電気火災の脅威を力説し旧式原発3基の不安全を証明した東電原発職員へぼ担当氏
前回まで2回に渡り、東京電力柏崎刈羽原発技術職員しての立場を傍目には分からないようにして、(法的にも怪しげな)ポジショントークを重ねるへぼ担当を晒してきた。
しかし、彼も技術者の1人として平均以上に勉強を続けてきたのは、一つの事実である。
もちろん、本物はこんな点数を取ったことはありません。でも、大学院修了時に研究科(学部単位)総代だったのは本当。まあ、お勉強とお仕事、人格には相関はありませんが(大汗)。 QT @Type10TK: @hebotanto リスニング除けばほぼ満点w 恐ろしい学力だ…
— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2010年8月30日
京都大学大学院原子核工学専攻を修了し、東電時代には原子炉主任技術者免状やボイラ・タービン技術主任者を取得した。
※最終学歴は京都大学大学院ではありませんでした。KURが他大利用者を受入れていることを忘れていました。京都大学関係者にはお詫び申し上げます。
つまり、組織防衛バイアスが働いていない場合、その技術的見解の正確性は上がる。
このような観点から、今回の記事では彼を権威が認めた現役の電力・原子力技術者とみなし、以下に旧式原発の電気火災に対する危険性を示す。
実は、へぼ担当は火災に大きな関心を示しており、かなりの数のツイートが残っている。今回はそれらを私の判断で話題別に再編集した。
なお、ここで言う旧式原発とは大半のケーブルが難燃性ではないことを意味し、再稼働の申請に合格したものとして高浜1,2号機、申請中のものが東海第二原発である。これらの原発はケーブルも設計寿命を超過しており、その点では近年新築された一般の建物よりも劣っている。
北陸トンネル事故の悪夢を見過ぎ、と笑われるのは構わない。ただし、電気火災の場合、非常保護で通電が止まっても、難燃性のケーブルがくすぶったら、煙に巻かれることは一瞬。
極めて危険な事態となる。
— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2013年8月5日
難燃性ケーブルは塩化水素を主体とした有毒ガスの発生量が多く、炎上は抑制されても煙が燻り人体には有害、視界も遮る。また、接点が剥き出しの電気機器にも煤のようにこびり付くと動作不良を招く。
これを緩和する根本対策はハロゲンフリー/ノンハロゲンケーブルを採用することで、原子力の分野では難燃化に遅れて1980年代中盤以降徐々に導入が進んでいった。もちろん、ぞれ以前のプラントは問題である。
実はそのことは彼自身もよく承知しているのだ。
実務上、必要とされる区間での「難燃性」は当然なのですが、問題は「ノンハロゲン」の方ですね。絶縁体・絶縁材料で最も身近な「塩化ビニル」の使用厳禁の区間があるのはかなり厳しいところです。
— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2017年12月22日
所変われば態度も変えるという姿勢は一貫している。
【再掲】もう一度警告。まだ販売トラブルならお金をどぶに捨てるだけ。最悪なのは杜撰な施工による電気火災。難燃性だが一旦電線に火が付いたら猛煙となり、消火困難。どうかご注意を。>「太陽光発電装置販売、トラブル急増」(読売新聞) http://t.co/B9rnRQMK
— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2012年8月19日
原発に使われていると口を閉ざすが太陽光発電に使われていると饒舌。安全の観点からは「お金をどぶに捨てるだけ」とのこと。さて、難燃ケーブルを採用していない原発は?
また、送電線に限らず電線の被覆は難燃材料であることが多いが、絶縁油含めていったん火がついたら放水ではなかなか消えない。
この場合は油火災で多用される泡消火で窒息消火を主に、含まれる水の冷却作用を従にするのが有効。完全ではないが放水より感電リスクは低い。
放水は延焼防止や冷却で必要 https://t.co/ALSQUc1Q5f
— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2016年10月13日
ケーブル火災は一旦火が付くと消化が困難だそうである。
電線管の大敵はネズミやカラスのような小動物であり、かじられたりして短絡や地絡、最悪火災との事故事例が数多くあります。
この場合、侵入経路は現物を見る必要がありますが、最低限電線管の出入口は分厚くパテを入れ、同時に配電盤壁面内部にだけはネズミが入らないようにする必要がありますね。— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2017年7月23日
電線管も例外ではない。また、ネズミはあらゆる電気設備事故の定番。防鼠パテなども売られているが、施工がいい加減だと抜け・漏れが生じる。
@Archangel_HT
…(続き)電気火災の原因となり兼ねない。
一般家庭では設置例は少なくなったが、ナイフスイッチがその典型。
(動画で派手なアーク放電を見ることができるのは、この断路器の動作。電流が流れていなくとも、長い送電線(コンデンサと見なす)にある電気はあれ程ある
— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2016年4月9日
強電回路ではおなじみ、ナイフスイッチも視点を変えれば故障要素である。
@hebotanto
40Wでも十分に電気火災の原因になります。
例えば、40Wの白熱電球にタオルを巻いていたら、過熱により、あっという間にタオルが燃え始めますが、この場合火災まで電気的な異常(ショート他)なくても、これだけ怖いことに。— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2016年4月13日
40Wの回路は、照明などのアクセサリ電源はありふれている。最早反文明論者と見分けがつかぬほどの警戒振り。もちろん、間違ってはいない。
流石に「電気火災」で安全処置未完で放水する事はありませんが、
霧状噴霧で無ければ、最悪の場合放水によって感電したり、
それら消火用水によって水浸しになった結果、短絡・地絡を起こしてしまい、
電源が喪われる事(感電防止では必要だが、部屋の中真っ暗他が起こりうる)も視野。
— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2018年3月19日
感電の恐れがあるので、安易に放水も出来ない。
どうしてそんなに電気火災に拘るかと言えば、実際に脅威だから。発生した時の被害がシャレにならない。
【電気火災爆発事故:閲覧厳重注意】
Electrical plant-room explosion caught on tape.flv
事故原因は別として、町工場クラスでは、このクラスの機器が存在。決して手を出さぬよう厳重注意を。 https://t.co/x3n6oqDMrm
— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2016年3月27日
@Archangel_HT
大きさから考えると440Vであっても驚きません。
日本国内なら6600V前後ですが、440V以上6600V程度では流れる電力の大きさの方が効きますね。
状況的には中身の遮断器を出し入れしていた状況に見えます。
(クランク軸でぐるぐる回す動作の模様
— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2016年3月27日
彼が紹介しているYoutubeの動画は必見。発電所の電気室もこれと似たような雰囲気であり、規模が大きい。
続いて自治体消防が電気火災に無知との指摘。へぼ担当は下記のように完全同意。
以前の職場で電気火災が発生した際、消防は現着と同時に放水準備を始めて
電気火災だから放水するなと消防隊員を押しとどめるのに苦労した事が・・・
まあ、漏電遮断器で電気は落ちているとはいえ、かなり焦りました。— yoshi (@yoshi_u0214) 2016年10月23日
居ますね。
消防署員でも状況がわかって居ないのに放水したがるバカが。
指揮者に「電気火災で感電、二次災害の恐れ大」と言えば、まずそこで止まりますが、
「通電停止を確認せず放水して二次災害」と言う「消防署の名前入りの恥ずかしい事故報告例」までありますね。— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2016年10月23日
これは、へぼ担当自身が柏崎市や新潟県の消防を信用出来ないと宣言したに等しい発言である。もちろん、他のサイトにも当て嵌まるだろう。
つまり、既存の消火設備と自衛消防隊依存となるが、外野から見れば、自衛消防隊こそ消防のプロとは言えないのでは?との疑問が沸く。その疑念を彼等自身も抱いているのか、電力各社は訓練の回数を誇っているが、別の観点として『原子力戦争』(ちくま書房,1976年)で告発されたような、ボヤの隠蔽をチェックすることも出来ないことになる。
@Mossie633 情報有難うございます。仰るとおり電気火災だと、当該だけではなく隣接の電源を切らなければいけなかったり、原則として放水不可で消火も大変。何より電気火災だと煙が凄まじく、難燃性でも隣接配線に引火したら地獄絵図ですので。
— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2011年12月29日
隣接配線に延焼すると地獄絵図だそうである。原発の場合、このリスクを軽減するためケーブルルートの系統分離が徹底されるが、初期原発の場合は電源室が一か所の部屋に集中配置されるなど、ケーブルトレイを分離した程度では根本解決にならない設計が多い。東海第二原発がその典型である。
一旦、ここで話を止めるが、最早各建物で難燃としても、お隣が3時間以上燃えたら、その限りではない。
よって、地道な方策を幾重にも積み重ねるが、重要方策として火を出さないことがある。
— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2016年7月16日
古典的なブラウンズフェリー事故はもとより、新潟県中越沖地震での所外変圧器火災(2時間)など、3時間以上あるいはそれに迫る時間燃え続けた火災事例は原発でも散見される。
2017年2月に発生したアスクルの倉庫火災に関しても、へぼ担当は防火シャッターと難燃性について興味深い見解を披露している。
誤解を招かぬように言えば
倉庫のシャッターや熱感知器の配線系統は北側の第1系統と中央部・南側の第2系統に分離(これは正当)。
ただし、それにより動作する防火シャッターは1系、2系に分かれており、「両方から」火災信号を受け取る仕組みでは無かった。— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2017年4月12日
ただし、このこと自体は賛否が大きく分かれる。
「両方から信号を入れた方が良い」とは必ずしも限らない。
理由は簡単。例えば1系がダウンした際(火災時不動作)に、もう一つの健全な2系側にショート等の悪影響を回避するためにはどうすべきか。
物理的には1系と2系を分離するのが最短となる。— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2017年4月12日
勿論、fail safeの思想に基づき両方からの信号を入れた方が良い、という考え方もあるが、先の共通(合流)部分の悪影響をどうするか。
防火シャッターの動作機構まで含めた検討が必要であり、それならば片系で火災区画を一定程度局限できるように、動作するシャッターを交互に配置もある。— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2017年4月12日
シャッターの動作はそれなりに奥が深いようだ。この日の彼のツイートはまだ続く。
また、当該回線(配線)の耐火性については十分に考える必要がある。
配線の耐火とは簡単なようで実は大変に難しく、実際には難燃性が限度となる。難燃性の定義は以下参照。https://t.co/SDPlVu7rRi
分かりやすいのは以下https://t.co/1kR8yOet1s— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2017年4月12日
良く言われる「「JIS C 3521」,「IEEE std.383」などの垂直トレイ燃焼試験(VTFT 又は VOT)に合格する難燃性」とは「所謂20分耐火」であり、
燃え上がる炎(例えば500℃)で「数日も耐えられる」…という代物では無いことが多い。— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2017年4月12日
それ故に金属製配管他不燃性の配管に配線ケーブルを敷設したり、当該配線を建物のコンクリートの中に埋め込んでしまう案も出ているようだが、これとて時間稼ぎでしか無い。
もっとも火災発生後防火シャッターが閉まったり、人員が脱出できるまで持てば良い…と考えるならば20分耐火+αでも機能。— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2017年4月12日
その他、これらは一つ解決すれば、また別の問題が発生…という具合に、正直なところバランスでしか解決しない。
— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2017年4月12日
防火シャッターの重力(自由)落下としても、
「通常時含めて防火シャッターの付近にいる方々が確実に退避できる事」
が必要であり、防火シャッターの不時動作(非火災時作動)で挟まれたら、
重大な人身災害に発展する場合もあり得る。— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2017年4月12日
以上は一例であり全てでは無いが、これら対策が一筋縄ではいかず、
合理的に可能かつ安全で確実な動作、及び非火災時の誤動作による人身災害を如何に避けるか、というバランス感覚が必要なことは理解しやすいだろう。
後は第二回の資料のアップロードを待つことにする。— へぼ担当@SafeMode (@hebotanto) 2017年4月12日
難燃ケーブル=不燃ではない、という事実は用心深い技術者なら知っていることだが、それを東電の原発技術者が率直に認めているのが素晴らしい。彼がこのように率直に物を言えるのは、柏崎刈羽原発が難燃ケーブルを多用し、日本原電に比較すれば新規制基準への対応に大量の資金を投じてきたからだろう。要するに「俺の職場は別」という考えが根底にあるように思われる。
また、これらのシャッター設計のノウハウが、旧式原発の建屋やサイトバンカ、経年を経た発電所の倉庫などにもバックフィットされているのかも興味深い論点となり得るだろう。烏賀陽弘道氏により再評価された『近代消防』に寄稿した元消防官のような対抗専門家の登場が待たれる。
私はプロフィール欄にも述べているように元々は推進派であったところを311により反対に転じた者である。よって、基本的には全ての原子力発電所は廃止されるべきと考えるが、その中で技術的プライオリティが付くことは避けられないとも思っている。そういう意味からは、へぼ担当の技術的知見は参考になるのである。
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