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2018年12月30日 (日)

「その筋の権威な広河さん」を知らなくても社会運動は出来る

フォトジャーナリストの広河隆一がDAYSJAPAN編集部に出入りしていた女性達に性的暴行を働いたというスクープが週刊文春から出た。

反反原発は勢いづき、リベラル左翼陣営でも多くは広河を批判している。ともかく今のところ、被害者叩きの流れになっていないのはまだしもである。

そういえば、旧DaysJapanの版元だった講談社の漫画にこんなセリフがあった。

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藤島康介『逮捕しちゃうぞ』(講談社)2巻より

日頃から歴史修正の常習犯に事実を突きつけてきた論客、外教氏の指摘は的確だ。

しかし、Twitterを観察していた所、極一部に、党派性を剥き出しにして被害者そっちのけで反反原発の広河批判の揚げ足を取ろうとしている者がいた。著名な論客ではないので具体的な引用はしないが、止めておいた方が無難だろう。この件に関して一義に悪いのは広河、次に(権威主義的な)黙認者達だからである。

また、反反原発な人達や一部カメラマンによると、知らぬ存ぜぬを貫こうとしている人がいたようだ。

確かに、Twitterで言えば、社虫太郎氏のように四六時中ネトウヨの性規範を馬鹿にしてきた人にはばつの悪そうな話ではある。私もオタクを輩出してきた理工系出身だが、ネトウヨでも、性的なことに興味が無い、又は二次元ゲームの消費等に留まっている者は、ああいう物言いは言いがかりと取る。だから、暴行魔がリベラルから出ると容赦ない批判に繋がるのである。

一方で、自分のことを考えてみたが、右にも左にも彼のことを運動の司令塔であるかのように権威として評価してきた人達がいるようだが、「広河隆一って誰?知らんわ」という感じだったので、「知らぬ存ぜぬ」だったのは私だということになる。

そう、私は広河隆一の本を読んだことが無い。DAYSJAPANも買ったことが無い。

勿論情報を求めて本屋や図書館には通っている。だから、広河の著作は原発関係や国際紛争の棚で背表紙を見てはいたものの、後述の理由からノーマークだった。

ここで言いたいのは血統の良さを自慢する類の行為ではない。広河の影響など受けなくても、というか広河に限らず、その筋の権威をいちいち持ち出さなくても、社会運動も研究も出来るということだ。

311前に私が居た推進陣営でも似たような違和感を感じることはあった。あちらはあちらで特定の「先生」を祀り上げる信者達がいた。東電のへぼ担当だけがやっていた訳ではないのである。しかし、原発の構造を学ぶのに、その先生とやらの名前を印籠のように持ち出すことが必要だろうか?この違和感が後に専門家不信につながっていった。

原発の問題一つとっても、個別具体的な課題となると相応の勉強も必要だ。1人でカバーできる権威などいない。Twitterでは原発関係の問題なら何でも流暢に語っている人が多くいるが、ウォッチ歴が長いからそう出来ているか、ニュースを次々論評しているかが大半だ。自分で調べ物や取材をしながら「広汎に渡って」語ると言うのは、普通は出来ないことである。

ある原発関係の懇親会で、Twitterで人権・情報公開について立派なことを述べている著名な方が居た。私は当時、偶々その人が過去に手掛けた案件に近い問題を扱っていたので話を振ってみたが「ふーん。」で終わり。けんもほろろな対応を取られたことがある。まぁ、無名だからしょうがないけどね、と納得した物だった。Twilogで言行を確認したところ、広河やパフォーマンスに秀でた著名人達を持ち上げ続けた末、スクープ後に態度を急変させていた。正直自業自得ではないかと思う。

私の場合、広河に関心を持たなかったのは、彼がやっていることがこのブログで問題提起してきた領域と殆ど被っていないことにある。事故前の津波の問題や、再稼動の問題で、広河の言が役に立つ場面は殆ど無いと思われる。

もう一つ、このブログを書くにあたって、只の報道のコピーは避けていることもある。例えば被曝。私は個人としては20mSv帰還反対論に立ち、菊地誠等の言行には批判的だが、そのジャンルでの独自研究はしていないし、裏取りにリソースを要する分野なので、特に新規性の強い記事は書いていない。プラントの安全性の問題についても本業は原発設計者ではないので、格納容器内部の問題は、教科書的知識と対抗専門家の主張を確認・紹介するにとどめている。

更に辛辣なことを言うと、広河の主張自体も、誰かの拝借・後追いがかなりあると反原発側の一部には見なされていたように思われる。例えば、ある著名なジャーナリストの過去のネット書き込みを確認してみたが、広河への言及はゼロ。また、元プラント技術者で原子力市民委員会の筒井哲郎氏は、Amazonで公害、原発関係書を膨大な量レビューしており、中には広河と被る、福島やチェルノブイリの住民避難の問題や被曝の問題に触れた作品も多い。しかし、広河の著作のレビューは全く見つからない。過去に目にした記憶も無い。

広河は7人も被害者を出し、証言から常習性が高い。反被曝についても言行不一致の様だ。となると、70年代のイスラエルのキブツ時代から全部検証しなければいけないとすら思う。

おしどりマコ氏などの追記を読むと、仕事上の付き合いがある女性全般に声掛けしていたようだ。資生堂が『ダルちゃん』というマンガを自社ページに掲載していたが、その時の違和感に近い。何で、仕事上の付き合いしかない相手といちいち性的関係を持たねばならないのだろうか。職場恋愛を否定するものではないが、今回はそれですらなく、意味が分からない。

そして、未だに分かって無い者が左右に散見されるが、性犯罪は党派を選ばない。

縁起でもないツイートだが、広河と違って、普段よく参考にしている方がそういったトラブルを起こした場合のことは、一種の予防的思考として考えたことはある。上記の添田氏が当事者となったケースを想定すると、得意分野は情報開示なので、開示された文書自体は躊躇なく利用し続けるだろう。ただし、コメントを無批判に引用し続けるかと言えば、当然一言断るだろうし、代替性のある一般的コメントの場合は引用はしなくなるだろうね。

今回は、その筋の権威を知らなくても、元来それぞれが持っているカラーを維持したまま運動は出来ることを述べた。勿論、既に誰かが言っていることを自分が最初に思いついたように装って書いたり、無勉上等路線を奨励している訳ではないことは付け加えておく。

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