【検査必要ない】瀬川深医師の新型コロナ見解は信頼できない【三日寝て】
オノデキタ氏のブログでは、最近神奈川県医師会がコロナ通信という出鱈目な啓蒙ページを削除したことを取り上げている。その記事にPCR検査不要論者をリストアップしてあったので、数名追加し、瀬川深医師も実は信用できないと書いたところ、何故か第三者のコロラド先生がご立腹のようである。確かに、平日朝方書いたあの一文だけでは根拠が何もない。先方のコメント欄で話を引き伸ばすのは止めて、自分のブログで説明することにした。
まず、瀬川氏が最近根拠にしている5月4日付のnoteは、新型コロナが来て数ヵ月経ってから書かれたものである。既に、検査について派閥分けも完成した時期の作品。勉強と経験があれば、あのように要領よくまとめることは出来るだろう。
だが、以前は違っていた。そのことがこのnoteには一切出てこない。
【兆候】
瀬川氏については昨年も環境活動家グレタ・トゥーンベリ氏の件で評したが、軽率で差別的と思っている。小国に感謝を強要して、周囲も当然視しているらしい。
他者に対しての印象を呟く時にも感覚最優先のようで、根拠に乏しいことがある。故に、リベラル左翼に耳障りの良い言葉を並べていても、それ程信用はしなくなっていった。私が取り上げたこと以外でも、成果を大きく見せたりする(例:dadaなる思想的に対立するアカウントの住所を発見したと吹聴した件)からだ。
また反反被曝で知られる菊池誠を難詰するため、何故か大阪に戦術核を落としたいと呟いてからツイ消ししたり、暴言が知り合いに突き刺さるのでツイ消ししたとのスクリーンショットも上がっている。既にしてここから、神奈川県医師会によく似てる。表現としては幼稚だが、消すほどの事でもないだろう(なお、アイマスというゲームに同じ名前のキャラがいることが元ネタらしい)。商業マンガ家の平野耕太はイギリス旅行の際に嫌な思いをして自作品でロンドンを破壊したそうだが、そのマンガが発禁・絶版となった話は聞かない。
そして今回。医療分野で黒(検査必要ない)と呟いた後、白(最初から検査派だったとする主張)であったかのように振舞い、嘲笑したということだ。
ともあれ、時系列順に私が信用に値しないと判断した契機となるツイートを紹介していくことにする。
【2月】
発端は、安倍内閣が検査を奨励するコメントを出したニュースのRT。
今から先手を打つのかあ。7回裏5点差でリードされてるところで「初回の守備が大事だぞ」と指示する野球監督みたいだな。 /新型ウイルス 感染拡大防止へ先手の対応を 首相が指示 | NHKニュース https://t.co/SvoR8lisHb— ナスカの痴情ェ (@synfunk) February 16, 2020
ましてコロナに至っては診断できたところで治療方針が変わるわけでもないので、疫学的調査の意味合いを除けば検査する理由にも乏しいはずなんだけど、検査してくれ圧がすごい強まるんだろうな……。「体調激悪でなければとりあえず三日間は家で寝てて!」が通用しない社会だからなあ。— 瀬川深 Segawa Shin (@segawashin) February 16, 2020
武漢の様子が日々伝えられ、PCR検査の解説が入り、DP号から感染者が帰宅する頃の話である。岡田晴恵氏が「どんどん検査させるために」生放送で半ギレしたのもこの頃だっただろうか。
NHKニュースの写しを読むと、先手の対応で検査拡大という表明自体は間違っていなかったことが分かる。勿論、安倍は掛け声だけという悲観的予想は流れていたが、その後に起こったことは医療界各所の消極性が原因していたようだ。この時点では知りようもない事実である。
要は、相手が安倍だからネガティブな意見を表明しているように見える。
また、瀬川氏がいわゆる抗体検査的な考えの持ち主であったこと、臨床医ではなく研究医としての目線で評価していたこと、いつものように社会のせいにして「三日間寝て待て」などという、後に検査否定派が常用する考えを持っていたことも分かる。抗体検査は感染者の炙り出しには役に立たないので、世界中でPCR検査が使われている。
連続するツイートを見てみよう。
なにが恐ろしいって、インフルエンザのときのように学校や企業その他が「医療機関で診断して貰って下さい」というお触れを出すことである。やめてけれ。一般の医療機関じゃ診断などできぬ。— 瀬川深 Segawa Shin (@segawashin) February 16, 2020
この見解は現体制を是とする御用、ネトウヨの思考に酷似している。だが、制度は人が作るから、間違ってるかもしれないと考えは直ぐに出てくる。この時もそうだった。
コロナウイルスPCR検査を緊急避難で、保険収載すればいいのに、いまだに保健所任せ。民間の力を借りろよ— onodekita (@onodekita) February 17, 2020
単にキャパシティーの問題。保健所だけでやっていれば、そりゃあ全員するのは不可能だ。民間でやるようにしたら全員できるようになる(民間=保険収載) https://t.co/YyD0mbv9JE— onodekita (@onodekita) February 22, 2020
いよいよただ事ではないと世間も認識し始め、安倍首相が全国の学校に休校要請を出した頃には次のように呟いている。
正直コロナには言及したくないんだけど、強い空咳・長めの発熱って臨床的にマイコプラズマと被るんだよな。但しマイコは簡易検査キットがあるうえ、なにより抗生物質が効く。まず鑑別すべき疾患だと思うんだが……。 / “コロナコロナと騒いだが結局マイコプラズマでした - …” https://t.co/5KGA2XO6AN— 瀬川深 Segawa Shin (@segawashin) February 27, 2020
PCR検査をせよと断言することにためらいが感じられる。このことは注意しておこう。
【3月】
3月になっても後に見せる姿勢に比べると歯切れが悪いが、その中で致命的な本音を呟いた。
はっきり言えば俺も臨床的にはコロナは無理に検査する必要ない派なんだけど、臨床的な対処と感染症のサーベイは話が違うんですよね。そこを意図的にかわかってなくてか混同しているこの漫画がジャンジャン回ってくるのはどうにも見かねるので一言。 https://t.co/Du7m2cDCJx— 瀬川深 Segawa Shin (@segawashin) March 10, 2020
「無理に検査する必要が無い派」だそうです。しかも「臨床的に」。臨床的とは平たく言えば、研究者目線ではなく、開業医などの現場目線だと。でも、上記の「感染症のサーベイ」や2月の呟きにあった「疫学的調査」って研究医の目線じゃないですかね。
WHOのテドロス氏はパンデミックを宣言した際、「検査」を連呼していた。WHOも大国の意向に左右され患者に寄り添わないと批判されたが、それと比べても当時の瀬川氏のスタンスは明らかに違う。都の医師会が検査センターを設ける動きに出たのは3月末頃だったが、これも臨床医からの切実な要求に基づくこと。
なお5月4日のnoteでは検査不要論を「臨床的直感にも反する」と態度を転換している。
症状があろうがなかろうが重かろうが軽かろうが毎冬ごとに「インフルエンザの検査and/or診断書だけを求めて」外来に押し寄せる患者様を見るに、懸命で賢くて風邪ひいても自宅でおとなしくしている日本人とはどこに居るのだろうと思う。インターネッツの中かな? https://t.co/DLVEZEh2ck— 瀬川深 Segawa Shin (@segawashin) March 11, 2020
「必要無い」の翌日のツイート。何でインフルエンザの時と同じように検査受けたいだけなのに、嫌味言われなきゃならんのか。そういう流れを作ってきたのは医療界自身である。新型コロナ患者を「駄々っ子」呼ばわりした村中璃子と何が違うのかね。
しかし、3月中旬頃を転機に、PCR拡大派への地歩を固めて日頃の嘲笑芸に取り込んだようである。
日本ではコロナ検査を行政に一任するという選択肢を取ってしまったんだから、その行政の長が検査しますと言うんだからありがたく受け入れておきゃいいじゃん。検査したら医療がぁ~崩壊がぁ~などと金切り声上げる連中には「シロートの外野は座ってて!邪魔だから!」としかいいようがない。— 瀬川深 Segawa Shin (@segawashin) March 12, 2020
瀬川氏も軽蔑している軍事ライターJSFが福島原発事故で呟いた「馬鹿は黙ってろ」から9年。これである。
御当人は良いこと言ったつもりなのだろう。「シロートの外野は座ってて!」という言葉が社会的に何を意味し、どれだけ忌み嫌われているかも理解していないことが良く分かる。まぁこういう類の発言を頭ごなしにする人はどこにでもいるが。
でもさ、コロナ問題でも、専門家風を吹かす人物は結局憎悪の的にしかならなかった。原発周りから参入した人達は、そのこと骨身に染みてると思うんだけど。だから私はなるべく使わないように注意している。『科学者に委ねてはいけないこと』位買えば。
大体、2月に見せた消極発言の舌の根も乾かぬ内に「検査して医療崩壊」をあざ笑う。「やめてけれ」つったのは誰だよ。
3月21日になると更に旗色を鮮明にした。
ちょっと前までネトウヨっちの統一見解は「コロナなんて風邪に毛が生えたようなもん!検査も治療も不要、家で寝てりゃ治る!これだから危険厨はwww」だったのが、人工呼吸器の必要性自体否定できなくなってるあたりに風向きの変化を感じる。あるいは新たなコピペ元が出てきたか。 https://t.co/iR1t2yJqpj— 瀬川深 Segawa Shin (@segawashin) March 21, 2020
「風向きの変化を感じる」のはネトウヨの側だけでなく、瀬川氏であったことをよく示している。
それにしても、検査を嫌がり「三日間寝て待て」と呟いた人物が「家で寝てりゃ」を笑うのかね。瀬川氏の頭の中にある痛さが期待される人間像、自分自身なのでは。
以後、はだしのゲンの鮫島伝次郎を彷彿させる言動が続く。
【4月】
4月にはこんなことを言うようになった。
承前)明らかに病像が違うとか起炎病原体が特定できたとかいう場合ならともかく、そこに含みがあるならコロナの検査をためらう理由は2月半ばの時点でも皆無だったと思うがね。そこまで排他的に状況を整理せずにPCR受けない理由の大見得を切ったって、それはシロートの信仰と大した差なんかないでしょ。— 瀬川深 Segawa Shin (@segawashin) April 26, 2020
2月に何を呟いてましたかね。「コロナの検査をためらう理由」を並べてたのは貴方でしょ。
承前)↑で既に指摘済みだけどこれ、「主治医が新型コロナの検査は必要ないと判断」がレトリックなのよな。現在入院を擁するレベルの肺炎で、検査なしにコロナの可能性を否定的に判断できるってすごいレアな状況じゃない?医療者の安全確保目的に絞ったって検査必須だろうし。https://t.co/yvKK1k3xNE— 瀬川深 Segawa Shin (@segawashin) April 27, 2020
じゃあマイコプラズマの可能性があっても予防的にPCR検査すればいいだろ(笑)。
【5月】
GW中も舌好調。
ぶっちゃけたはなし、患者を愚民化して現状肯定するのってあんまり知能が要らないじゃないですか(直言)。これって要するにネトウヨの方法論とパラレルなんだけど。でも数十年生きて他人よりも知的能力を必要とする専門職に就いてそういう智恵たらずな手軽さに流れるのってちょっと寂しいよなあ。
— 瀬川深 Segawa Shin (@segawashin) May 3, 2020
初期に検査希望者を邪険にした辺り、自己言及にしかなっていない。職業病を論じるなら彼自身もその対象となる。医師免許に加えて研究職という属性があり、Twitter発信と言う自己顕示を行っているのだから、より業(執念)は深そうである。
GWが明けると次のような主張を披露した。
俺は一貫してPCRジャンジャンやれという意見だから宰相がどう言おうがどってことないのだが、増やしたらアカン連盟から見れば宰相なんて変節漢じゃん。しかも行政のトップで。文句言うならそっちだろ?— 瀬川深 Segawa Shin (@segawashin) May 13, 2020
「一貫してPCRジャンジャンやれ」「宰相がどう言おうがどってことない」「変節漢」だそうである。2月17日、宰相の言葉をRTして何を呟いてたか。311のアレは何だった。
皆さんはこういう人をどう思いますか。
勿論、コロナ以前と変わらず方々に嘲笑的、冷笑的なツイートをたっぷり振りまいてますよ。
まあそう考えると、今の日本に感染症や防疫について俯瞰的に語れる医者なんて滅多に居ないようなあと、コロナのときに張り切ってフカシこいていた自称ドクターたちを見ていて思った。ギリギリ俺の専門と言って良いPCRについてもデタラメだらけだったからまあ推して知るべしなのだが。— 瀬川深 Segawa Shin (@segawashin) May 26, 2020
どの口が言うのだろうか。
【否定し、嘲笑し、馬鹿にすることのリスク】
私も部外の素人ながらPCR検査拡大派の一人だが、一連のツイートを読んでから5月4日のnoteを読み返すと「よく出来た作文ですね」という感想しか出てこない。本音はnoteの外にあったからである。
「今はPCR拡大論を分かりやすく解説しているのだから良いじゃないか」。そういう考えもありだとは思うよ。常々人の態度が変わる様を悪し様に罵ってる人を弁護するには説得力皆無だけど。
どなたか忘れたが、PCR拡大派に転じた際に「フェーズが変わった」とか「今更2週間前の話を」と言い訳する人がいたね。今考えると、しょうもないなりに、理由は作っていた。自分の過去に正直。対して瀬川さん、どうなんでしょうかね。
前に黒と呟いたことをある時からずっと白だったかのように呟いてしまうのは、まずネトウヨ(と彼が思っている大衆)を如何に嘲笑するかが先にあって、そこに自分の意見を合わせているからでは。
検査の要否、どちらの側に立っても信用に値しない、私はそう受け取る。
今確認したが、やはり瀬川氏は、PCR検査については常識的なことを言い続けている。
— Hiroshi Makita Ph.D. (@BB45_Colorado) June 19, 2020
ヲタ吉批判で瀬川憎しが跋扈しているのは知っているが、こういう嘘を他人の裏庭に犬の生首を放り投げる形でばら撒くのは、本人の言論について信用を瓦解させる行為と自覚すべきだろう。https://t.co/n53jLeo8ER pic.twitter.com/R86j6nMD4g
神奈川県医師会は極短期間とは言え、謝罪もしたそうだ。瀬川さんが、ポジションを変えると表明したのかは知らない。ネット全部見てる訳じゃないから。でも、第三者が比べてそんなに腹立てるかね。
コロラド先生の観察力が急激に衰えているのは既に指摘済み。
残念かも知れないが、今回は、只のオタクコンテンツ叩きへの反発ではない。そりゃ少しは消費しているが、私は本業があるのでコロラド先生程テレビっ子ではない。瀬川氏に比べると、コミケの出展申請書いたことも無く、オタク文化度は低い。瀬川氏がPCR検査機の使用を含めた医療の専門家だから、という公共的な問題意識からの意見に過ぎない。
【ライター志望者じゃありませんけど】
それと、次のツイートに関しても一言。
本当に残念だ。
— Hiroshi Makita Ph.D. (@BB45_Colorado) June 19, 2020
こういうことをすると、勿論、様々な編集者の目に入っていて、自分自身の信用=言論の信頼性をゴッソリ削り取って行くというのに。
自分自身での今後の発表の場が失われて行くだけでなく、過去に遡及して言論の信頼性を大きく毀損してしまう。
ぽかーん、て感じ。
私が学会誌、科学のような準論文誌、世界、月刊日本、AERAみたいな総合誌、果てはゲゼルシャフト通信等々へ投稿応募をして回りたいかのような誤解を受けると困る。以前私信でも述べたがそのようなことはしていないので、あしからず。参考にアクセス解析結果を述べると、岩波書店などが私のサイトを読みに来ることは年に数回程度。プライベートでの接続状況は分からないが、多分認知もしてないでしょう。ネットの運動家や趣味人が、誰も彼も同じ夢見てコンテンツ作ってると思ってるのだろうか。
ヒノマル国策翼賛地獄医者
— Hiroshi Makita Ph.D. (@BB45_Colorado) April 20, 2020
嘘をつくな
こういう国策翼賛殺人デマゴーグは、藁人形をせっせとこさえる。
いい加減に嘘を垂れ流すのはやめろ大嘘つきの地獄医者。 https://t.co/CxPSSrWXMm
上記のようなツイートで思うこと。この記事を読んで、私に投げつけた言葉と同じ強度の批判を瀬川氏に投げつければ、コロラド先生の言論の信頼性も回復するかもしれないね。検査に消極的な輩には「人殺しの大嘘つき」呼ばわりが習慣なのだから、本来は3月に済ませておくべきことだ。
2020/6/21:【兆候】に加筆。末尾にツイート引用一つ追加。
2022/9/1:この記事を書いてから2年以上経過した。その間、感染者数と社会的検査論の無駄について実感を学び、反ワクノーマスクなどの問題も周知された。その過程で私もいわゆる医クラとか、普通の人達と同じような価値観を共有するに至った。その意味では、瀬川氏についても最初は検査機も試薬も足りず、正しかったと思われるが、この記事は意見の転換に着目しているので若干の自戒を込め、残しておくことにした。なお、本題と無関係な第三者の名を削除した。
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コメント
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なお、冒頭のスクリーンショットには次のように書かれている。
稀に馬鹿じゃない人もいますがそれはきわめて運のいい例外なので要するに艦これ厨はひとりの例外もなく馬鹿だと言うことです。
コロナPCR検査で数百万人の集団を扱った時、特異度99%と99.99%の違いを理解しているかが、キーポイントとして論じられている。神奈川県医師会が理解出来なかったのもこの点である。その上で、今この書き込みを見直すと、瀬川氏には冗談の飛ばし方一つとっても学術的素養に疑問があり、神奈川県医師会と同程度と言えよう。
投稿: 岩見浩造 | 2020年6月21日 (日) 23時37分