ん?じゃあしょうがないか
今回は非常に狭い分野でのお話。
某所での議論にて『技術と人間』1978年7月号の記述が問題になっているので、私が参考にした箇所をアップしてみる。
記事全体はアップしない。しかし、当該記事は全体として原発批判のトーンが強いため、某氏が言うような歪曲した引用などは行っていないと断言できる。むしろ、他のマイナスのエピソードで省略した物も多い。
そこで、これを引用した俺の元の文はどうなっていたかを確認してみよう。
>1977年3月5日に発生した墜落災害に関して富岡労基署は転落防止措置が不十分だったとして
>転落した者が所属していた下請会社を労働安全衛生法違反の疑いで書類送検したが、
>送検は6月のことで労基署は「下請けと元請の関係が入り組み責任の所在がつかめず
>捜査に時間がかかった」とし、元請の日電工業、IHI、東芝、東京電力の責任は問わなかった。
>なお、西山が発電所関係者へ取材したところによると保修作業で現場に足場を組む際、
>「これだけの足場にいくらかかるからと元請に請求しても応じてくれない。
>だから下請も簡単な足場で作業をしてしまう」場合があり、墜落災害の遠因となっているとしている。
↑
従って「3月の事故と西山がとった証言は別(ただし裏事情的に挙げてる)」だし、
証言の側では「元請が指示(ニグレクト)」してるってのが問題(だが表には出てこないと)。
東方工業事件なんて別の場所の無関係な事件、出ても来やしない。 要するに、毎度の某氏の言いがかりなんだよね。西山氏は3月の事件も元請が責任があるとは断定していない。隠ぺい体質を疑ってるだけだ。今のように情報公開もそれほど進んでおらず、法規制も強化されていない時代なら、疑念を抱くのは社会面からは当然とも言えよう。
なお、記事中89ページで問題になっている元請と下請が現場に混在する問題は、建設業、造船業に特徴的であり、労働安全衛生法を施行した際、第29条、30条、31条などにて元方事業者の責任が規定された。このうち29条(元方の指示義務)は「混在作業」を条件としていないことで他の請負関係条文と相違する(『労働安全衛生法のはなし』P198。ついでに言うと200ページで29条と安全配慮義務の違いも比較されていて興味深い)。
なお、この内30条などについては『東日本大震災と福島原発事故』信山社にても、一般的な原子力発電所内での請負作業が特定事業に当たることから、関係法令として紹介されている。従って、私が福島原発内での請負労働にて同条文を紹介した根拠は普通にある訳ですが。
あと言っとくけど、91ページの県環境部の職員の証言も作業環境が劣悪であることの補強として使われてる。元々、火力を含めて発電所の現場作業って典型的な3K、プラント自体も熱を残していることが多いから汗みずくの場面は結構あるもんなんだがね。まぁ綺麗なヘリからの空撮やサービスホールの展示だけじゃ分からないだろうけどね。そうでなければ、東電工業が後の時代に原発保修に参加してから、しゃにむになって環境改善に邁進するはずもない(同社は90年代に集塵と温度調節を兼ねた移動式冷房を開発し柏崎原発で初採用した)。県の証言という公的な権威づけがあると某氏には不都合なのかな?
それに対して某氏の毎々の無礼な態度。裁判官を気取って自分好みの判例を都合よく引っ張ったりせず、淡々と出典を示せばいいだけなのだが、何故毎回秘密主義と頭の悪い歪曲しか出来ないのだろうか。判決名ではなく、こっちはその判決が載った掲載誌名などを聞いてんだよね。あれだけじゃ業種も分からんし。それとも、NTTでは人にモノを伝える時居丈高に対応して実質的な情報は極力少なくするように教えてるのかね。だとしたら実に残念だ。あの解釈誰も納得してないよ。
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