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2019年9月25日 (水)

ニュースに便乗してマウントを取る意識高いリベラルの闇~瀬川深氏の場合~

スウェーデン在住のグレタ・トゥーンベリ氏が国連気候変動サミットで攻撃的な調子で演説したことに対して、賛否両論が巻き起こっている。

まぁ、本心を言えば私はそこまで大きな関心は持っていない。日々のニュースの一環として受け止め、研究にせよ対策にせよ必要だろうなと感じている程度だ。

だが、この件を通じ、よく言われるリベラルの偽善性を体現した人物もいる。瀬川深氏だ。

どうしてそう判断したのか。次のツイートを読んでみて欲しい。

 

単なる失礼なデマカセである。何故ならその両国ともこの手の国際舞台に「リーチ」しているから。

【反例1】

マーシャル諸島をご存知ですか。透き通った海や、青い空が広がる、太平洋に浮かぶたくさんの島々からなる国です。そのマーシャル諸島が今、危機に直面しています。それは気候変動による、海面上昇と干ばつ。そこで立ち上がったのが、気候変動活動家で詩人のKathy Jetnil-Kijiner(キャシー・ジェトニル=キジナーさん)です。

彼女は、2014年の国連気候変動サミットで自作の詩を披露し、故郷の危機を訴えました。そして現在も世界中で、詩でもって、気候変動の解決を訴えつづけています。今回は、一般社団法人アース・カンパニーの招聘で来日した、キャシーさんへのインタビューをお届けしましょう。

キャシー・ジェトニル=キジナー
詩人、気候変動活動家。マーシャル諸島生まれ。544人もの候補者から選ばれ、世界中の市民団体を代表して、2014年国連気候変動サミットで詩を朗読、世界が称賛。2015年COP21、2016年COP22に招致されるなど、世界で詩の朗読やスピーチをおこなっている。2012年、マーシャル諸島でNGO「ジョージクム」を立ち上げ、マーシャル諸島の次世代環境リーダーの育成に努めている。


【反例2】

ミクロネシア連邦のジョセフ・J・ウルセマル大統領は、2003年9月23日、ニューヨークで開かれた国連総会にて演説をした。

様々な問題点が挙がる中、ウルセマル大統領は気候変動についての心配を語った。

太平洋地域では、台風の発生頻度が徐々に増えている事、その強烈さは“気候変動が現実に起こっている”ことを示している、と総会へ訴えた。

ミクロネシア連邦大統領、気候変動を止めるように訴える」『FoE Japan 南太平洋島嶼プロジェクト』(2003年9月27日、グアム・ハガッニャ)

【反例3】

昨夏、イルリサットでの気候変動国際会議。グリーンランド自治政府のハンス・エノクセン首相は、各国の環境大臣らを前に演説した。「温暖化の影響を観測するのに科学者である必要はない。漁師やハンターは日々の生活で気付いている」

グリーンランド溶解 温暖化、氷河流出2.5倍」『朝日新聞』2006年05月29日

現場からは以上です。それでは、瀬川氏のスピーチを引き続き御堪能ください。

池の水に映った自分の顔を見て「こいつも器量が悪い」と嘲る娘の話を思い出した。

そういえば、私も最近台風の記事仕上げたったなぁ。

分かったからニュース位見ろな。

言い続けたらネット論客の何人かが崩壊しちゃったけど。

今夏ジパングで一番ヒットしてるマンガ映画(天気の子)見たけど、そんな話じゃなかったなぁ。

上気パターンから外れるマンガ映画って結構多くないかな。そもそも他の人はどうか知らないけど、16歳女子、そんな好みじゃない。瀬川さんのお知り合いは・・・・好きな人多そうですね。

これくらいにしておきましょう。

瀬川氏は、悪いけど昔から見てて危なっかしいなと思っていた。例えば、dadaという冷笑主義系ツイッターアカウントの顔写真が出回ったとき、彼は何故か「自宅を特定した」などと吹聴、意味の分からない逃げを繰り返して嘘だったことを認めた。

そこまでして何をしたかったのか皆目不明だが、ネットの「特定班」としての経験から言えば、自宅は勤務先より見つけるのが難しいと感じる(懲戒請求を返り討ちにしている弁護士に比べればささやかな経験だが、例えば、あの「へぼ担当」の自宅は今も知らない。社会への問題提起に必要な情報は得たのでどうでもいい)。

よくネット右翼や冷笑主義者はリベラルの語り部を「偽善」とか「お前の主張は間違いだ」と非難する。主張に踏み込んだものは賛同しないが、当該の人士の偽善性や隠された意図を見抜くことについては、私はある程度ネット右翼を参考にしている。

恐らく、彼等は動物的直感に基づいて裏読みしてるのだが、適切な言葉を持っていないから、後天的に身に着けたお仕着せの偏向思想でしか表現できず、反論が的外れになるのだろう。だから、グレタ・トゥーンベリ氏を擁護したリベラル人士達への反論に、私のようなやり方で指摘したものは今のところ見かけてない。

さて、この知識、知るのに専門性は全く必要ない。普通に新聞TVを見ていても流れてくる程度の情報だ。何故ならフォーマルな国際会議ではマイノリティ枠を設けてこうした演説を行うのは珍しくないからだ。そういう意味では正に「今更」なのである。

瀬川氏が間違ってるのは、グレタ・トゥーンベリ氏とは何の関係も無く、本当は環境ニュースなんか大して関心も無いであろうこと(エール大の研究医でツイ廃だから、関心持つ暇も無さそうだ)、出身国に対する差別意識があからさまだからである。ただそれだけのこと。

私は脱原発派で反安倍。脱被ばくという程ではないが、無理に境界を作る福島エートス/シノドス一味は大嫌いである。だからリベラル人士が全部偽物などと言うつもりはない。瀬川氏も普段は結構いいことも言っている。

だが、リベラルが偽善に走る姿は、慣れると意外に簡単に見つけられる。一般的には次のようなパターン。

  1. 今回のように精々高卒程度の社会知識で片が付く問題をいちいち高尚に仕立て、大卒院卒のインテリでないと理解できないかのように吹聴する。本心は学歴マウント。岩波文化人周辺者に多い(なお右派の場合は科学技術信仰者に多い)。

  2. もう一つの流れは出羽守型。これも左右にいる。分かり易いのが対米隷属的な態度で、左派は民主党的な事物を諸手を挙げて歓迎し、右派は先進的な軍事技術への憧憬を隠さないといったところだ。特に新しいものにダボハゼのように食いつくのが特徴。自分は発明した訳でもないものを必死にセールストークしてくる態度も見ていて毎回笑いが止まらない。勿論、差別に抗う事例として公民権運動を例示するとか、TPOが適切なものは別だが、猿が人間の振りをしててもいずれ偽物はバレるというのが、私の偽らざる本心だ。

  3. 3つ目が今回のような目立ちたがり。準備の手間を惜しんで「あれも」「これも」と書き連ねてメッキが剥げる。

こういうのが不幸にして同じ陣営にいた場合、選挙など当座役に立つ場面は同調するが、必要が無ければ随時捨てる。必死度が高まってくると無意味に共産や社民に因縁をつける症例が頻発する。その心理衝動はネトウヨに類似。実態は蟻に嫉妬するキリギリスでしかないのだが。

なお、グレタ・トゥーンベリ氏が腹を立てるのは当たり前だろう。スウェーデンは、電力生産における原発への依存度が約4割と、日本の地方電力に匹敵する。温暖化の面からは、原発は火力発電に比較しても単位当たりの発電量で無駄な熱を捨てるので、悪影響も大きい。そりゃ腹も立てるというものだ。顔真っ赤にして絶叫する意思は欠片もないが、こうした点は同意出来る。

勿論、ミクロネシアやグリーンランドが排熱先進国に感謝する筋合いも無い。瀬川氏のあれは、「日本の環境大臣が同じ演説をしたら、感謝すべきだ」と言う意味なんだろうな・・・論理的にはそう導ける。

リベラルの方は、時々こういう記事を書く私のことを煙たい面倒くさいと思ってるかもしれないが、今回のような事例を反面教師にすることは大切なこと。最終的にはリベラル派にプラスと考えている。別に主張を変えろなどとは言ってないのだから、原発廃止!避難者へ補償を!自然エネルギーに取り組め!といったことは堂々と主張。それと彼等は隠れた科学信仰者の傾向も併せ持っているが、「科学」とやらに耳を傾けてえらい目に遭ったのが原子力である。その体験から、被害当事国の声を聞いていければ、と考えている。

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