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2016年12月23日 (金)

【悲報】清谷800G事件の前「戦車が弾を弾き返すと乗員が死傷する」と思っていた軍事マニア【消印所沢まで】

先のブログ記事を公開したところ、早速2chの清谷スレで侮蔑的に晒された。自慢じゃないが私のブログは来訪者がそんなに多くは無い。ログを見るとその時間に1人いた。法人サーバーらしいが、何やってるんだろう。

ところで、面白いことを教えて貰った。2012年5月に「清谷800G事件」が起きる前は、軍事マニアの周辺では被弾したら乗員が死傷すると思われており、事件後もそう考えている人はいる、ということである。事実とすれば典型的ブーメランだが、さて実態はどうか。

まずは模型屋メーカーの売り口上。

Fushoudoitsuheimokei
●装甲の厚い戦車に搭乗した乗員は絶対に死傷しない、という訳ではなく、敵の砲火に曝され、たとえその砲弾が装甲を貫くことが無くとも、被弾による衝撃によって車内の機器、装備品が外れて乗員に当たり怪我を負う例も少なくありません

●特に、大口径の砲弾を被弾した場合、その衝撃はかなり大きく、車内の機器の破損、乗員の死傷によって、装甲を貫通しなくとも戦車は戦闘不能に陥ってしまいます

ホビーショップ エムズ・プラス

正に、負傷した戦車兵がモデル化されている(発売は2014年)。模型メーカーを馬鹿にする軍事マニアは、いや、本職であってもそうはいないだろう。勿論人のすることだから間違った認識で製品化されることもあり得るが。

次にWarbirds

ww2のドイツ軍の戦車が徹甲弾を受けて撃破された時、中の搭乗員はどうなるんですか?

(中略)122mm 徹甲榴弾なんて食ったら衝撃波だけで致命的かも。
ささき

Warbirdsより

興味深いことに、軍事クラスタの「教典」、軍事板常見問題にもそうした見解が収録されている。

Mltrganrikinetfaq09l22m13
 【質問】
 戦車に関してなのだけれど,90式戦車は自身の主砲の直撃に正面装甲ならば,耐えることができるそうです.
 しかし,どこで見たのかは忘れてしまったのだが,「現在の戦車戦においては被弾=撃破」であるという記事も見たことがあります.
 どちらが正しいのでしょうか?

 【回答】
 現代は戦車砲の威力――より正確には戦車砲弾の威力――があまりにも強くなってしまったので,昔のように
「確かに命中してるが平然と弾き返して無傷」
とか
「何発も命中してるのにちっともダメージになってない」
とかいったことが起き辛く,
被弾=死 に近い様相になる.

 でも90式やM1といった最新(どちらももう20年選手だけどね…)MBTは,
 少なくとも正面装甲なら1~2発は喰らってもどうにか耐えることは出来るし,そのように設計される.
まぁ耐えられたとしても,大戦中の戦車のように「弾き返したヘコみを直せばOK」とか,「喰い込んだ弾を抜いて穴塞げばOK」というのは難しく,後方に送って大修理すればなんとか直るかね・・・というレベルで壊れることは避けられないが,1~2の被弾でならそうは「破壊」されはしない.

(中略)
”撃破”というのは「一時的にでも行動不能に追い込んだ」ではあるから,
>「現在の戦車戦においては被弾=撃破」
であるというのもまぁ間違いではないだろう.

(中略)
モッティ ◆uSDglizB3o(黄文字部分)他 in 軍事板,2009/08/08(土)

【質問】
 戦車の装備する120mm砲って厚さ約1mの厚さの鉄板をも撃ち抜けるらしいですが,戦車の装甲ってその砲弾を防げるんでしょうか?
【回答】
(中略)
ゲーム上では,対戦車ミサイルは前面装甲で受ければオッケーってな事になっていますが,無傷と言うわけにはいかず,レーザー測遠機や弾道コンピューターなど使用不能になったり,
たまに車長や装填手が死傷します.
軍事板

軍事板常見問題より

上記のQ&Aに消印所沢お得意の「注釈」は何もついていない。他人を批判・難詰する際はこんなものではないので、全く疑問に思わなかったのだろう。

当記事で私が問題にしているのは、真偽と言うより、言説の受け止められ方。従って、趣味サイトの記述も論評の対象になる。なお、これらの記述が事実かは断言を避けるけれども、ある種の根強いものを感じる。否定するにしても、最早根拠無しには出来ないだろう。清谷氏が技術者の話を聞いてそう思っても何の不思議もない。それまでの「通説」をなぞっただけである。第二次大戦レベルの戦車砲でも起こっていたということであれば、それより遥かに口径と初速の大きな現代の戦車砲、それも10式の戦車砲なら乗員の負担はずっと大きくても不思議はない。

だからこそ、戦車兵、特に現代の正規軍戦車兵はヘルメットを被り、ボディーアーマーを装着していると思われる。冒頭に示した第二次大戦時の軍装と比べると、重装備だ(もっとも、規律の弛緩した軍隊、温湿環境に不適な装備の場合は、実質的な着用率が落ちることはあり得る)。なお、「ボディアーマーを着れば大丈夫だ」といった言説で以って清谷氏を批判する発言は、当時目にしたことが無かった。

世の中では「都市伝説」化した知見、逆にある時点まで噂レベル/与太扱いだったのに証拠が出てきてひっくり返ることがよくある。しかし、「戦車が弾を弾き返すとどうなるか」については、米軍やソ連軍の文書付などと言った信頼のおける情報源で論証して、清谷氏を「論破」したようには思われない(当たり前だが、今更それをやって「岩見はバカ」と難詰しても無駄)。800Gであるとか、大大大好きな(最新鋭)戦車の乗員が死傷することが感覚的に信じられないから、即物的に反応したのだろう。

特に、JSFとの親密ぶりをアピールしてきた消印所沢は上記のページでも清谷氏を小馬鹿にしている。だがその消印所沢にして、こうした書き込みを「収録」していたことから分かるように、議論の相手によって意見を変えたのが軍事クラスタであり、沈黙したのが「とばっちりを食いたくない」と思った周辺の軍事オタクであるということだ。弾が当たって乗員が死傷するかどうかはともかく、軍事クラスタはやっぱり只の御調子者で無能だな。

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