我が家の防災対策
他にも色々書いてみたい題材があるが、今日は肩の凝らないテーマで。
9月に入って防災対策を見直した。
東日本大震災から2年経過し、メディアでも啓発記事がポツポツと出ている状況だった。震災対策はネット上にも指南サイトなどが多数あり、家族構成・地域等によっても重点を置くべきポイントは異なるが、一つの参考として御笑覧を。なお、避難経路などは家族全員確認しているが、今回はハード面中心の対策について書くこととし、割愛した。
※本記事については余裕のある時に適宜、ソースを書き足していく予定。ソースの無い記述については各位で検索してください。
我が家の場合、震災前から多少の備えはしており、震災後に物流が回復してから、相当に強化した。今回はそれから2年経過しての再強化となる。
従って、これまで準備してきた対策から、列挙してみよう。
【震災前】
○ヘルメットx2
○乾パンx1箱(10食分程度)
○20Lポリ容器x1:生活用水用。飲用ではないので雑菌対策はせず年1度入れ替え。
※水については他に洗濯機などは勿論活用。
○突っ張り棒x2本:寝室兼書斎の本棚に転倒防止用に設置。
○ガラス飛散防止シール:寝室兼書斎に
○古新聞・古雑誌:転倒防止のため一部の家具の下に敷く。
我が家は比較的本の数が平均的な家庭より多い。家族全員の分を合わせると2000~3000冊程度はあると思われる。だが、上記を見れば分かるように、地震対策は極めておざなりだった。まずはこの点について意識を変える必要に迫られた。
事前に実施しようと思えば自分で措置出来る対策ばかりので他人に転嫁するのは気が引けるが、私以外の家族はほぼ無関心だった。我が家は関東地方にあるが、甚だしい時には家族は「地震など来ない」と嘯く始末。勿論これは「面倒くさい」を言い換えたものに過ぎない。別の時には「その時が来たら運命」などとも言っていた。しかし、震災直後は生存欲求に満ち溢れた言動が多かった。
防災対策本や関連サイトでは、アドバイスはあるものの、家庭での対策に当っての最初の障害が意識の鈍さにある点はしばしばスルーされている。しかし、2011年8月の「震災対策に関する調査」でもQ3やQ6の回答を見ると震災前から何も対策をしていない人が3割おり、対策をしない理由として「何をすればよいか分からない」「面倒」「お金がかかる」といった理由が大きな割合を占めている。
震災後、私が強く主張したこともあり、上記のような言い分は我が家からは消え去った。そして、2011年の春から夏にかけて下記の措置を追加した。
【2011年の強化後】
○ヘルメット:数量見直し。人数分追加購入
○マジックバルブx2:電球用口金に装着可能なLED照明。
○AM/FMラジオx1:久しく携帯用のものが無かったので購入
○乾電池x10:単3他。10本は常時最低量と規定。
○乾パン:廃棄に合わせ数量見直し。1週間分を目標として逐次購入し約5日分程度
○20Lポリ容器x2、10Lポリ容器x1、5Lポリ容器x1:数量見直し。スペースの問題もあるが、左記のように増強。
○2Lペットボトル水:飲用として3日分確保。ただし保存水ではないので賞味は1年。日光を避け保存。
○簡易トイレx5:断水対策に配備
○軍手x10:各種応急作業用にDIY店で一束。
○突っ張り棒:数量見直し。10本以上追加し、食器棚、冷蔵庫、本棚等に配置
○転倒防止チェーン:突っ張り棒が不向きの箪笥などに措置
○家具転倒防止安定板:一部既設タンス、食器棚の下に古雑誌に替えて設置
○耐震ゲルマット:棚上の電化製品対策として措置
○各種耐震金具:各種突っ張り棒等と併用し設置
○本棚用ストッパー:120cm以上の高さの棚の内危険度の高い50%に設置
※天板の上に荷物を載せている本棚には、天板上にも設置
○ガラス飛散防止シール:ガラス使用家具の90%、窓ガラスの50%に措置。
○エアゾール式簡易消化スプレーx1:消火器と平行配備し火災対策を複郭化。安価だが保管年限は2年程度。
○消火器x1:ミヤタのキッチンアイ。油火災に強く片付けの上では利点がある。
この措置で計10万円程度はかかったが、次のような認識から、躊躇無く資金を投じた。
・地震は必ず来る:「来る」「来ない」というレベルで言えば来るに決まってるとしておくのが安全側且つコスト面でも対応可能のため、想定外にはしない。
・救援はすぐに来ない:東日本大震災では関東の物理的被害は極一部に留まったが、物流は予想以上に混乱した。従来は3日分の準備が喧伝されていたが、最近は自治体などでももっと長い期間を推奨しているところもある。全ての項目で達成するのは難しい面もあるが、備蓄物資は3日ではなくもっと長期間を目安にする。
・他山の石:原発事故が良い例だが、不備を指摘し「想定外」を批判する世論が強まった。確かに想定外だったが、個人生活レベルの影響については、批判する側にも跳ね返る話。原発と一般家庭では想定すべきハードルも内容も異なるが、原発の失敗から一般家庭が学べることとして、「甘い想定によるしっぺ返し」ということは確実にある。
・忘れても良いように対策:「地震は忘れた頃にやって来る」のは事実だが、忘れていても何とかなるように考慮するべきと考えた。このような観点から、例えば保管年限のあるものはそのサイクルが長い方が良い。
【2年経過して見えてきたこと】
それから2年経過し、防災の日の前後に啓発記事を見て、改めて防災対策を見直したのである。まず、定性的な問題点としては下記があるように思われた。
・飲用水の備蓄が少ない:防災シーズンが盛夏の後だったことから、1年の約3分の1を占める夏シーズン(概ね6-9月)に発災した場合、(飲用)水の消費量が多くなるだろう、と予想するようになった。夏期はとにかく水分を取る。
・断水への供えが甘い:我が家は井戸や清流のある環境ではないので、水道依存度が高い。地元の役所などで調査した結果、断水のリスクは無視できないことも判明した。ただし、新鮮な水を多く保管出来るウォーターサーバーやエコキュートは導入コストもかかるため、別の方策を手当てする必要がある。例えば水を節約出来る対策。また、風呂・トイレは衛生にも関わる。
・栄養バランス:日常の買い置きが切れたら非常食に移行する訳だが、乾パンだけではバランスが偏る。
・停電への備えが甘い:配電網の損傷による停電や計画停電を考えた場合、数日間の電力を賄う必要があるが、マジックバルブと電池の増備だけでは不十分だった。ただし、携帯発電機の導入はコストが大きい割に、スペースを取る、火災リスクを高める等デメリットが大きいので別の方策を検討した。
上記の結果、追加した物資は下記である。
【2013年の強化後】
○ヘルメット:見直し無し。
○マジックバルブx2:見直し無し。
○LED懐中電灯x1:電池式。防水、高光量(100ルーメン以上の品から選定)。
○小型LED懐中電灯x1:外出時被災に備え鞄に収まる品を購入。
○AM/FMラジオx1:見直し無し。
○携帯電話充電器:乾電池式。通信連絡維持のため購入。機種変に合わせて必要あれば買い直しをしなければならない。
○乾電池x12:単3他。12本は常時最低量と規定。
○乾パン:見直し無し。
○総合ビタミン剤:乾パンのみでは栄養が偏るため
○20Lポリ容器x6、10Lポリ容器x2、5Lポリ容器x1:数量見直し。スペースの問題もあるが、各部屋を片付けることで左記のように増強。
○2Lペットボトル水:見直し無し。
○ペットボトル保存水:5-6年保存可能なもの。計10L超。
○簡易トイレx25:数量見直し。断水対策に配備。水道の復旧には時間を要するため1パック(20回分)追加。ただし、トイレ回数を考慮するとこれでも十分ではない。
○水の要らないシャンプー:断水時の衛生対策に購入。資生堂の品が保存年限3年で可燃性ガスも使用していないので選定。
○清拭タオルx1パック:断水時の衛生対策に購入。保存年限5年の品を選定。
○ウェットティッシュx1:断水時の衛生対策に購入。
○軍手x10:見直し無し。
○突っ張り棒:見直し無し。
○転倒防止チェーン:見直し無し。
○家具転倒防止安定板:見直し無し。
○耐震ゲルマット:見直し無し。
○各種耐震金具:見直し無し。
○本棚用ストッパー:見直し無し。
○ガラス飛散防止シール:見直し無し。
○養生テープx2:ガラス・家屋損傷時の応急対策用に備蓄。
○エアゾール式簡易消化スプレーx1:見直し無し。
○消火器x1:ミヤタのキッチンアイ。見直し無し。
○業務用消火器x1:近隣に飲食店があるため、貰い火予防策としてFM1200Xを購入。緊急時の心理対策も考慮し把持力の不要な蓄圧式、10年メンテナンス不要。
○ホースx1:延長10m。庭用蛇口を風呂に常設し耐圧性を確保。近隣火災予防用。
○ロープx1:多目的用に配備。
他にも必要な物を検討次第、措置していく予定。ただし、実は、最も威力のある防災対策は、防災対策本の購入によりノウハウを深化させたことではないかとも思っている。
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コメント
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阪神、東北ときて、次くるのはもう猶予がない状況な気がします。日々の訓練をおこたらず、備蓄を増やし、災害に備えた対策を常に考え、更新していかねばならないと感じています。逃げる、防備、食料、装備品なども大事で生き延びることが大切です。
投稿: http://borannti.ie-yasu.com/bora2.html | 2014年1月18日 (土) 17時23分
書き込みありがとうございます。ホームページの方を読ませて頂きました。一日の半分は夜間ですから、ご指摘の通りその時のことをシミュレーションしておく必要があります。このブログ記事では夏の生活体験を元に水対策を強化した旨書きましたが、冬になって寒さ対策として使い捨てカイロを備蓄に加えております。1000円もかからぬ投資ですが、それが生活感を反映した備えかと。
最近は高齢世帯も増えて避難所への移動はかなりハードルが高くもあります。街づくりによる耐震化や行政支援は必要ですが、すぐに立ち上げられるものでもありませんし、それでは解決出来ない問題もあります。家は残ったとしても当日電車やライフラインが止まったら備蓄をしておいた方が圧倒的に問題を緩和できます。
投稿: 岩見浩造 | 2014年1月19日 (日) 00時38分