【フェミもネトウヨも】スイスの鉄道の10年以上前にPC対応キャラを登場させていた鉄道むすめ【上辺だけ】
以前、【みぶなつき】駅乃ちかこ萌え路線で炎上した鉄道むすめ【あなたは多分偉かった】という記事を書いた。
2016年秋、トミーテックが鉄道各社と打ち合わせた上で商品展開している「鉄道むすめ」に東京メトロの新キャラを登場させたところ、絵師の伊能津がエロゲー的描写を露骨に持ち込んでネット炎上してしまったという事件である。
この時は主に擁護する側が表層的で毎度おなじみPCに対して感情的に反発するだけという反応を示していたので、みぶなつきの場合はより実態に近い姿で商品化してきたことで、炎上を起こさなかった事実を紹介した。
今回はその延長戦として、スイスのレーティッシュ鉄道が萌えキャラを採用し、フェミニストとネット右翼がこぞって賞賛するという出来事があった。
とても魅力的な女性の車掌さん、’のぞみ’をご紹介します! のぞみさんはレーティッシュ鉄道と箱根鉄道の制服を組み合わせた物を着ています。レーティッシュ鉄道はヨーロッパで初めて、萌えキャラでキャンペーンをします。僕が今まで努力し夢見て来た事がついに実現します! #スイス政府観光局 pic.twitter.com/8aUZ27PHdr
— スイス大使 ラユン (@rayunch) 2017年4月21日
スイス最大級の私鉄が欧州で初めて日本の萌えキャラを正式採用「マジか!」「スイスはじまったな」
スイスの鉄道萌えキャラは「みちかと違う」のか?「まなざし村」的には正しいのか?
一言で言えば、そこで騒いでるネトウヨは鉄道むすめを商品として購入したこともなければ愛着も無いであろうこと、対するフェミニストは過去色々批判されてきたように本質は自分を洋画に投影した名誉白人に過ぎず、舶来ブランドの時だけ珍重する傾向が露骨に出てしまったと言える。勿論どちらもTwitterではしゃいでいる人達の事で、特定の主義思想に染まっている全員に該当するとまでは思わないが。
RT マニッシュな制服には不自然な露出や身体の線を強調する皺もなく、萌えキャラでありながら「女の子も車掌さんを目指していいんだよ」というエンパワメントすら感じさせるところ、スイスやるなと思う。
— くたびれはてこ (@kutabirehateko) 2017年4月22日
togetterには収録されてないが、フェミニストとしては比較的マイルドなこのざまんぐ(@konozama347890)氏が積極的に引用していた。多分彼女等の間ではほぼ共通認識なのだろう。
しかし、スイスの鉄道がこのようなコンセプトで臨んでから好意的に取り上げる辺り、彼女等の日本観は歪んでいる。後からもっともらしい理論武装をしても、最初で躓いてるので無駄。何故かと言えば、マニッシュなキャラ(端的にはズボン姿)は10年以上前に登場させているからだ。そもそも、鉄道むすめは10以上のシリーズを重ね、数10名から100名前後のキャラクターが登場している。従って、容姿のバリエーションもそれなりに多様化しているのだが、それを知っていたら、スイスのデザインを見てむしろ「後退」したとすら主張していたのではないだろうか。
その後、更にマニッシュさが増した事例が下記だが、これも9年程前に登場している。
朝倉ちはや(鉄道むすめシリーズVol.6より)
駅野ちかこにしても、姿勢を職業人らしく修正すればシリーズを展開する側から見て、事は足りることを上記の例は示している。
朝倉のようなキャラクターはPC対策を意識した面もあろうが、リアリティを持たせた結果、より現実の日本社会を反映されたことが大きい。基本的には実在事業者の制服を再現しているに過ぎない。制服がマニッシュであるかどうかは、事業者次第ということだ。特に乗務員を対象とした場合はズボンの比率が高い。
東武の場合、駅係員が登場しているが、制服刷新時にズボンに変更し、等身を見直している。
栗橋みなみ(鉄道むすめシリーズVol.8より)
栗橋みなみ(鉄道むすめシリーズVol.2より)(旧制服)
彼女等とスイスのキャラを比較し、後者が再現性・PC上劣っている点を列挙すると次のようになる。なお、アートに係る部分は評価ポイントにしていない。
- 何か動作をしてる訳でもないのに内股である。
- 制服が非実在。お洒落のために制服を創作・改造するのは萌えアニメの特徴だが、それ以前から女性でもそういう願望をコメントする方をネットの内外で見聞したものだ。
- 髪が腰まであり、服務上巻き込み危険がある。日本なら恐らく美観上も問題視され、「服装の端正」を運転安全規範10項に組み入れている西武ならば即乗務を外されるレベル(最近同社現業職と話したが、相変わらず厳しいそうでご苦労なことである)。なお、フェミニストが軽蔑するであろう『出発シンコー』には巻き込み危険について啓発した回が存在する。
- プロとしては謎の敬礼ポーズ。二の腕が上過ぎ、親指が揃っておらず指先も内側過ぎる。何かの動作中でもないのに全体として崩れている。イベントで頭の軽い若手女優が一日駅長をしているような。事業者によっては打ち合わせ時に敬礼動作も教えるから場合によっては一日駅長以下だな。
- 評者が考える「受け手側へのメッセージ」が時代遅れ。「女の子も車掌さんを目指していいんだよというエンパワメント」を目的とした女性鉄道員採用活動など、2000年の雇用均等法改正による深夜労働解禁以来、リクルート活動等で幾らでも行われており、昭和鉄道高校、近年では岩倉高校(いずれも専門校)も受け入れ態勢を整えている。今更人形の出る幕は無い上、出すなら朝倉や栗橋のようなスタイルが正当だろう。
- 極初期のシリーズを除き、等身は現実に近くなるようにデザインされているが、スイスのキャラクターは概ね1等身低い。なお、初期のシリーズは等身は低かったが手足等もデフォルメされており、全体としては成人女性の印象が与えられているが、スイスのキャラクターは単なる少女のようにしか見えず、身長制限で車掌が出来ないのではないかという不安すら抱いてしまう。
特に受け手認識の件。2014~15年頃Twitterなどで批判の的になっていた、「同僚へのお客汲み」が、21世紀にはほぼ絶滅していると分かった時、一転して「あんなものはもう絶滅した」などと合いの手を入れる現象があった。雇用におけるM字カーブの犠牲者が家で騒いでいたのかなと思っていたが、この件も、それに近いものを感じる。
なお、アートな部分の評価とは「全員ではないにせよ多くのキャラクターには製作側の『本物の女性鉄道員』に対する真摯なリスペクトと期待が滲んでおり、現場での受けも私が聞いた範囲では悪くは無いこと」「3次元化した際に破綻しないようなデザインへの留意が必要であり、基礎的なデッサン力を要すること」である。
あるフェミニストによるとスイスのキャラクターは次のように見えるらしい。
下がり眉毛で頬を紅潮させ、体をくねらせ、物理法則に反するレベルで衣服が密着している駅乃みちかと、はつらつとした表情でぴしっと敬礼をし、体のラインが見えないルーズな制服のスイスキャラを「萌えキャラ」として一緒くたの箱に入れろと言われても無理でしょ。公共の場なんだから。
— チキささ (@c_ssk) 2017年4月22日
ルーズな制服は警察官や自衛隊員同様、採寸の際に推奨される。軍装ゴロと仲の良い筈のネトウヨは何故突っ込まないのだろうとは思うが。だから、リアル側に振ればバストの大きな人以外は上記ツイートの通りとなる。しかし「はつらつとした表情でぴしっと敬礼」とは何の冗談だろうか。洋画のイケメン軍人はフォーマルな場であんなことやってるのか(笑)。頭の花もスイス製とくれば無視することを含めて、こういうのをダブルスタンダードという。
そういった点を考慮すると、みぶなつき氏の絵はありそうな動作を元に創作しており、リアルさも客先に応じて振り幅を持たせるなど、やはり水準が高い。スイス人が絡んだから誉めてる連中には物を見る目も、商品について理解する能力も、調べる力も無い。キャラ紹介を見ることすらしていない。
彼女等をバックアップしているインテリ連中も同様だ。例えば2016年の映画『サフラジェット』のエンドロールには女性参政権付与国リストが出てくる。だが、その出来栄えが適当過ぎ、本編での感動も興ざめであった。具体的にはアジア圏の記述がほぼ無く、当ブログ記事執筆時点でWikipedia英語版以下。ちなみにに日本語版のアジア圏の記述は英語版に無い国複数への言及がある。フェミニストに加え、英語版盲信者が目を塞ぎたい不都合な現実といったところか(どちらにも記載が無いのは北朝鮮。男女共に実態は奴隷だが、形式的な話を言えば存在している)。しかしそんな映画のリストですら、スイスの参政権付与は日本よりもずっと後だったことを明記している。スイスは日本語の情報源が少ない国だが、かの地の女性観を考える際、このことは恐らく基本認識だろう。ヨーロッパなら何でもチャラになるのだろうか。
少なくとも鉄道むすめシリーズに一円も投資したことのない私すらこれだけ指摘出来てしまうあたり、両者はつくづく無能だ。
コラム
そういえば、2000年代後半に放送されたNHK『熱中時間』の鉄道熱中人特集回も、最初に登場した女性オタクは腫物だった。どう腫物だったかというと、趣味が男性駅員の後姿撮影だったことである。鉄道マニアをギャラリーとしてスタジオ収録に参加させる番組だったので、渋谷に行った私の後輩が臨場感たっぷりにその様子を語っていたが、彼女の紹介になった途端、ギャラリーを含めてスタジオが凍り付いたという話を覚えている。確かに、ちきささ氏言うところの「公共の」番組に出すような代物ではなかったね。性別が逆だったら当時の開明的なNHKでも即ボツ企画だっただろう。
PCについては更に付け加えておこう。鉄道むすめは(少なくともみぶなつき時代は)事業者に配慮して再現性などに拘っていたが、それでも参加を見送った社は数多い。JR本州3社、大手民鉄などは参加していないか、現業職の登場を控えている社がかなりある。それはそれで、PC的にも一つの見識である、と取ることも出来る(「偉い」とまで言えるかどうかは、また別問題だ。)。
また、参加した大手民鉄を見ても、東武、小田急、西日本鉄道などは他社に比較しても現業職の性的ニュアンスが抑制されている。ここに彼等のプライドが垣間見える。それに比べると、東京メトロは社会的影響力の反面地方民鉄以下のPC対応だった訳で、確かに脇が甘い。
コラム
鉄道むすめは企画の発想自体はそこまで悪気を感じるものでもない、と思うところもある。PCの問題で炎上する前は、地域振興の件で御大層な説教をインテリから受けてきた。そういう批判を受けながら、地方民鉄や3セクが鉄道むすめとコラボレーションして集客に尽力してきた事情を多少は知っている。批判でよく覚えているのは、JTBの鉄道未成線シリーズで知られる森口誠之(とれいん工房主催)。結局関係者から「我々は収入確保に必死なんです」と反論されていた。地方民鉄が苦境に陥っているのは大都市への人口集中、総人口の減少、新幹線開通による在来線切り離し、国庫助成の先細り、車社会等構造的要因があり、仕方ないことではある。だが、それを大都会に住む者が上から目線で小馬鹿にする醜態は見苦しく、不快なものでしかなかった。まともな萌えキャラ、ゆるキャラを使って何年かでも延命につながるのなら、それが苦境に陥ってる当の事業者にとっては、実行可能な数少ない施策となる。軍隊と結びついた連中と違って、外交や歴史に対する弊害も少ない。地方民鉄に社会制度の変革を要求するとか何を夢見てるんだろうあのバカは、と思ったものだ。
なお、同時期に炎上した週刊少年ジャンプの女性トイレロゴが過度に性的にデザインされた件については、弁護する余地は少ないと考える。大衆性のある雑誌で影響力の問題は否定出来ないし、何より社内で実用しているのはNG。下手をすると80年代にラブコメ路線へ転換する前の編集部より頭が軽くなっていやしませんか、とは思う。
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投稿: | 2020年6月 6日 (土) 09時03分