10年一日の一過性のたわごとで済まされることが多く、そういう木で鼻をくくったような「提言」を好んで行うのは一般男性層に目立つ。しかし、彼等が本来するべきことは、まともな調査研究資料を集めて、分かっていること、分かっていないこと、簡単にできること、出来ないことの区分けから始めることだろう。なお、そういった他者の地道な営為を憎むのも、兼松賛同者の特徴である。

以上、鉄道業界を構成する幾つかの要素に内在する問題点を挙げた。近年は私自身が原発研究に傾斜しているので見逃している成果もあるかも知れないが、基本的には余り変わっていないように思える。

そうであっても、一つ一つ解決はしていかなければならないのは事実だろう。今思いつく一つの参考例になるのは名鉄の労使が対決した「特定旅客」と呼ばれる迷惑カメラマンへの対抗措置だろう。兼松一味はその適用対象としてよいと考える。

2018年2月16日 (金)

三浦瑠麗が煽動するスリーパーセルへの反感と『原発ホワイトアウト』賞賛の矛盾

三浦瑠麗のスリーパーセル発言が批判されている。今回はそのことに触発されて書いた。

【スリーパーセルが膾炙した背景】

実は、私は別名のアカウントで書評もやっているのだが、小説『原発ホワイトアウト』は最初から低評価にしていた。この小説、日本の原発を外国のテロリストが攻撃するのだが、官僚周りの事象以外は安易な設定、著者の思い込みが目に付くのである。同様に「テロを実行するのは外国人に違いない」という前提を著者から感じる。

Amazonや読書メーターのレビューを読んでも、そのような理由による低評価は以前からあった。彼等のバックストーリーはさほど書き込まれていないが、スリーパーセルとみなし得たと記憶している。また、そもそも、日本人はテロなどしないに違いないという思い込みを誘発する設定でもある。

無自覚にスリーパーセルを仮定するのは、以前から日本で見られた社会妄想?である。90年代の『日本朝鮮戦争』、『ユギオ2』辺りはそのものだし、正規軍によるゲリラコマンドが主体とは言え、『宣戦布告』や『半島を出でよ』も影響を受けているようにも思われる。

「若杉の小説はそんなことより社会風刺が核心なのだ」と、反安倍で脱原発を選択し、『原発ホワイトアウト』を称賛した人達は言いたいのだろうが、無自覚は否定出来ない。

【原発警備は「政治的正しさ」(PC)を考慮した方が良い】

元々、三浦も昨年までは大阪のテロではなく、原発攻撃の脅威をPRしていたという。では、原発のような本当の重要施設警備にも政治的正しさ(PC)は考慮されるべきだろうか。

私は、一定の配慮は必要だと考える。ただし、そもそもの話として、警備の必要性を認めた上でのことである。対象が運転中か廃炉かは、当分は関係ない。「スリーパーセルなどいない。故に原発は丸腰で良い」という主張があるとしたら、流石にそれは間違いである。韓国では北の武装兵士が潜水艦で上陸してくた事例もある。スリーパーセルが居なかったとしても、テロ攻撃の脅威が無くなる訳では無いという事である。

とはいっても、毎回朝鮮総連に影響を受けた北のテロリストだけを想定したシナリオで訓練をしているとしたら、実際のテロ防備は却って穴があり、警備要員に差別思想を植え付け、危うくなる。この辺の事情は以前に書いた「共謀罪の根底にある差別思想は必ず福島事故のような惨事を誘発する」、「テロ対策を言い訳に反対派を追い出して爆発した福島第一原発」(注:長文)の通りだ。

では、どうすれば良いのだろうか。

解決策として、テロ実行者のモデル化する際、従業員による内部サボタージュや、日本人による協力者を設定すればよい。外国を絡めるとしても、武器のバイヤーとしての関与に留め、実行犯は日本人とするのが、常識的な配慮だろう。また、軍服を着ていないとしても、元々は本国で訓練された正規兵であり、最近日本に上陸してきたと設定するのも良いだろう。そういった想定は、在日の一般市民が急に目覚めるといった「スリーパーセル」とは言い難く、恐らく脅威度もスリーパーセルより高い。なお、外国の正規兵の話を書いたが、国内の人口比からも「在日の中で軍事知識に詳しく、武器の取り扱い経験がある者」より、自衛官、警察官の数の方が圧倒的に多い。よって、自衛官や警察官をテロの温床として想定するのはそう的外れでもない。

また、こういったバックストーリーをセットする際の配慮は、スパイアクションもののハリウッド映画などから、政治的正しさと向き合って成功した事例を参考にすれば良いのではないか。

【ネオナチおばさん三浦瑠麗】

なお、「実際にスリーパーセルがテロ攻撃を行った場合、お前は責任を取れるのか」という批判もあるので、まだ、誰も死んでいない内に、予め答えておこう。政府レベルで、在日全般への憎悪を煽るべきではなく、一部の例外として扱い(いわゆる周辺化)、融和の重要性などを強調すべきだ。率直な憎悪煽動は却って、第二のスリーパーセルや、国内対立の先鋭化をもたらすからだ。これは犯人の拘束・射殺とは別次元の問題である。

まぁ、教科書的回答ということになる。

そのような観点から見て、三浦の発言は只の虐殺煽動であり、二度とTV出演を許すべきではない。何故なら、仮にスリーパーセルが存在したとしても、その性格から一般人が事前に摘発することはまず不可能だからである。三浦の煽動を警鐘と称して有難がったところで、ネット右翼に出来ることは気に入らない者を在日認定し密告することだけだろう。要するに全てが無駄だ、ということである。

2018年1月16日 (火)

2月26日に受験行ったら浪人確定したの、国家権力の陰謀だった説

【どうーなってるの?!♪(どうなってるの?)

今年最初に書いたブログで北条すずのすっとぼけたキャラ作りのリアリティを語った。その続きじゃないけど、高校3年生のあの日、おかしいとは思ったんだよね。

自習のため登校したら人が妙に少なかったし、当時の物理の先生から、「あれ?今日前期試験じゃなかったっけ???」と言われたにも拘らず、何事も無く直前対策の講習受けて帰宅した。

高校~残念生♪

で、翌日会場に行ってみたら終わってやんの。何だよー。センターの直前にインフルでぶっ倒れるだけでなく、受験日違ってるじゃねーか。国家権力の陰謀かよ~、と(で、結局現役は後期も落ちた)。佐藤大輔ですら「大学に通うと称して」神保町に出現したとものの本には書いてあるのに、入る前から神保町「だけ」デビューとかあり得んだろ。

(こうして試験試験試験試験試験試験・・・「チーン」という伝説が生まれた。)

【その後も・・・浪人生大爆破(チャッチャ~♪、チャッチャ~♪、チャッチャ~♪)

受験日のアクシデントとしては、まだ二股になっている駅で電車を取り違える方が救いようがある気がするね(浪人の時実践した)。

あ、言っときますけどね。浪人の時は、ネーミングだけで専攻選ぶの止めて利口学を選択したらちゃんと合格しましたからね。この一粒で二度美味しい風味をかもしながら、他の学部学科に比べて上辺だけ~な感じの、ワンランク低い偏差値が決定したポイント。最初からクライマックスの滑り止め的な(なお就職率も留年率も本学最底辺であった)。しかも、今ネットで流行の学部学科名を見てたら、早稲田では先進利口学が出来てるらしい。先進でしかもお利口。率直に言ってFOOL JAPAN!て感じ。

若しくは、研修中に自分が参加する班を勘違いして見学先の支社とは別の支社に定刻40分前の朝一に到着して悠々とコーヒーを啜りながら待機するとか(結局そのまま別の班で参加)。

まぁ別に、退勤直前に自分が予約した飲み会の店を同僚と確認した30分後、東口店と南口店を間違えてその居酒屋の予約パァにしても、何とか取り繕って生きていけてるから良いけどね。

こう書き出してみると、自分の文章に主語も無ければ脈絡も無かったりするの、「確かに、言えるな、納得」って感じ。自分スゴイ(笑)。

2018年1月14日 (日)

【所詮】差別吉本芸人は鉛の弾で自分の脳漿を吹っ飛ばす芸でもやってろ(笑)【チンピラ】

ダウンタウン浜田のエディ・マーフィ芸だが、まぁ元々先輩の横山やすしにすら「チンピラの芸」だと言われた位だし、そこから30年何の進歩も無かったのだから当然の結果と思うしかない。有名かも知れないが、ゴミ糞に過ぎない。相方もあの程度で映画の海外進出図ってたとはね。

馬鹿なのが幸いしてか、悪気に関しては、当人には無かったのだろう。他の日本人がやっている黒人差別までネットで掘られているが、それをダウンタウンの責任にされては堪らないだろうとは思う。何と言っても、80年代に巨人で活躍したクロマティの暴露本『さらばサムライ野球』にもミスをした彼に「ニガー・サナバビッチ」と連呼するファンが出て来るそうだから(如何にも正力原発の巨人らしいエピソードだ)。

しかし、継続的にそう言われてしまうのは、日頃の発言、特に松本人志のあからさまに政権に媚びた発言が面白く無いからでは。

松本は本当に典型的だが、吉本の漫才やNSCで這い上がってきたひな壇芸人は、社会批評という点では全く面白く無いからね。予備知識も無いし、勉強もしないし、殆ど全てリアクション芸で、自分の目線だけ。そしてすぐに強い物に媚びる。で、差別を肯定するから見ていて気持ち悪い。迷惑料を貰いたくなる位だ。あれを芸だと思ってる吉本芸人がツイッターで暴れてるらしいが、無価値で有害なだけ。正にお前たちのことだ。お笑いをやっているのに、面白くない。致命的だな。

人種差別への飛び火は頻度が低いが、差別の温床になり得る芸人の虐め体質は、今の何でもお笑いにしてしまう、「オレたちひょうきん族」や「漫才ブーム」世代が台頭した80年代からずっと言われてきた。「電波少年」も「めちゃイケ」もその後輩達も根本の行動原理が全員同じで、どこにもかしこにも吉本の顔。そういう風潮を作っているのは事実じゃないか。

無能な癖に地上波を占拠して為政者に代わって偉そうな説教を視聴者に押し付ける。何で日常でいい加減ストレス溜めてる時に同じようなストレス加算せなあかんのよ。そんなクソ芸人、見ている側としては頭を銃弾で吹っ飛ばし、それを見世物ショーとして放送してくれた方が遥かに面白い。

ただ、吉本の芸人でも、同和のような身近な差別に関しては比較的今でもナーバスなようだ(もちろん例外はあるだろうが)。恐らくそれは、肌感覚の体験と義務教育での成果だろう。結局は訓練次第なのかもしれない。しかし、今から吉本NSC辺りがそのような啓蒙活動に時間を割くようになったとしても、何の社会的制裁も無いままでは、松本のような先輩芸人が幅を利かせる状況は変わらないだろう。

まぁ、米英のメディアが偉そうに言うのもどうかな、とは思ってはいる。「黒人差別に無知な日本」を嘲笑うことが目的のようだが、少なくとも黒人差別にナーバスになる一番の、桁外れな原因を作ったのは奴隷として使役してきた歴史を持つ、お前等アングロサクソンだろ(笑)。

「何千万も殺し、差別して豊かになったおかげで今は公民権も認めて綺麗な映画も量産するほど意識が高くなりました」か?「ユダヤ人に平等に接するには600万人殺す必要がある」か?悪いけど「日本も欧米のような市民社会の確立を。」論者はしばしば、そういう歴史過程を「社会経験」として買おうとしている様に聞こえるんだよね。差別的で好戦的な安倍支持の極右を批判して居た筈がそういう倒錯に至る。でも、そうではないでしょう。(もっとも、対する安倍支持者は過去の自民党ハト派とも異なり、結果として平和主義に至る様な倒錯の兆候は無い。)。

表面的な上から目線でものを言いだけが、リベサヨ知識層が嫌われる理由じゃない気がする。

勿論、日本が黒人を大量に奴隷として使役し、虐殺しなかったのは、版図にアフリカが無かったという、ただそれだけの結果論に過ぎない。専ら差別の対象は、肌の色では区別のつかない朝鮮人、中国人、台湾人、沖縄、アイヌなどであった。戦前戦中はポリネシア系に対して、米英と似たような差別を行っていた。現在ODAなどで海外出張する馬鹿なサラリーマン達もそうだ(この層も少なからず右側の名誉白人化するというおまけ付きでだ)。

だがねぇ、最終的に物を言うのは規模の問題だから。それが「日本にも黒人差別の源流がある」論にイマイチ同調しない理由。率直に芸人叩けばいい。

エンターティメントにしてもそうだ。日本の国内都合である同和に配慮し、ディズニー等が指の数を調整することはない。(もっとも、日本産でもゴジラは配慮していないが。)もっとも、名誉白人は一生懸命考えて「四本指がグローバルスタンダードのままでいい理由」でも捻り出すのかも知れないが、多分辻褄なんぞ全然通ってないだろう。

だからリベラル左翼に加担してても向いてる方向が常に違う、名誉白人のことは疑ってみることにしているの、俺は。増してその価値観が、身近な上司や家族への反感と、自らに内面化した無自覚なジェンダー意識と、ハリウッド映画とドラマへの羨望だけで形成されていると思しき奴なら尚更。

正直、同時期に発覚した、H&Mの黒人広告の方があからさまな差別案件だと思う。本邦のリベラルは感度が鈍いが。以前白人至上主義を掲げていたファッションブランドが批判された時にもダンマリだったので予想通りと言う気はするけど。まぁ、日本だって同和はともかく在日に対しては今でもそうだという切り返しだったら、これはその通りだが、そこまで来ると黒人は関係無くなる。いずれにせよ、何か言い返すにしても、そういう観察も捻りも無いから、やっぱり吉本芸人は無能だなとは思うけど。

2018年1月 8日 (月)

2018年をどう過ごすか(および閑話休題)

もう1週間以上経過したが、2018年になった。コロラド氏をはじめとする当ブログ読者の皆様、本年もよろしくお願いします。

昨年末に実態に合わせてタイトルを変更したが、今年は何をしていこうか、少し考えてみた。

自分の生活を区分けすると、仕事、余暇、原発事故研究となる。311以来、徐々に余暇時間が減ってきていたが、今年は少し増やしたいなと。偶々TVを買い替えたこともあるので、やはり、流行っている映画やドラマは見たい。

記事の作成ペースは、月平均1本が目標。JSFのような高頻度化は行わない(週刊化もしない)。自分で書いた文章の初稿を読み直すと、粗も多く、同じ話題に二度触れていたり、簡単な文を変に修飾して、長ったらしいものに変えてしまっていたりするが、その校正が結構時間を要するからだ。

【原発問題】

プラントの安全性を中心としてもう数年は記事を書き続けられると思っている。勿論、これまでやってきたように、なるべく独自性を出した内容となる。勿論、先行する普遍的な主張に配慮はするが、それだけではカバー出来ない課題は幾らでもある。原発のように至る所でポジショントーク・神学論争・マニュアルトーク化が跋扈している分野は特にそうだ。勿論、単純に埋没・灰色文献を有効活用したいという願望もある。

実は、2015年にAPASTイベント後の懇親飲み会で雑談したことだが、原発訴訟の進展過程から考えて、事故に至る不作為に関する資料収集は、最初の5年が決め手なので、この期間に集中すると述べた記憶がある。実際2016年以降、資料収集のペースは以前より落とした。特に、津波問題については集められるネタは殆ど集めてしまったし、記事化出来ていないネタを消化した方が良い状態なのである。

その後、2017年に書いたブログ記事を見直して思うのは、数年に渡る資料ストックの効果が漸く出てきたなということ。あの記事群は、いずれも問題意識としては数年前からあったのだが、ミッシングリンクを繋ぐ新資料発掘やより深い考察は、2017年になって達成出来たのだ。

一方で、2018年から着手したい新テーマもある。それらを考慮の上、今年書こうと計画している記事は、次のようになる(時系列順)。

  1. 電力会社が原発導入前に実施した初期研究の検証(新規)
  2. 改良標準化・炉形戦略の検証(新規)
  3. 東電によるPAの検証(継続)
  4. 福島事故前のAM策の再検証(継続)
  5. 東海第二再稼働問題(継続)
  6. 時事問題(随時)

また、書いてきた内容を本(自費出版)にしてみたいとも思っているが、ネットのツイートに対する批判文とか、時事性の強過ぎる部分を手直ししたりする必要もあるので、とてもそこまでは出来そうに無い。ノウハウは皆無だしね。

それ以外は正直、議論の潮流を見て決めている。

例えば、原発避難や放射能汚染の問題では、私は独自に取材して見解を発表する程のリソースは使ってこなかったし、これからも、そうした問題を発信している人達の著作をフォローするのが精一杯だと思う。

なお、現状の立場だが、避難の問題は各告訴団や子供被災者支援法の側を支持。放射能汚染も御用PA屋のデタラメ安全論に与するのは論外だが、極端な反被曝やECRRをそのまま支持するには躊躇いがある。ただし、それらを強く主張する根拠は持っていないので、安易な分断的コメントは避け、比較的明瞭な御用PA達の発言や行動について批判側を支持している。ここで言う御用PA屋とは、福島県立医大、中西準子、長谷川三千子、中川恵一、竜田一人、GEPR等のことだ。恐らくこれは、普段私のブログに興味を持ってくれている人達とそう変わるものではないだろう。

【政治・社会問題】

原発事故には関係のない、安倍政治の暴走であるとか、男尊女卑等の問題なども同様。他山の石として教訓化するため、フォローしていく位かな。私自身の経験談や、書評と言う形での紹介などはあるかも知れない。

【記事にはしない閑話休題】

私自身はそれほど意識高い系という訳でもない。自宅のテレビのチャンネルが民放のバラエティやワイドショーになっている時間も多い。勿論それらを鵜呑みにしている訳でもないが、余りRTされていないコメントでも、意識高い系が事実でないことを根拠に社会批判をしているのを見かけると、それは違うだろと思うことは結構ある。

(以下、敢えて匿名化)

正直、反原発であっても、やり過ぎだと思う時はある。ネット右翼がまとめるTogetterは大抵汚物扱いされるものであり、そう思われて当然なのだが、関電の原発だかが再稼動された時、「事故が起きればいい」と呟いた反原発アカウントを集めたまとめは中々の眺めだった。「軽微な」と逃げを打つ知識人もいたが、まぁ、ある種の要注意リストとしてはデマリンVSオノデキタ氏以来の役に立つ内容であった。誰が我欲石原なのか、よく分かったし、そんな奴はいないという類のコメントは全く根拠の無いものだ。

原発以外だと例えば、年末年始にやっていたヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の再放送に対して、森山みくりに個室を与えようとしていないのは日本の男尊女卑起因の因習に由来するから平匡は趣味の模型を捨てられてもしょうがないというような批判。原作2,9巻を読めば分かる通り、本当の婚姻関係に進展する過程で平匡は個室を確保するために2LDKへの引っ越しを計画しており、間違いである(ドラマも同じ)。その計画は色々な出来事が進展する中で中断されていただけであり、加えて1LDK時代も、みくりの私服は共用スペースのクローゼットに収納されていた。後平匡って物欲的には趣味らしい趣味無いよね。

この様な問題は2016年の映画『この世界の片隅に』でも散見された。例えば、原作にはあった太極旗が削除されているから不当だとか(実際は削除されていない)。他には、主人公のすずが知的に劣っているのが慈しむだとか、反対に差別で不快だとか何とか。残念だが、あの程度のうっかりミスは健常者でも見られるものである。『フォレストガンプ』と違って作品の本質的問題点には繋がらない。そもそもすずが知的に劣った人間としてデザインされてるとも思われない(演者も)。そんな前提を導き出せる人はどういう立場であれちょっとおかしいんじゃないの。大体責任能力無かったらあの映画をネタにした「臣民」「普通の日本人」の戦争責任に関する是非の議論が根底から成立しないだろう。

誰だか忘れたが、彼女が作中行なっていた和服の仕立て直しが劣った人間のすることであるかのようにうそぶく者がいたが(その作業を女性にのみ押し付ける社会は問題だろうが)相応の服飾家政学的技術を要する。そんなことをネタにしちゃった一部リベサヨははっきり言ってバカだよね。過去に森喜朗など保守政治家の語学力をあげつらって盛大なしっぺ返しを食らったのに、相変わらず意識が高いだけの名誉白人は同じことを繰り返す。なお、私は技術的側面やクラウドファンディングを除き、あの映画をさほど評価はしていない(言及はしてこなかったが、過去記事を読めば大体分かりますよね)。

よくある、Wikipedia日本語版の思想的粗を探してくる「風習」も同じである。確かに当該の記述は右傾的な偏見に満ちているのかも知れない。その手の加筆、今より遥かに右翼だった頃を含めてほぼ100%関わってないから、まぁそうだろうなと私も思う。ただし、「そこに挙がっている文献名を確認する位ですね~」というスタンスすらすっ飛ばして「信じません」と言った口が、別の場面でWikipediaで情報を引いてくるのは何なんだろう。彼等が一様に口をつぐむのは、例えば、自分の無知や異論を突き付けられるからあのサイトが嫌いだという原初的な嫌悪感だろう。誰しも多少は持つ物だ。それに、古参の書き手側は、まぁ、GAやFA判定を受けていたり、情報の出所が遺漏なく記載されている記事を良記述だと持ち上げると、荒らしが壊しに来ると思っているのかも知れないが。

なお、私自身ここ数年は編集に参加していないが、よく当ブログで引用する添田孝史氏の著作を出典に追記しようとは考えてこなかった。それは筋をばらさない方が商業上プラスだったからだ(公正性の観点からは、書かれるべきだろうとは思う)。

学者や公的組織が積極的に関与しているから英語版は凄いという評価も眉唾だと思っている。日本でそれを愚直に実行しているのが土木学会だという事実を示すだけで当ブログの常連には十分だろう。アメリカでも役所系が協力する例はあるようで、利益相反面からはリスクがある。そもそも意識の高い人から透けて見える「何も考えずにそのまま貼り付けていいサイトがあれば躊躇なく利用するという姿勢」自体が問題の根本にあり、彼等の批判対象である右傾化した知識人と同じく、棍棒としての用途だという事が垣間見える(面白いけど本質が科学奴隷な人に多し)。

そういう人物は通常、目的外利用者と呼ぶ。特に右派リベラル。菅野完の記事から正当な出典ごと暴行事件の話が消えても完黙してるのは何故だろう。あの規模の意図的削除は日本語版でも珍しいのだがねぇ。まぁフェミニストの中にも「自分の好きな白人の芸能人ならDVやってても作品消費OK」という内容をツイートした人がいる位だから、原理的矛盾を平然とやってのける輩には今更驚きもしないが。それまでの「クソオスは社会から抹殺」な主張を根本から覆すほどの破壊力だったが、周囲のお仲間は黙ってRT。菅野氏も英番組『TOPGEAR』でジェレミーが語ったように、ジョージ・クルーニーと改名すれば良かったのかも知れない。数ヶ月経たず、彼女等が敬愛するハリウッドで告発運動が始まったが、追放されたプロデューサ等に対して何人が同じことを語れるかは大変見ものである(私は、日本でも山本圭一のような人間をある種の盾に使う吉本クソオス芸人は追放されるべきと思っているのだが。ま、吉本なんて定義に従って追放し続けたらあっと言う間におしどりさんの個人事務所になっちゃうだろうけど)。

まぁ、事をあまり荒立てない方がいいので、これ以上の言及は控えるが、彼等以上にアホだなと思ったのはかつてWikipediaにネタを取られると愚痴をこぼしていた石本某氏がYahooで一次資料汚染を主張し始めた時位であるとは言っておきたい。

余暇時間に費やす純粋な趣味についても書いてみたいが、中々難しいだろう。精々本や映画の感想位だろうか。本当は無難な?趣味として鉄道や国道探訪もあるのだがねぇ。

2017年11月 4日 (土)

韓国の技術者が日本メーカーの図面にダメ出ししまくった話

最近、私のブログ記事「共謀罪の根底にある差別思想は必ず福島事故のような惨事を誘発する」に反論コメントが付いた。

読めば分かる通り、ファッションで原発推進を言っている者が竹槍よろしく即席で身に付けた内容で、新情報は皆無、寸分の隙も無いほどカビの生えた屁理屈で埋まっている。加えて私のブログを全く読んでいないのに上から目線で開米瑞浩の「リアリスト思考室 原子力論考 一覧ページ」124本を読めと来たものだ。思わず、開米氏本人のアクセス稼ぎかと疑ってしまった位。

だが、もっと気になったのは、その投稿者名が「韓国人と仕事して困った事スマホver.」だったことである。社会に出て仕事をする年齢になって実に程度の低いネーミングであることに改めて驚く。

※後で検索して知ったが、「韓国人と仕事して困った事」とは、ハングル板の常設スレタイトルらしい。2ちゃんねるでも指折りの屑が集まることで知られるのがハングル板。通りで頭の中味が軍クラことカタログミリオタ等と比べてさえ更に薄っぺらい訳だ。そんなもの名前欄に入れてバカだなぁ。高橋まつりさんが受けていたハラスメントの方が、余程日本の労働者にとって身近で深刻な問題だね。

ネットで出張族を自称する面々の中には、こういう無意味で有害な差別意識を持つ者が目に付く。そこで今回は、過去の仕事であった小さな経験について書いてみたい。

【図面一式を社内チェックして韓国メーカーに送信】

当時、私は、とあるメーカーの設計者をしていた。そこで、ある製品の設計を私がいる日本の某社で行い、製造は韓国の同業者に委託することになった。数年前に準同一仕様の類似品を設計し、同じ業者に製造委託していたので、その時の製作図面一式を引張り出して、手直しすることとなった。

事前の話だと、韓国側は、昔渡された図面には不備が多いと思っているようであった。ニュアンスからすると、ネット右翼が喜ぶシチュエーション、「必要以上に詳細な情報を得て技術を盗もう」と言う感じでは無く、単純にデタラメな出来栄えの図面ということらしい。『日経テクノロジー』の連載「その検図、ただの図面修正ですよ」で指摘されるような、DRと同格のレビュー会は開かなかったが、「図面をチェックし、修正することが目的の依頼」と言う訳だ(中山聡史「その検図、ただの「図面修正」ですよ 第4回」『日経テクノロジー』2017/04/07)。修正作業の時間を確保するため、一つのジョブとして独立していた。

なお、会社が世間一般に見せている姿は日本企業の御多分に漏れず、品質運動をPRしていたり、別部門では航空だ、防衛だ等、何かと品質認証に五月蠅い業界にも手を出していた。もっとも、私は他部門の製品には関与したことが無い。

上記のような書き込みでシャープは注目されているが、こういった例は稀。まぁ、ネット右翼なら「普通の広報」を見て、それが全てだと思ってしまうのではないかな。

関与したことが無い、と言う点では、数年前に類似品を設計した時も同じであった。従って、当該の製作図面を見たのは初めてである。驚いたのが、確かに細かな間違いが多い事であった。

現物を見せる訳にはいかないが、ジャンル的には職業訓練教科書にある電気製図、機械製図で学ぶこと。経験者向けの表現になって申し訳ないが、例えば、下記のような感じ。

  • 同じようなサブ組立図で注釈の表現が統一されていなかったり、そもそも誤った製作指示がされている。
  • 組立図の看板(その図面の品物を作るのに必要な部品表)に書いてある部品図の型番、図面番号、数量などが誤っている。
  • 必要な部品が描かれているのに、バルーン(風船のような円の中に数字が入ってる奴。各バルーンは看板の番号と同じ番号になっている)が飛んでいない。
  • 配線が誤って描かれている。線番号やデバイス記号の誤記やあるべき回路に線が引かれていなかったり、逆に不要な線が引かれている。

当時図面を書いて承認した人達が「絵的に合っていればよく、正確性は二の次、後年の再利用など一切考慮しない」と言う態度で作図していたことが一目瞭然だった。

更に言えば、最初に図面を書いてから数年後、私がこの案件を担当する2年程前に、よく知っている同僚が図面追加とレビジョンアップをしていた。彼は、それまでに蓄積した誤記を殆ど修正しておらず、新たに書き加えた部分にも間違いがあった。彼に直させた方が事情を熟知していて早く済みそうなものだが、彼はこの案件の時点では既に転職していた。だから私の所にチェック作業が舞い込んできたのかも知れなかった。

結局、補助者の助けを借りて数日がかりで数十枚の図面を再チェックし、相互に矛盾が無くなるように手直しした。また、新しく必要な図面も数枚発生したので、新規に作図した。

チェックとは一体何か。手書きでは無いとはいえ、全てをCAD上で済ませる類の図面では無かった。結局、直した図面は一度印刷してから蛍光ペンで看板の各行、各バルーンなどを塗りつぶしして、整合性を確かめた。製作仕様書などを正と仮り決めし、図面の相違点を探したり、組立図看板に書かれている子図面の図番が本当に正しいか、呼ばれた子図面と照合したりするのである。これが組み込み用の基板なら、正しい電子部品が載っているか、回路図に矛盾は無いかなどをチェックするのである。

修正した図面は直属の上司に検図して貰い、OKが出たらサインをして貰った。その後、更に上の、課長などと呼ばれるクラスの人に承認のサインを貰った。上司達もかなり徹底してチェックしたので、この時は文字通りトリプルチェックだったと言える。

こうして、勤め先のロゴが入った製作図面一式はレビジョンアップされて、韓国に送信された。

【朱書き、コメントをつけて図面を返される】

それから1週間もしない内に、韓国から朱書きされた図面が返信されてきた。コメントには、図面一式の矛盾点が箇条書きされており、更に、実際に製作するにあたって不足している指示まで列挙されていた。例えば、「このように板金を組み上げたら合わせ目のこの一辺は溶接するのではないか」とか、「ある電気機器(市場から既製品を買っている)に接続する電線を製作しろとの指示だが、現物は既にリード線がついている、どっちを使用するのが正しいのか」といったような類の指摘だ。

中には私の会社の図面の書き方を理解していない故の誤解もあったが、付き合いとしてはつい最近はじまった所では無い。殆どの指摘は至極もっともなことで、個々の部品の仕様を再度チェックしたり(先ほどの電気機器などは製造元の仕様書を再確認する)、指摘を受けた観点から、図面間の整合性などを見直したりした。

【修正したら、また別の個所を朱書きして返信。以下無限ループ】

そうやって直した図面を送信したら、また1週間後に数枚の図面が朱書きされて返信されてきた。そうこうして同じやり取りを何回もしているうちに私は別の案件の担当に変わったのだが、「とにかく細かいところまで見ており、チェック能力が高い」というのが印象として残った。

漏れた技術?無いよ。根本的な理由として新規開発要素が全く無かったから。事件を期待している売国ネット右翼の皆様には残念なことだが。

【欠けているのは、日本企業への内省】

ビジネスマン相手の海外進出本でも、冒頭の出張族の機嫌を取るためか、「俺が日本の緻密なものづくりをおしえてやった」という目線で書いてあるものが多い。海外の製品仕様書などを見ると似たような調子で書かれている物も散見するので、どこも同じなのだろうとは思うが、まぁ、そんなもの何時までも信じてる方が馬鹿を見る。

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中山 聡史『正しい検図-自己検図・社内検図・3D検図の考え方と方法日刊工業新聞社 2017年8月

書店の機械設計のコーナーに行くと置いてある検図本から一冊。設計者に内省を迫る技術書はジャンルとして存在しているが、外国との関係を書いた内容を示す「海外」や「日本」といった単語が書名に無いため、政治的なあれこれが好きなサラリーマンの目には止まらない。また、乗り物や有名建築物や兵器の名称が入ってないため、メカオタクの目にも止まらない。しかし、本当に社会の(日本のでも良い)製造業や技術を支える人材になりたいなら、こういった本を何度も読み返す事である。

「××国はこの20年で様変わりし、品質が向上した」といった話は方々で聞くが、バタ臭い話としては上記のようなことを指す。今回は取り上げていないが、韓国だけでなく、中国相手でも先方からミスを指摘されることは普通にある。恐らく、私の業界だけではないだろう。

【反論の余地が無い理由】

やれKTXが故障した、やれ携帯電話が壊れた等、馬鹿なネット右翼とサラリーマンが断片的なニュースを振りまかれる度に泣いて喜んでいるのがここ10数年のネットの風景である。「私、失敗しないので」とか、医療ドラマの主人公みたいなことを本気で思ってるのかな。その割には「俺の勤め先には〇〇の賞を貰った△△さんがいるんですよ」等、他人の成果に依存した発言が多いのも特徴だけどね。

恐らく、このブログ記事も将来何かの「事件」が起こる度に無能なサラリーマンたちの劣等感を刺激するのだろうが、品質工学の分野では2000年代には韓国製品のレベル向上に目が行っていた。日科技連からも本を出している品質工学の専門家が、十数年前、そう教えてくれた。だから、私の場合は、技術者倫理を知る前から韓国製品を馬鹿にする風潮に危機感を覚えていたのだが、社会に出てから、それを体験することとなったのである。

ま、他国の品質を馬鹿にする前に、国産製品の品質問題(最近なら日産や神戸製鋼がそうだ)、やりがい搾取、世界シェア喪失などに目をつぶる時点で、あの手合いは無能で只の自己顕示欲の塊なんだけどね。

更に言えば、自信を持って他社に渡した図面が朱書きされて戻ってくるという現象自体は、ものづくりでは日常的な風景でもある。日本メーカー同士でもあるし、今回と逆に、私の会社が朱書きする側であったこともしばしば。ただ、私が経験した事例は、韓国もそれが出来るレベルに到達したことを示すということだ。

【韓国人は天才でも劣等人種でもなく、ただの人】

勿論、韓国人は天才秀才の集団では無い。日本人がそうではないことを日々証明しているのと同じである。

私は、小学校の時から在日が多い地域で育った。中にはヤクザの威光や成金を笠に着てクラスで浮いていた者もいる。また、公私共に見てきた韓国人の中にいい加減な人もいる。しかし、人が皆違っているなんてことは当たり前だろう。別に、尾瀬あきらのマンガや2016年の映画『ドリーム』などにも出てくる「あなたは差別してないつもりなのは理解していますわ」的な、意識の空回りまで即日根絶しろと言っているのではない。

恐らく、件の投稿者はサラリーマンとしてもレベルが低く、そのような低レベルの日本人には適当な態度で接すれば良いと思われているか、似たような低級の人材を当てがわれているのだろう。そう思われたくなければ、私的な場で原発の是非について書き込んでいる途中に、「仕事で韓国人がどうのこうの」などというバカな反応をしたり、「こんなに批判されている」などとハングル板を引き合いにはしない事である。私は確かに批判「も」されているが、2014年頃から2016年頃までは毎日のように「こいつは在日朝鮮人で生活保護を不正受給している」などと書き込みされていた。累計では数千回あるだろうか。彼本人が書いたのかは知らないが、ああいうものを「批判」とは呼ばない。

軍クラこと盆暗が出入りしている幾つかのスレに書き込まれている「批判」なるものも(私ばかりでなく、文谷和重氏や清谷信一氏に対するものも含めて)、大同小異である。だから彼等はTwitterで幾らもっともらしいことを呟いていても、信用されることは無い。

2017年4月23日 (日)

【フェミもネトウヨも】スイスの鉄道の10年以上前にPC対応キャラを登場させていた鉄道むすめ【上辺だけ】

以前、【みぶなつき】駅乃ちかこ萌え路線で炎上した鉄道むすめ【あなたは多分偉かった】という記事を書いた。

2016年秋、トミーテックが鉄道各社と打ち合わせた上で商品展開している「鉄道むすめ」に東京メトロの新キャラを登場させたところ、絵師の伊能津がエロゲー的描写を露骨に持ち込んでネット炎上してしまったという事件である。

この時は主に擁護する側が表層的で毎度おなじみPCに対して感情的に反発するだけという反応を示していたので、みぶなつきの場合はより実態に近い姿で商品化してきたことで、炎上を起こさなかった事実を紹介した。

今回はその延長戦として、スイスのレーティッシュ鉄道が萌えキャラを採用し、フェミニストとネット右翼がこぞって賞賛するという出来事があった。

スイス最大級の私鉄が欧州で初めて日本の萌えキャラを正式採用「マジか!」「スイスはじまったな」

スイスの鉄道萌えキャラは「みちかと違う」のか?「まなざし村」的には正しいのか?

一言で言えば、そこで騒いでるネトウヨは鉄道むすめを商品として購入したこともなければ愛着も無いであろうこと、対するフェミニストは過去色々批判されてきたように本質は自分を洋画に投影した名誉白人に過ぎず、舶来ブランドの時だけ珍重する傾向が露骨に出てしまったと言える。勿論どちらもTwitterではしゃいでいる人達の事で、特定の主義思想に染まっている全員に該当するとまでは思わないが。

togetterには収録されてないが、フェミニストとしては比較的マイルドなこのざまんぐ(@konozama347890)氏が積極的に引用していた。多分彼女等の間ではほぼ共通認識なのだろう。

しかし、スイスの鉄道がこのようなコンセプトで臨んでから好意的に取り上げる辺り、彼女等の日本観は歪んでいる。後からもっともらしい理論武装をしても、最初で躓いてるので無駄。何故かと言えば、マニッシュなキャラ(端的にはズボン姿)は10年以上前に登場させているからだ。そもそも、鉄道むすめは10以上のシリーズを重ね、数10名から100名前後のキャラクターが登場している。従って、容姿のバリエーションもそれなりに多様化しているのだが、それを知っていたら、スイスのデザインを見てむしろ「後退」したとすら主張していたのではないだろうか。

その後、更にマニッシュさが増した事例が下記だが、これも9年程前に登場している。

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朝倉ちはや(鉄道むすめシリーズVol.6より)

駅野ちかこにしても、姿勢を職業人らしく修正すればシリーズを展開する側から見て、事は足りることを上記の例は示している。

朝倉のようなキャラクターはPC対策を意識した面もあろうが、リアリティを持たせた結果、より現実の日本社会を反映されたことが大きい。基本的には実在事業者の制服を再現しているに過ぎない。制服がマニッシュであるかどうかは、事業者次第ということだ。特に乗務員を対象とした場合はズボンの比率が高い。

東武の場合、駅係員が登場しているが、制服刷新時にズボンに変更し、等身を見直している。

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栗橋みなみ(鉄道むすめシリーズVol.8より)

栗橋みなみ(鉄道むすめシリーズVol.2より)(旧制服)

彼女等とスイスのキャラを比較し、後者が再現性・PC上劣っている点を列挙すると次のようになる。なお、アートに係る部分は評価ポイントにしていない。

  • 何か動作をしてる訳でもないのに内股である。
  • 制服が非実在。お洒落のために制服を創作・改造するのは萌えアニメの特徴だが、それ以前から女性でもそういう願望をコメントする方をネットの内外で見聞したものだ。
  • 髪が腰まであり、服務上巻き込み危険がある。日本なら恐らく美観上も問題視され、「服装の端正」を運転安全規範10項に組み入れている西武ならば即乗務を外されるレベル(最近同社現業職と話したが、相変わらず厳しいそうでご苦労なことである)。なお、フェミニストが軽蔑するであろう『出発シンコー』には巻き込み危険について啓発した回が存在する。
  • プロとしては謎の敬礼ポーズ。二の腕が上過ぎ、親指が揃っておらず指先も内側過ぎる。何かの動作中でもないのに全体として崩れている。イベントで頭の軽い若手女優が一日駅長をしているような。事業者によっては打ち合わせ時に敬礼動作も教えるから場合によっては一日駅長以下だな。
  • 評者が考える「受け手側へのメッセージ」が時代遅れ。「女の子も車掌さんを目指していいんだよというエンパワメント」を目的とした女性鉄道員採用活動など、2000年の雇用均等法改正による深夜労働解禁以来、リクルート活動等で幾らでも行われており、昭和鉄道高校、近年では岩倉高校(いずれも専門校)も受け入れ態勢を整えている。今更人形の出る幕は無い上、出すなら朝倉や栗橋のようなスタイルが正当だろう。
  • 極初期のシリーズを除き、等身は現実に近くなるようにデザインされているが、スイスのキャラクターは概ね1等身低い。なお、初期のシリーズは等身は低かったが手足等もデフォルメされており、全体としては成人女性の印象が与えられているが、スイスのキャラクターは単なる少女のようにしか見えず、身長制限で車掌が出来ないのではないかという不安すら抱いてしまう。

特に受け手認識の件。2014~15年頃Twitterなどで批判の的になっていた、「同僚へのお客汲み」が、21世紀にはほぼ絶滅していると分かった時、一転して「あんなものはもう絶滅した」などと合いの手を入れる現象があった。雇用におけるM字カーブの犠牲者が家で騒いでいたのかなと思っていたが、この件も、それに近いものを感じる。

なお、アートな部分の評価とは「全員ではないにせよ多くのキャラクターには製作側の『本物の女性鉄道員』に対する真摯なリスペクトと期待が滲んでおり、現場での受けも私が聞いた範囲では悪くは無いこと」「3次元化した際に破綻しないようなデザインへの留意が必要であり、基礎的なデッサン力を要すること」である。

あるフェミニストによるとスイスのキャラクターは次のように見えるらしい。

ルーズな制服は警察官や自衛隊員同様、採寸の際に推奨される。軍装ゴロと仲の良い筈のネトウヨは何故突っ込まないのだろうとは思うが。だから、リアル側に振ればバストの大きな人以外は上記ツイートの通りとなる。しかし「はつらつとした表情でぴしっと敬礼」とは何の冗談だろうか。洋画のイケメン軍人はフォーマルな場であんなことやってるのか(笑)。頭の花もスイス製とくれば無視することを含めて、こういうのをダブルスタンダードという。

そういった点を考慮すると、みぶなつき氏の絵はありそうな動作を元に創作しており、リアルさも客先に応じて振り幅を持たせるなど、やはり水準が高い。スイス人が絡んだから誉めてる連中には物を見る目も、商品について理解する能力も、調べる力も無い。キャラ紹介を見ることすらしていない。

彼女等をバックアップしているインテリ連中も同様だ。例えば2016年の映画『サフラジェット』のエンドロールには女性参政権付与国リストが出てくる。だが、その出来栄えが適当過ぎ、本編での感動も興ざめであった。具体的にはアジア圏の記述がほぼ無く、当ブログ記事執筆時点でWikipedia英語版以下。ちなみにに日本語版のアジア圏の記述は英語版に無い国複数への言及がある。フェミニストに加え、英語版盲信者が目を塞ぎたい不都合な現実といったところか(どちらにも記載が無いのは北朝鮮。男女共に実態は奴隷だが、形式的な話を言えば存在している)。しかしそんな映画のリストですら、スイスの参政権付与は日本よりもずっと後だったことを明記している。スイスは日本語の情報源が少ない国だが、かの地の女性観を考える際、このことは恐らく基本認識だろう。ヨーロッパなら何でもチャラになるのだろうか。

少なくとも鉄道むすめシリーズに一円も投資したことのない私すらこれだけ指摘出来てしまうあたり、両者はつくづく無能だ。

コラム
そういえば、2000年代後半に放送されたNHK『熱中時間』の鉄道熱中人特集回も、最初に登場した女性オタクは腫物だった。どう腫物だったかというと、趣味が男性駅員の後姿撮影だったことである。鉄道マニアをギャラリーとしてスタジオ収録に参加させる番組だったので、渋谷に行った私の後輩が臨場感たっぷりにその様子を語っていたが、彼女の紹介になった途端、ギャラリーを含めてスタジオが凍り付いたという話を覚えている。確かに、ちきささ氏言うところの「公共の」番組に出すような代物ではなかったね。性別が逆だったら当時の開明的なNHKでも即ボツ企画だっただろう。

PCについては更に付け加えておこう。鉄道むすめは(少なくともみぶなつき時代は)事業者に配慮して再現性などに拘っていたが、それでも参加を見送った社は数多い。JR本州3社、大手民鉄などは参加していないか、現業職の登場を控えている社がかなりある。それはそれで、PC的にも一つの見識である、と取ることも出来る(「偉い」とまで言えるかどうかは、また別問題だ。)。

また、参加した大手民鉄を見ても、東武、小田急、西日本鉄道などは他社に比較しても現業職の性的ニュアンスが抑制されている。ここに彼等のプライドが垣間見える。それに比べると、東京メトロは社会的影響力の反面地方民鉄以下のPC対応だった訳で、確かに脇が甘い。

コラム
鉄道むすめは企画の発想自体はそこまで悪気を感じるものでもない、と思うところもある。PCの問題で炎上する前は、地域振興の件で御大層な説教をインテリから受けてきた。そういう批判を受けながら、地方民鉄や3セクが鉄道むすめとコラボレーションして集客に尽力してきた事情を多少は知っている。批判でよく覚えているのは、JTBの鉄道未成線シリーズで知られる森口誠之(とれいん工房主催)。結局関係者から「我々は収入確保に必死なんです」と反論されていた。

地方民鉄が苦境に陥っているのは大都市への人口集中、総人口の減少、新幹線開通による在来線切り離し、国庫助成の先細り、車社会等構造的要因があり、仕方ないことではある。だが、それを大都会に住む者が上から目線で小馬鹿にする醜態は見苦しく、不快なものでしかなかった。まともな萌えキャラ、ゆるキャラを使って何年かでも延命につながるのなら、それが苦境に陥ってる当の事業者にとっては、実行可能な数少ない施策となる。軍隊と結びついた連中と違って、外交や歴史に対する弊害も少ない。地方民鉄に社会制度の変革を要求するとか何を夢見てるんだろうあのバカは、と思ったものだ。

なお、同時期に炎上した週刊少年ジャンプの女性トイレロゴが過度に性的にデザインされた件については、弁護する余地は少ないと考える。大衆性のある雑誌で影響力の問題は否定出来ないし、何より社内で実用しているのはNG。下手をすると80年代にラブコメ路線へ転換する前の編集部より頭が軽くなっていやしませんか、とは思う。

2016年11月28日 (月)

【30年前から】東電老朽OFケーブル火災で勝手な広報を行ったへぼ担当氏【ほったらかし?】

東電新座地中送電線火災と老朽OFケーブルQ&A集」で、火災を起こしたケーブルが防災シート(防火シート)未施工であったことを取り上げた。高度成長期以降に大量建設された社会資本の老朽化は、1990年代頃から予告されてきた。一般向けにもNHKスペシャル「テクノパワー」で取り上げるなど、先行して問題提起を行ってきた人達がいる。

その老朽化が現実の事態となった2010年代に我々は生きている。従ってこの点を中心に再度、問題の深掘りを行うことで、検証報道の質を高め、社外・専門外の我々が事故を回避するにはどのような視点を養って行けばよいか、一つのモデルケースになれば良いと考える。

なお、東京電力パワーグリッドは11月4日、「第2回「新座洞道火災事故検証委員会」開催について」、続いて11月10日にもプレスリリースを公表している。何時も通り、立派なフォーマットに美しい写真とグラフ。大抵の人はここで追及を辞めてしまう。だが、それは問題だ。

今回は、下記の疑問について更に調査を加えたので、大幅に加筆して再掲する。

【2021年までに防火シートを巻く予定だったので無為無策では無い?】

Togetter_com_li_1039761_comment OFケーブル他備忘-Togetter 当該ツイート(その1その2)。

彼のことを取り上げるのは、大学院で原子力工学を学んだ後、原発に勤務していることを公言、自らの技術力を過信し、ネット炎上を糧にする右翼系軍事マニア達と結託して日々原発事故被害者への中傷をバックアップしているからである。そして、上記の東電対応への評価だが、私に言わせれば極めて疑わしい。防災シートを地中送電施設の要注意個所に巻く対策は2000年の、電気系資格受験雑誌に既に載っていたから。

(2)難燃性・不燃性電力ケーブルの採用
CVケーブルの採用、ケーブルシース・介在物に難燃性を付加、ピットへの砂の充填、
難燃材料(防火シート)のケーブルへの巻き付け、塗布、OFケーブルを用いる場合は密閉型防災トラフ内への収納などを実施する。

「地下式変電所の変圧器,遮断器,開閉器等の電気工作物に対する火災対策に関するキーポイント」『電気計算』2000年8月P32

なお、第一報写真では一般部が写っていたが、どうも事故が発生したのは防災トラフに覆われた一般部ではなく、新洞26というナンバリングをされた接続部のようだ。OFケーブルでも接続部は一般部と構造が異なる。

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別紙2「電気関係事故報告」の概要」東京電力パワーグリッド 2016年11月10日

送電は交流3相で行うため、OFケーブルは一般部では3本1セットで俵積みし、密閉型防災トラフで覆われている(当ブログQ&A参照)。公開された写真を見ると一般部では密閉型防災トラフを覆うように3本まとめて防災シート一巻、接続部では1相、つまりケーブル1本につき一巻の形で行われているようだ。

ただ、考えるべきはメンテナンス費の不当な削減で2021年まで伸びていたのではないか、という疑問である。

そのため、この問題を10月21日に当ブログで取り上げてからも、資料調査は続けた。目的の一つは「地中送電線に防災シートを施工することが何時から一般化したのか?」、を明らかにするためである。

その結果、次のことが分かった。

まず、東京電力パワーグリッドの公開資料によれば、防災シート対策は2002年より着手したものだという(電力用防災シートについては古河テクノマテリアルのカタログ「電線・ケーブル線路における延焼防止対策にプロテコシリーズ」を参照してほしい)。

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第2回「新座洞道火災事故検証委員会」開催について」東京電力パワーグリッド2016年11月4日

計画の完了は2021年だったから、20年の長期プランということになる。経年30年超過の設備を山のように抱える状況で、この設備投資計画は無いだろう。せめて、10ヶ年計画程度に短縮出来なかったのだろうか。

もっとも、発表資料に書かれていないだけで、元々は2016年より前に終わっている筈の計画が、何らかの事情で延期されたのかも知れない。ただ前回記事でも触れたように、設備の老朽化を放置せざるを得ない原因として全電力に共通するのは、原発事故では無く、失われた20年と呼ばれる長期不況と電力自由化なのだが。

さて、具体的な設備の問題を考えるにあたって、『東京電力北東京電力所三十年史』という資料を入手した。火災を起こした設備を含め、東電の送配電設備を扱っていた部署の記念誌である。ここから防災シートに関係する事項を拾ってみよう。

通信用ケーブルは1980年代前半までに、防災シートを覆う工事が施工済みであった。

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『東京電力北東京電力所三十年史』P226 1989年

OFケーブルは送電用なのでその放熱が問題となる。東京電力パワーグリッドの公開資料を見るとトラフごと防災シートで覆っているように見えるが、大気並に熱放散性の良い素材を開発するのに時間を要した可能性は考えられる。

なお、城北線、北武蔵野線を所管していた東京電力北東京電力所(1989年各支店に移管)によると、1978年にOFケーブルの気中布設部への防災テープ巻きについて、1985年にケーブルが集中布設されている個所への防災テープ等の巻き付ける旨、対応策を決定している。

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『東京電力北東京電力所三十年史』P187 1989年

1985年の方針については、東電が電気学会の研究会にその理由を一段詳しく報告している。

4.東京電力における電線路の難燃防火対策の現状

 ここでは、以上のような電線路に対する難燃防火対策の一般動向にあって、東京電力における現状を述べることにする。

4.1送配電線路における対策
 昭和50年代前半の対策として(中略)地中送電設備については、154kV以上のすべてと66kVで系統面から地絡電流の大きい場合には、既設および新設のOFケーブルおよびCVケーブルの洞道部、人孔内オフセット部、シャフト部ならびに気中立ち上がり部に防災テープを採用することとしていた。
 昭和59年11月の世田谷区内で発生した洞道内のケーブル火災の発生を契機に、消防法の見直しが行われることになるが、社内的にも洞道防災対策検討委員会を組織し、対策の強化について検討が進められた。それまでの設備でも、電力ケーブルの被覆材は既に難燃性のものを使用し、さらにケーブル事故電流によりケーブルが出火しないような対策を実施しており、防災レベルは比較的高いものと言えた。しかし、

  • 変電所の引出し部等ケーブルの集中箇所で万一火災が発生した場合は極めて大きな影響がでる
  • 当社ケーブルが他企業設備と同一空間に布設されている場所では、他企業設備からの類焼と他企業設備への加害の危険性がある。
  • 洞道換気口付近のケーブルは、第三者からの被害を受ける危険性がある。
  • 共同溝と当社洞道との連系部は、隔壁がないために出入りが可能であり、第三者からの被害を相互に受ける危険性がある

ことから、従来の対策に加えて、万一の失火による火災の拡大防止、第三者による被害の防止など主に人為的な火災による被害を防止するための対策がさらに必要であるとの結論を得、対策の見直し強化が実施されることになった。
具体的な見直し強化策から本稿に関する部分を抜粋すると、以下のとおりである。

  • 重要箇所の変電所引出洞道、ケーブル処理室、オープンピット、配電用地下孔等ケーブルが集中する個所については、敷設されている全てのケーブルに防災テープ等の難燃材の巻付け又は消火装置の設置を行なう。
  • 洞道内多条垂直布設部分については、全てのケーブルに防災テープ等難燃材の巻き付けを行なう。
  • 他企業設備と同一空間にケーブルが布設されている場所については、耐火壁の設置又はケーブルに防災テープ等の難燃材の巻き付けを行なう。
  • 洞道換気口付近の全てのケーブルに防災テープ等の難燃材の巻き付けを行なう。
  • 洞道内に布設されているケーブルの給油管に防災テープ等難燃材の巻き付けを行なう。


また、この時の対策として、地中線部門が洞道内に新設するケーブルは、密閉型防災トラフを使用するものを除き、防災シースケーブル(酸素指数35程度)を使用することとした(後略)

藤本孝(東京電力)「電力設備(主として電線路)の難燃防火対策及び動向」『電気学会研究会資料 電線・ケーブル研究会』1991年3月P5-6

この説明を今読見直すと、次のことが分かる。

  • 1985年当時は、他社の設備に類焼しないことを優先し、自社設備しかない新洞26は対象外だったように読み取れる。しかし、ケーブルの集中する処理室に新洞26は該当すると考えられる。
  • 消火装置を設置することとなっているが、実際の記録を読むと消防の到着まで消火装置は作動していない(設備もされていない?)
  • 密閉型防災トラフを採用した城北線一般部は1985年の方針に照らすと防災テープ・シートの対象外であり、2002年以降の設備投資計画で対象となったと考えられる。

下記に東京電力パワーグリッドが発表した時系列を示す。

 

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別紙2「電気関係事故報告」の概要」東京電力パワーグリッド 2016年11月10日

電気技術者が法規制(省令)として思い浮かべるのものに「電気設備の技術基準の解釈」というものがある。最新の版と2006年の版でチェックしてみた所、120条に防火措置の方法が規定されており、「地中電線に耐燃措置を施す」「自動消火設備を施設する」のいずれかの方法によれば良いとなっていた。

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第120条の3『電気設備の技術基準の解釈

恐らく、この規定が現在の形になったのが1985年なのではないだろうか。

だが、275kVの送電線まで一律にこの規定で済ますことには疑問がある。より油量の多いPOFケーブルで事故が起きていたら爆導索のようになり、地上への延焼なども深刻化していたのではないだろうか。防災シートばかりでなく、消火装置が30年前に設置の必要性を謳っておきながら、今回記録に無いというのは本当に驚きだった。勿論、事故前からウェブ上にもメーカーの資料は存在している(「自動消火装置システム」株式会社エステック。PDFは2014年に作成)。規制の緩さに驚いたのだ。

先ほど紹介した東京電力パワーグリッドが公表した対策には、自動消火設備の設置を2019年までに完了させるとあるので、恐らく新洞26には無かったのだろう。ただ、それが30年越しの宿題であることは事故後のリリースを見ているだけでは、絶対に分からない。これが、調べることの意味と言える。

さて、へぼ担当のツイートについて、「極めて疑わしい」と書いたが、上記を鑑みると完全な虚偽広報と言えるだろう。30年かかって完了しない防災シート計画など、何もやってないに等しい。そもそも、彼はこの事故に高い関心を示しながら、防災シートについてはわざわざ事故から12日も経過してから追記した。そして、柏崎刈羽を始めとする原発にOFケーブルが採用されてきたこと、そのリスクについて何も語っていない。また、彼がツイートしていたケーブル火災消火に関する蘊蓄も、城北・北武蔵野線に関しては虚偽である。身内弁護の垂れ流しは毎度のことだが、全く呆れてしまう。

【余談】検証委員会に委託先の東京電設サービスが出てこない

『東京電力北東京電力所三十年史』は1980年頃より、変電、地中送電設備共に子会社の東京電設サービス(1979年設立)への社外委託を進めたとしている。同時期に東電全体で進められていた子会社化による経営スリム化の一環であろう。この時点では設備の良否判定は東電社員が実施となっている。今回も東京電力パワーグリッドが検証委の取りまとめをしており、2000年代以降も事情は同様であろう。

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『東京電力北東京電力所三十年史』P154,196-197 1989年

ところで、検証委員会名簿には東京電設サービスの技術者が一人もいない。同社が2015年に投稿した記事では同社による保守サービスの完結性と劣化診断技術を誇示し

今後もCVケーブルだけでなくOFケーブルも含めた電力ケーブルの異常診断技術の研究開発に努め、その成果で電力安定供給確保に貢献していきたいと考えている。

研究グループ紹介:東京電設サービス(株) ES本部 分析・診断リサーチセンター」『電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌)』Vol. 135 (2015) No. 1 P NL1_8

と述べていた。東京電力パワーグリッドというフィルターを通し、現場との距離感ができていないか、本当に有用な声(例えば、新しい診断ツールの導入提案を東電本体に潰された、など)が届かなくなっていないか心配である。

2016年10月23日 (日)

【柏崎刈羽に】原発とOFケーブル火災リスク【大量敷設の実績】(追記あり)

前回記事「東電新座地中送電線火災と老朽OFケーブルQ&A集」より原子力発電所に関係するQ&Aを分離した。原発問題にてケーブル火災は以前から俎上に上がっているテーマだが、OFケーブルとその老朽化に関する議論は話題になってこなかったように思われる。しかし、今回の火災でそのリスクが顕在化した以上、今後は焦点を合わせる必要があるだろう。

なおOFケーブルに関する基本的なQ&Aは前回記事を参照されたい。当記事は新事実が分かり次第随時追加する。

【OFケーブルは大都市の他にどこで使われているの?】
周波数変換所や直流送電線、発電所で採用されている。新信濃の周波数変換所が竣工してしばらくは、電気新聞1982年1月1日7面下段の広告などに、「TMI事故対応で関電の原発を一時停止した時に電力融通で大活躍した」などと宣伝していた(リンク)。

しかし、直流送電線は北本連系のように海を渡る場所に使用されているので、防食の潜在リスクは内陸の設備より遥かに大きい。原発がスクラム等に陥った時、特に地方電力は会社間融通で脱調・停電(系統崩壊)回避を目指していると思われる。そういう観点からは北海道電力などには、今回の事故は有用な参考事例となる。

更に、瀬戸大橋のように橋梁に共架されている場合、他のインフラとの共用であるから、鉄道・自動車・電力のいずれかが重大事故を起こすと残りも不通となるリスクをはらんでいる。

発電所での使用については下記のQ&Aを参照。

【OFケーブルは原子力発電所でも使われているの?】
火力発電所および原子力発電所では主変圧器、起動変圧器に接続する動力ケーブルに使用されている。原子力発電所の場合、これらに加え予備変圧器が設置されている。これら変圧器と所内の開閉所間がOFケーブルとなっている。未更新の例が目に付くが、所詮は可燃性の液体循環に依存したシステムである点が本質安全の面からは懸念されてきた。ただし、POFケーブルはOFケーブルに比較すると耐震性は高い(『電力ケーブル技術発展の系統化調査』P129)。

今後、少なくとも原発向けは、CVケーブルなどのオイルレス化、トラフの不燃材料化を規制要求した方が良いだろう。トラフについても、砂埋は不燃性ではなく、酸素指数の低さ(20%)から難燃性も怪しいので、同様に取替を要する。外部電源の作業となるので、被曝作業は無い。

また、OFケーブルが独立している場合は火災が発生しても当該回線の破損だけで済むが、他のケーブルと洞道やダクトを共用している場合は注意が必要だろう。例えば伊方発電所は、予備変圧器用OFケーブルの上に制御ケーブルトレイが何段も敷設される構造となっている。下記は分かり易さのため1・2号機時代の図を示したが、3号機でも他の用途のケーブルと同じ洞道に収納する構成と考えられる(『火力・原子力発電所土木構造物の設計』1977年P569,『火力・原子力発電所土木構造物の設計増補改訂版』1995年P973)。

 

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出典:『火力・原子力発電所土木構造物の設計』P569(クリックで拡大)

【電力の資料は詳しいので、リリースを追っていればOFケーブルの状況も把握できるの?】

そうとは限らない。東海第二発電所のように停電で注目を集める前はケーブル関連の説明資料から除外していた例がある。

実際には下記のようにOFケーブルを使用。

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出典:『東海第二発電所設備概要』1972年P84

原発でこうした老朽OFケーブルの更新事例が無いか、以前のブログ記事で紹介した「島根原子力発電所1号機電気計装品の予防保全対策」『火力原子力発電』1997年9月を参照したが、OFケーブルは対象外だった。比較的更新に熱心な事例でもこのような状態であることは注意が必要である。

10/26追記:なお、メーカーの中にはOFケーブルや油入変圧器の更新を技報で謳っている事例もあるが(「原子力発電プラントの性能向上と寿命延長」『東芝レビュー』2010年12月)、実施場所は明らかにされていない。以前、日立国分でも同種の記述があることを紹介したが、311前に、どこも更新ビジネスに手を付ける動きが顕在化していたのだろう。各社の工事を積み上げて、どの程度の設備がカバーされているかは、私には分からない。

【原発のOFケーブルはどの位の長さなの?】

開閉所と主要な変圧器との距離による。福島第一5号機の場合、210m。

Furukawa197705_no61p21_ofcable_500kV OFケ-ブルの開発と布設」『古河電工時報』1977年5月P21

【最も長いOFケーブルが使用されているいた原子力発電所は?】10/26修正

最長であるかは分からないが、柏崎刈羽原発では5号機用に1800m使用されているいた。納入は古河電工で、同社が本機以前に敷設してきた福島第一5号機、福島第二1号機、川内2号機などと比較しても極端に長い。

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出典:「柏崎刈羽原子力発電所向500kV OF ケ-ブルの布設」『古河電工時報』1989年7月P54

私は通常のOFケーブルに生じる問題の他、下記のリスクがあると考える。

  • 敷設が1989年のため経年は27年で一般的なOFケーブルの設計寿命に近い。
    なお、先んじて敷設された1~4号機用OFケーブルは経年30年を超えていると推測。
    ※※10/26:中越沖地震での損傷を機に、CVケーブルに更新されたとのこと。
  • 亘長1800mは一般の送電線に準じる規模で高低差も40m以上あることから、地震の際は地盤変位の影響を受け局部的に過大なストレスがかかり、絶縁破壊→地絡するリスクがある。
    ※10/26:中越沖地震によりこのリスクが顕在化し、引き換えられた。
  • 洞道の温度上昇抑制に送風機を使用しており、送風機電源喪失時に適切に送電が遮断されないと、極短時間でケーブル焼損に至り火災発生の原因となる(通常の地中送電線でも起こり得る問題だが、電源喪失問題が注目されているため、記載)。
  • 敷設されているいたケーブルはアルミ被タイプで北武蔵野線などで使用されているものと同構造となるため、機械的疲労のリスクなども類似する上、ケーブルサイズは柏崎刈羽5号用の方が大きい。
    ※10/26:5号用は引き換え済みだが、他原発でも考えられるので注意喚起のため残す。
  • 洞道が5・6・7号機で共用されているため、一つが発火すると残りの2つも貰い火で機能を喪失する可能性が高い。また、油量も3回線分存在する(なお6号機のOFケーブル敷設はフジクラが担当し同社の技報に掲載されている)。
    ※10/26:中越沖地震で損傷後、新しい洞道を建設した。
  • 洞道の断面が他のケーブルを共架する構造になっており、1本が発火すると全て貰い火で機能を喪失する可能性が高い。
  • 500kV級ケーブルのため、敷設の際はケーブルドラムの陸送が出来ず船での輸送となった。今後OFケーブルをOFケーブルで引き換えることは無いと思われるが、不慮の事故などが発生した際、早急な復旧は望めないことを意味する。
    ※10/26:中越沖地震で現実化した。
  • 10/26:洞道で火災が発生した場合、煙を建屋に引き込む恐れがないか、確認の必要がある(後述)。

本年10月に実施された新潟県知事選挙は野党系候補の米山氏が当選したため、同県が原発に厳しいチェック体制を継続することが望めそうである。福島事故の原因究明の他、再稼働/廃炉問題に際してOFケーブルのリスクについても是非議論を深めて頂ければと考える。

10/26追記【原子力発電所でのOFケーブル損傷事例はあるの?】

ある。上記設問を書いた後気付いたが、中越沖地震で4号機の洞道を損傷したほか、一部ケーブルに傷などを確認した。そのため1~5号機はCVケーブルに引き換えし、5~7号機で共用していた洞道は狭いため、新しい洞道を建設したとのことである。

CVケーブルへの引換は良いことだが、完全ではない(311後に6・7号機用に手を入れたかは不明)。この施策を他原発が追従しているのかは、東海第二のような事例もあり注意が必要だろう。

・「2.4.2 屋外設備と地盤・埋設構造物の修復と耐震補強」2-20~2-23 日本技術士会
・「2.4.2 屋外設備と地盤・埋設構造物の修復と耐震補強」2-24~2-26 日本技術士会

10/26追記【原子力発電所のケーブル火災で今後警戒すべきケースは何?】
今回の発火事故と中越沖地震の被災例を見て分かることは、OFケーブル火災が現実の脅威となったことである。地震により送電をストップする前に地絡し発火、といった複合事例も考えられる。私見だが、脅威になるのは火災だけではなく、煙も注意が必要だ。

各原発の洞道がどのようになっているかは分からないが、まず確認すべきは利便性を重視し原子炉建屋の非管理区域などと接続するルート(メンテナンス・空調・計装等)が存在しているかどうか。存在していると、建屋内に煙を引き込む恐れがあるので、防火シャッターなどの設置が不十分ではないかどうか、閉じ込め機能維持のために負圧をかけているエリアとの関連などを点検しておく必要がある。OFケーブルや古いCVケーブルはノンハロゲン化もされておらず、発生する煙は人の他機材にも有毒と見なされているし、閉鎖空間での炎上は単純に一酸化炭素中毒の脅威にもなる。

※ただ、空調系が完全に別となっている格納容器内まで達するとは考えにくい。

【情報は公開すべきではないという自民党議員の談話は正しいの?】

政治家の発言としては適切ではない。

例えば、どこの送電線の何丁目何番地に入口があるとか、その入口の鍵は何処に置いてあるといった情報は明らかに公開するべき内容ではないし、今回の事故検証に必要な情報でもない。公開すべきでない情報は存在する。しかし、ケーブルの建設年やその組成、事前の更新計画などといった情報は公開してもテロの危険を高めることはないし、既に公開の場で研究発表済みの内容も多い。

そのような情報の性質を一切無視して「公開すべきではない」という言葉だけが独り歩きしている。これこそ、素人の暴言と言うべきだろう。

むしろ、社外のチェックの目を入れるためには、無闇に秘密をつくらないことである。実は、福島原発事故はテロ対策を名目に、法的根拠も無く都合の悪い情報を遮断し、物言わぬ推進派には内部を見せて回るという悪弊を続けて起こったという背景もある関係ブログ記事)。津波想定を公表していれば、対策は震災前に終わっていただろう。

井上リサのようなPA師が早速「反対派には公開するべきではない」と説いて回っている。彼女は賛成派の顔をしているが、技術研究の内情に関心が無い上、売国テロリスト予備軍と言える行動を取っており、最悪の存在と言って良い。

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