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2017年5月の1件の記事

2017年5月23日 (火)

共謀罪の根底にある差別思想は必ず福島事故のような惨事を誘発する

唐突だが、私も本日衆議院を通過した共謀罪には反対である。

世情よく言われているように、屋上屋を重ねるだけでこの法律には意味が無く、権力者は対象から除外されている、保身のための法律だからだが、他にも理由がある。福島原発事故の教訓である。具体的には「テロ対策を言い訳に反対派を追い出して爆発した」という話を調べ上げたからだ。

上の方のツイートのような出来事が、東電福島でもあった。

共謀罪や千葉市長熊谷氏の暴言などで何かと揶揄される共産党を始めとした左翼団体。だが、彼等は福島第一、福島第二が津波に弱いことを事故前から指摘してきた。

一般的には、共産党の吉井英勝議員が国会で質問した話が有名になった。覚えている方もおられるだろう。

注目して欲しいのは、地元の市民団体も現場の重要な建屋が津波対策をしているか、視察をしたいと要望を出していたことである(下記のリンク先)。

チリ津波級の引き潮、高潮時に耐えられない 東電福島原発の抜本的対策を求める申し入れ」原発の安全性を求める福島県連絡会代表 早川篤雄 2005年5月10日(PDF

しかし東電は、「原発に反対する者は犯罪者予備軍」という妄想に取りつかれていた。以前から、原発の展示施設で見学者が安全性に疑問を呈した場合には、明るい表情で「大丈夫です」と笑い飛ばすように指導し、市民団体が上記の要望を出した時は「テロ対策上見せられない」とうそぶいた。その一方で、原発に賛成する市民達には現場の見学を許可するという、恣意的な運用を続けていた。不幸なことに、見学を許可された市民達は原発の構造に興味の無い無知な者が大半だった。

福島事故を振り返った時、右派は「あれは避けられない事故だった」と主張し、リベラルな考え方の持ち主でも、主だった事故調の説明「東電は事前に大津波のシミュレーションをしていたのにそれを活かさなかった」という認識に留まっている。つまり、専門家がしっかりしてさえいれば良かったと無意識に思っている節がある。そこに彼等が誹謗する「左翼」の意見を採り入れていたら事故を防げたという事実は全く参照されていない。

共謀罪に賛成する人々が考える『テロ対策』を施した結果、福島原発事故は発生したのである。

繰り返すが私は、以前「テロ対策を言い訳に反対派を追い出して爆発した福島第一原発」という記事を書いた。

長いが、是非読んでほしい。共謀罪のような考え方は必ず原発や再処理工場の事故を誘発する。吉井議員や市民団体の指摘が無視されたのは、ただ「左翼だから」という共謀罪に通底する発想のためである。そのような右翼的偏見が原発事故の底にはある。

そして原発事故が起こった時、政権におもねる者達は被災者を見捨てる。大衆にも棄民に加担する者がいるのは常識だが、例え潜在的には善意の持ち主であっても、都合の悪い情報は流通量を抑制され、無関心なまま「終わったこと」として受け取られる。そういった過去の悲劇をも再生産することになるだろう。

【おまけ】

なお、テロ対策について肝心の原子力規制庁は「何も話しあっていない」そうである。

昔、日本の原発は丸腰だと言われていたが、今は武装警官が詰めており、そのことは官庁のリリースや報道もされている。そんな状況で話をするのに共謀罪が必要なのか、少し頭を働かせれば済む話だ。

松本人志がMCの報道バラエティで「今、隣でミサイル上がってんすよ、これとか考えると準備しといた方がええんちゃうのっていう」とコメントがあったらしい。

飛んでくるミサイルに共謀罪でも示して帰っていただくように説諭するのだろうか。相変わらず馬鹿で権力の忖度しか出来ない奴等だ。かつて横山やすしにさえ「チンピラの会話」と言われたあの下劣な芸風は元々嫌いだったが、政治まで語って欲しくないね。

話もしない規制庁は論外だが、共謀罪賛成派にせよ、煽動者になった芸人にせよ、かつて左翼を馬鹿にする時常用していた「話せば分かる」を地で行ってるのは興味深い。活断層やミサイル相手に印籠代わりに「共謀罪」を示せば惨事が防げるという屁理屈。つくづく間抜けな話である。

※17年5月26日本文に一文追記。

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